最終更新日:2023/6/28

住宅ローンの申込みに火災保険の加入は必須?契約前に知っておきたいポイントとは?

マイホーム購入時に、ほとんどの方は住宅ローンを検討すると思います。住宅ローンを組もうとすると、火災保険の加入が条件となっていることがありますが、なぜ火災保険の加入が必須とされるのでしょうか。

本記事では、住宅ローンの申込みで火災保険の加入は必須なのか、また火災保険を選ぶときに知っておくべきポイントなどを解説します。

住宅ローンの申込み時に火災保険への加入は必須?

住宅ローンの申込み時に火災保険へ加入することは、住宅ローンを提供する金融機関、住宅ローンの契約者の双方にとって重要です。

金融機関は、一般的に住宅ローンの対象となる土地や建物を担保に融資を行います。住宅ローンは借入金が高額で返済期間も長期に渡るため、債権を保全する担保の確保は欠かせません。

また、金融機関は建物が火災などで損害を受けて担保価値を損なわないよう火災保険の加入をすすめます。住宅ローンの申込み時に、金融機関から提携先の火災保険をすすめられるケースもありますが、加入する火災保険はご自身が希望する火災保険に加入しても問題ありません。

さらに、住宅ローンを申込む際に、火災保険に「質権設定」を金融機関から求められることがあります。質権設定とは、住宅ローンなどの借入金の担保として、火災保険の保険金請求権などに対して質権を設定することです。

質権者となった金融機関は、火災保険金が支払われる際、契約者に優先して保険金を受け取れます。

住宅ローンを提供する金融機関は通常、住宅ローンの契約者の建物に抵当権を設定しますが、万が一建物が火災で全焼した場合は抵当権の実行ができません。そこで、質権設定することで、万が一のときでも金融機関は貸付金を回収できるというメリットがあります。

火災保険の加入自体は住宅ローン契約者にとっても重要です。もし火災保険を契約しないままマイホームが火災などで焼失してしまった場合は金銭的な負担だけが残り、住宅ローンの返済を続けながら自己資産で生活しなければならないため、経済的リスクを負うことになります。

さらに、新たにマイホームを建て直すとなれば二重に住宅ローンを返済することになったり、返済比率(年収に占めるローンの年間返済額の割合)がオーバーし住宅ローンが組めなくなったりします。住宅を購入する場合は、必ず火災保険に加入しましょう。

火災保険の補償内容

火災保険にはさまざまな商品があり、各種補償がパッケージ化された火災保険や不要な補償などを見直してご自身で選択できる火災保険などがあります。

建物の構造や立地、家族構成、ライフスタイルに合わせて補償を見直し、契約者ご自身で補償内容を選択できる後者の火災保険がおすすめです。

一例として、セゾン自動車火災保険の「じぶんでえらべる火災保険」の場合は、火災、落雷、破裂・爆発の基本補償に加え、風災、雹(ひょう)災、雪災、水災などの自然災害、建物外部からの物体の衝突や水濡れといった予期できない災害、盗難などは特約としてセットすることができるので、ご自身の建物にあわせて必要な補償を選ぶことができます。

戸建て住宅なら、風災や雹(ひょう)災、雪災、水災などの自然災害や、盗難への備えなど、居住地の環境によって特約を選ぶと良いでしょう。マンションの場合、漏水により上階から受ける損害など、戸建てよりも水濡れへの備えが大切です。

必要な補償を選んで特約をセットすれば、保険料を抑えながら十分な補償を確保することができ、安心です。

火災保険のポイント

火災保険のポイント

火災保険に加入する場合は、火災などで住宅に大きな損害が生じたときに、その後の生活を再建するために必要な補償の確保が重要です。ここでは、住宅ローンの契約と同時に加入する火災保険で気をつけたいポイントを解説します。

補償対象を「建物」「家財」「建物+家財」から選択する

火災保険の補償対象は「建物」「家財」「建物+家財」の3パターンがあり、ご自身で決められます。金融機関の住宅ローンにおける火災保険では、質権を設定することが求められる「建物」に主眼がおかれますが、火災で損害を受けた場合の生活の立て直しも見据えた場合、「家財」を対象とした火災保険への加入も検討するとよいでしょう。

なお、建物とは住居として使われる建物とその建物に付属する設備のことです。保険商品によって補償の範囲は異なりますが、門、塀、物置や車庫といった屋外の付属建物、浴槽、流し台、ガス台、調理台、エアコンなど建物に取りつけてあるもの、畳などの建具は一般的に建物として補償されます。

家財とは、火災保険の契約者や生計をともにする親族が所有し、保険の対象となる建物の中にある日常生活で使っているものになります。家具や家電、食器、日用品、衣類はもちろん、建物内に収容されていれば自転車や道路運送車両法に定める原動機付自転車なども含まれます。

家財には例外もあり、1個または1組30万円超の貴金属や宝石、美術品、通貨、切手、乗車券などは補償の対象外となり、契約時に申告して保険証券に明記した場合や、特約をセットしている場合にのみ一定の範囲内で補償されます。

補償対象を「建物」に限定すれば保険料は抑えられます。しかし、「家財」に対する補償がなければ、火災などで損害を受けたとき買い揃えた家財を自己資金で再度購入することになり、経済的にも大きな負担になります。

万一に備えて、補償対象は「建物+家財」の設定がおすすめです。

建物の保険金額は「新価(再調達価額)」を基準に設定する

いざというときに必要な補償を受けられるよう、建物の保険金額は、新価(再調達価額)で設定しましょう。

建物の保険金額を決定する基準には、「新価(再調達価額)」と「時価」の2つがあります。新価(再調達価額)は同等の住宅を再築あるいは再購入できる金額、時価は再調達価額から経年や使用による価値の減少分を差し引いた金額です。

保険金額を時価で設定した場合、経過年数による価値の減少分を差し引いた保険金しか受け取れず、住宅の再建が必要になった場合に費用が不足するおそれがあります。

家財の保険金額も「新価(再調達価額)」を基準に設定する

火災保険の家財の保険金額は一般的に、保有している家財の新価(再調達価額)を基準に契約者が設定します。

「じぶんでえらべる火災保険」の場合、家財の保険金額は最低100万円から10万円単位で、所有している家財の再調達価額を限度に契約者のニーズに合わせて自由に設定できます。

家財は、契約者や同居家族の年齢が高くなるほど保有する量が増え、また、高価になる傾向があるため、年齢や家族構成に合わせて保険金額を設定しましょう。

なお、所有している家財の再調達価額を超える保険金額を設定しても、再調達価額を超える保険金は受け取れません。保険金額を高く設定するほど、保険料も高くなってしまいます。以上のことなどを参考に、保険の対象となる建物内の家財には再調達価額にあわせた適切な保険金額を設定しましょう。

「じぶんでえらべる火災保険」では、「家財の簡易評価額・保険料シミュレーション」を用意しています。さまざまな年齢や家族構成の、家財の保険金額の目安がわかるので参考にしてください。

地震保険への加入を検討する

火災保険の補償には、地震や噴火が原因による建物や家財の損害は含まれません。これらの損害に備えるには、火災保険とは別に地震保険への加入が必要です。地震保険は政府と損害保険会社が共同で運営するもので、どの保険会社で契約しても補償内容や保険料に違いはありません。

原則地震保険のみでは加入できず、火災保険とセットでの契約が必要です。火災保険の保険期間中に途中加入もできるので、後から加入を検討することもできますが、未加入の間に被災してしまうリスクもあります。なるべくマイホームを購入するタイミングで加入しておきましょう。

いつ起こるかわからない地震への備えとして、地震保険への加入をおすすめします。

補償内容の選択にはハザードマップを活用する

近年の自然災害の頻発により、住宅にも深刻な被害が及ぶケースが増えています。万が一のために、ご自身にとって必要な補償が何かを知り、備えることが重要です。

マイホームの所在地周辺の自然災害リスクは、ハザードマップで確認しましょう。ハザードマップとは、自然災害の被災想定区域や避難場所・避難経路などを示した地図のことで、地形や地盤の特徴、過去の災害履歴などがわかります。

水害の多い地域であれば水災の補償をつけるなど、適切な補償を見極められます。補償を受けられる条件は保険会社や商品ごとに異なる場合があるので、わかりにくい点があれば、保険会社に問い合わせておきましょう。

ハザードマップは、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」で確認できます。

長期契約で保険料負担を軽減する

現在、火災保険の保険期間は最長5年で、多くの保険会社では1~5年の整数年で契約が可能です。

一般的に保険期間を長く設定するほど1年あたりの保険料は安くなり、保険料負担を抑えられます。最も保険料が安くなるのは、保険期間5年の長期契約で一括払を選択した場合です。

ただし、一括払で保険料を支払うのは一度に多くの出費となるため、負担に感じる方もいるかもしれません。そのような場合には、保険期間を5年に設定し、保険料を毎年あるいは毎月に分割して支払う「長期年払」や「長期月払」といった支払方法を選択することもできます。

長期年払や長期月払は、長期契約での一括払に比べて割引率は低くなりますが、1年間の保険期間で契約を更新するよりも保険料を抑えることができます。

「じぶんでえらべる火災保険」の場合、保険期間2〜5年の長期契約であれば「年払」や「月払」でも保険期間に応じて3〜10%の長期分割割引が適用されます。

長期契約による保険料割引率の比較

保険期間 支払方法 保険料 1年あたりの保険料
1年 一括払 24,400円 24,400円
5年 一括払 108,000円 21,600円(11.5%割引※1)
年払(長期年払) - 22,000円(9.8%割引※1)
月払(長期月払) - 22,920円(6.1%割引※1)
※月1,910円×12ヵ月
左右にスワイプすることで、表が見られます

試算条件:セゾン自動車火災「じぶんでえらべる火災保険」、東京都、一戸建て(H構造)、建築年月2023年4月、保険始期年月2023年4月、建物の保険金額:1,500万円、家財の保険金額:500万円、補償内容:基本補償、風災等(自己負担額なし)、水濡れ、盗難、水災、諸費用

※1

保険期間1年・一括払の保険料と比較した割引率

火災保険はマイホームには避けられないランニングコストであるため、保険料の支払方法による割引を活用して保険料の負担を軽減しましょう。

住宅ローン契約時には納得できる内容の火災保険に加入を

住宅ローンを契約する際には、多くの金融機関から火災保険の加入を求められます。ただし、必ずしも金融機関経由で契約する必要はありません。ご自身が納得できる内容の火災保険を選びましょう。

適切な補償内容、納得できる保険料の火災保険を選ぶには、ご自身のマイホームにどんな補償が必要なのかを知り、検討することをおすすめします。

また、火災保険は商品ごとに補償内容や保険料が異なります。質権設定されている場合など、火災保険の申し込み方法が異なる場合もありますので、詳しくは各保険会社に確認するようにしましょう。

監修者プロフィール


竹国 弘城

竹国 弘城

証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自分のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうためのサポートを行う。【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®

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