最終更新日:2023/5/10

雨漏りの原因は?応急処置の方法や役立つ対策、火災保険の適用条件を解説!

雨漏りの原因はさまざまですが、早めに対策を講じて住宅への被害を最小限にとどめることが大切です。

住まいが雨漏りの被害にあい修理・修繕をする場合、一般的には費用はご自身で負担しますが、原因によっては雨漏りにも火災保険が適用されるケースがあるのをご存じでしょうか。

本記事では、住宅で起きる雨漏りの原因や対策、火災保険が適用されるケースを紹介します。

雨漏りの原因は?

雨漏りは、何らかの原因で雨水が住宅の内部に侵入して発生します。建物の屋根など、本来なら雨風をしのぐはずの箇所に隙間が生じてしまうことが主な原因です。

住宅で雨漏りが発生する具体的な原因には、ひび割れや結露、建物の経年劣化による防水機能など部材の劣化や破損、予期せぬ暴風雨や地震など自然災害の影響が考えられます。

ほかにも、建築材料や設計士の構造的な欠陥や、住宅メーカーの施工ミスが原因になる可能性もあるため、新築住宅でも雨漏りが発生するケースはあります。

なお、雨漏りは少しずつ住宅を侵食するため、雨漏りに気づいたらできるだけ早く原因を特定することが大切です。もしご自身の目で見て雨漏りの侵入経路が確認できない場合は、雨漏りの原因の可能性がある箇所にホースなどで水をかけ、水が入り込む隙間を探しましょう。

雨漏りしやすい箇所

雨漏りといえば「天井から雨水が滴り落ちる」イメージが強いかもしれません。しかし、実際には屋根や天井だけではなく、さまざまな箇所で雨漏りが発生する可能性があります。

住宅で雨漏りしやすいのは屋外と接している箇所であるため、ある程度予測を立てることが可能です。

屋外と接する具体的な箇所には、以下が挙げられます。

  • 屋根や屋上

  • 外壁の継ぎ目

  • バルコニー

  • ひさし

  • 換気扇

  • 窓のサッシ

など

屋根と屋上は瓦のずれや防水性能の劣化、外壁はひび割れやコーキング剤のすり減りによる目地の切れ、窓のサッシはレールの端にできる隙間などが雨漏りの原因になります。

雨漏りした箇所をそのままにするとどうなる?

雨漏りの被害は、気づかないうち進行していることもあります。天井のクロス(壁紙)にシミができた時点で、見た目以上に住宅内部のダメージが進んでいると疑いましょう。

また、雨漏りの二次被害として、湿気によるカビやシロアリの発生、住宅内部の鉄骨・建材の腐食なども懸念されます。雨漏りの二次被害が広がると大規模な修理・修繕が必要になり、高額な費用がかかるケースも想定されるため、雨漏りが疑われる段階で早急な対処をおすすめします。

火災保険で雨漏りが補償される場合がある

雨漏りによる損害は通常、火災保険の補償対象ではありません。しかし、雨漏りでも火災保険で補償されるケースがあります。

火災保険で雨漏りが補償される条件を具体的にみていきましょう。

火災保険で雨漏りが補償される条件

台風や暴風雨などの自然災害で住宅が被害を受け、それが直接的な原因で雨漏りが発生した場合、加入中の火災保険で補償される可能性があります。

同じ自然災害でも「風災」「雹(ひょう)災」「雪災」は補償対象となる可能性が高いですが、「水災(洪水や高潮を含む)」は基本的に雨漏りの直接的な原因とは認められません。

例えば、台風で瓦などの屋根材が飛んだ、台風で雨どいが壊れた、竜巻で飛んできた看板で外壁が破損した、雪の重みで雨どいが壊れた、雹(ひょう)に当たって窓が破損したといった経緯から雨漏りになった場合に、火災保険の補償対象となった事例があります。

火災保険の補償対象になるかどうかは、素人判断ではむずかしい場合があります。例えば、雪どけ水が屋根にたまり、軒先が腐食して発生した雨漏り(すが漏れ)は、経年劣化とみなされるため補償対象外です。

自然災害が原因であるかどうかは、保険会社が現場調査などで被害状況を個別に確認したうえで判断します。

経年劣化が雨漏り原因であれば火災保険では補償されない

自然災害を原因としない雨漏りの損害は、原則として火災保険の補償対象外です。時間の経過とともに起こる住宅の部材の劣化や老朽化、いわゆる「経年劣化」による雨漏りの損害は、火災保険では補償されません。

バルコニーや外壁などに自然にできたひび割れや亀裂は風雨にさらされてできるものですが、長い年月をかけてできたという事実から風災ではなく経年劣化とみなされます。

なお新築住宅で雨漏りが発生した場合、築後10年以内であれば「10年間の瑕疵担保責任補償」が適用されます。10年間の瑕疵担保責任補償は法律で定められた補償であり、状況に応じて無償で修理可能な場合もあります。

雨漏りの応急処置方法

雨漏りの応急処置方法

雨漏りは住宅にダメージを与える原因になるため、気づいたらすぐに修理・修繕を依頼することが大切です。しかし、修理・修繕までに時間がかかることもあるため、その間に雨漏りによるダメージが広がる可能性もあります。

そのため、ご自身で簡易的に補修して被害を最小限にとどめておくと安心です。ただし、ご自身での補修はあくまで応急処置のため、水漏れした箇所は必ず専門業者に修理・修繕してもらいましょう。

なお、応急処置を行う前には、該当箇所を撮影して損害状態を記録しておくと、後々の修理・修繕に役立ちます。

それでは、急な雨漏りにも対応できる応急処置の一例を紹介します。

屋根や天井にはシートをかぶせる

屋根や屋上からの雨漏りは、住宅内への雨の侵入を防ぐために外側からブルーシートや防水シートをかぶせる対処法があります。その際、強風にあおられてシートが飛ばないように、ブロックなどを重しにして固定します。

ただし、作業時には屋根や屋上にのぼる必要があるためしっかりと安全を確保し、落下事故に十分注意しましょう。

雨水の屋内への侵入が多いときには、吸水シートが便利です。雨水をそのままにすると壁や床が傷んでしまうので、手早くふき取らなければなりません。吸水シートを1枚置いておくだけで、商品によっては数リットルもの水を吸水します。

ひびや穴などの隙間にはコーキング処理をする

外壁や窓枠などの小さなひび割れから雨漏りしている場合には、「コーキング処理(シーリング処理)」を行います。コーキング処理とは、「コーキング剤(シーリング剤)」と呼ばれるペースト状の充填剤を雨漏りした箇所に入れて隙間を埋め、水の侵入を防ぐ処理のことです。

コーキング剤はホームセンターなどで入手でき、屋根瓦や外壁、ガラス、窓のサッシなどの幅広い場所に使えます。コーキング剤は種類が豊富にそろっており、使用する箇所に合わせて使い分けもできるので適切なものを選びましょう。

窓のサッシなど、雨漏りの箇所や大きさによっては防水テープのほうが作業しやすい場合もあります。防水テープはガムテープのような形状で、汚れをとってから貼るだけで簡単に防水できます。

雨漏りを未然に防ぐにはメンテナンスが大切

雨漏りはいつ発生するかわかりません。大切な住宅を守るためには、雨漏りを未然に防ぐ対策や早期発見が大切です。

屋根や天井に雨漏りしたあとにできるシミはないか、窓のサッシの防水コーキング剤がはがれていないかなど、目につきにくい箇所も日ごろからチェックしましょう。

雨漏りを防ぐには住宅の定期的なメンテナンスも欠かせません。雨漏りが発生してから修理・修繕を行うのでは、想像以上のダメージから修理・修繕費用が高額になる場合があります。定期的にメンテナンスをしていれば、雨漏りが発生したとしても被害を最小限に抑えられる可能性があります。

雨漏りのメンテナンスに適した時期

雨漏りを防ぐには、雨風にさらされる住宅の屋根や外壁、バルコニー、窓のサッシなどの定期的なメンテナンスが重要です。

一般的に、雨漏りの発生しやすい箇所は10年に1度がメンテナンス時期の目安とされています。例えば、屋根や外壁の表面塗装、バルコニーの防水処理などは、10年ごとに行われることが多いようです。

しかしながらこの10年は目安にすぎません。住宅や部材の劣化や傷みが気になるとき、雨漏りが発生したときは早めに修理・修繕を行いましょう。足場を必要とする大がかりな作業となる場合もありますが、大切な住宅を守るためメンテナンスを怠ってはいけません。

雨漏りには早期の修理・修繕が大切!火災保険で補償される可能性も

雨漏りが発生した場合、すでに住宅へのダメージが進行している可能性もあります。見つけたらすぐに修理・修繕をしましょう。

先に述べたとおり雨漏りの原因が台風などの自然災害であれば、火災保険で補償されるかもしれません。ケースごとに判断は分かれますが、補償対象になれば経済的な負担は大きく軽減されます。

火災保険は火災だけではなく、想定外の自然災害による損害も補償できます。ご自身の住まいの安心を守るためにも、既に火災保険に加入中の方は火災保険の契約内容の見直しを、未加入の方は加入を検討しましょう。

監修者プロフィール


竹国 弘城

竹国 弘城

証券会社、生損保代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。お金に関する相談や記事の執筆・監修を通じ、自分のお金の問題について自ら考え、行動できるようになってもらうためのサポートを行う。【保有資格】1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®

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