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小型二輪免許は最短6日で取得できる?費用や教習所の流れ、一発試験についても解説

排気量125cc以下の小型バイクに乗るための小型二輪免許が、どれくらいの時間と費用で取得できるかご存知でしょうか?

小型二輪免許の取得期間や教習所の流れを知っておけば、通勤や通学に便利な原付二種バイクをスムーズに取得できます。

本記事では、小型二輪免許の具体的な取得方法や費用、普通二輪免許との違いなどについて解説します。

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1.小型二輪免許とは?

自動二輪の免許は、大きく分けると

  1. ①原動機付自転車
  2. ②普通自動二輪免許
  3. ③大型自動二輪免許

の3つです。
AT限定普通自動二輪免許、小型限定普通自動二輪免許、AT限定小型普通自動二輪免許は普通自動二輪免許の中の限定免許、AT限定大型自動二輪免許は大型自動二輪免許の中の限定免許です。

小型二輪免許は、道路交通法では小型限定普通自動二輪免許と表記され、原付二種バイクに該当する排気量125cc以下の小型バイク、および定格出力1.0kW以下の小型電動バイクに乗ることができる免許です。普通二輪免許よりも取得が安価かつ短期間で済むうえ、普通自動車免許を保有していれば数日程度で取得できるメリットがあります。

次の表は二輪免許の種類と違いをまとめたものです。

二輪免許の種類 取得可能な年齢 総排気量 2人乗り 高速道路 取得にかかる期間
原動機付自転車免許 16歳〜 50cc以下 不可 不可 最短1日
小型限定普通二輪免許 125cc以下 一般道で可能(免許取得から1年以上経過する) 最短6日
AT小型限定普通二輪免許 最短5日
普通自動二輪免許 400cc以下 最短9日
AT限定普通自動二輪免許 最短7日
大型自動二輪免許 18歳〜 400㏄以上(上限なし) 最短13日
AT限定大型自動二輪免許 400㏄以上650㏄以下 最短11日

また、小型二輪免許で乗れるバイク自体も小型とはいえ二人乗りが可能であり、法定速度は普通二輪車と同じ60km/hです。さらに普通二輪車に比べて小型・軽量で扱いやすく、車両価格や維持費も安価です。


二輪免許は「AT限定」と「限定なし」に分かれている


二輪免許はバイクの排気量ごとに区分されています。排気量50cc以下のバイクに乗れる原動機付自転車免許、400cc以下の普通二輪免許、401cc以上の大型二輪免許の3種類がおおまかな分類です。

小型二輪免許は、普通二輪免許で乗れる排気量400ccまでのバイクのうち、125cc以下の小型バイクに限定した免許であるため「小型限定普通二輪免許」とも呼ばれます。さらに、変速操作の有無によって「小型限定普通二輪免許」と「AT小型限定普通二輪免許」に分けられます。


小型二輪免許を取得できる年齢は?


小型二輪免許を取得できるのは普通二輪免許と同じく満16歳からです。ただし、あくまで免許の取得できる年齢が満16歳以上であり、16歳未満でも自動車教習所に入所することは認められています。

具体的な基準は教習所によって異なりますが、卒業検定前に満16歳になる場合は入学を認めている教習所や、16歳の誕生日の1〜2ヶ月前に入学を認めている教習所もあります。


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2.小型二輪免許を教習所で取得するまでの流れ(教習所の場合)

最も一般的な小型二輪免許の取得方法として、自動車教習所を経て免許を取得する流れを解説します。大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 1. 公認教習所に入校する
  2. 2. 適性検査を受ける
  3. 3. 1段階目の学科教習と技能教習を受ける
  4. 4. 2段階目の学科教習と技能教習を受ける
  5. 5. 卒業検定に合格する
  6. 6. 住民票のある地域の免許試験場で本免許学科試験を受ける
  7. 7. 合格すれば小型二輪免許を取得できる

自動車教習所には、公安委員会から指定を受けた公認自動車教習所(指定自動車教習所)と、それ以外の非公認教習所があります。公認教習所を卒業すれば、免許試験場で技能試験の免除資格が手に入るため、公認教習所を経て免許を取得するのが一般的です。

入所手続き時に視力と聴力を検査し、適性検査を受けた後に教習が開始されます。教習は2段階制で技能教習と学科教習が行われ、1段階目では基本操作と交通ルールを学びます。

2段階目ではより実践的な交通ルールを意識した走行方法などを学び、最後に行われる技能試験に合格できれば卒業です。後日、免許試験場に赴き、筆記試験を受けて合格できれば小型二輪免許が取得できます。

「とにかく早く免許が欲しい!」などという人は、集中して教習が受けられる合宿免許を検討してみましょう。また、「昼間は仕事があるから通えない」などという人は、夜間教習を実施している教習所がおすすめです。


3.小型二輪免許を教習所で取得するまでの流れ(一発試験の場合)

教習所を卒業せず、免許試験場で直接、技能試験と学科試験を受けて免許を取得する方法もあります。合格すれば一発で免許が取得できるため「一発試験」もしくは「飛び込み試験」とも呼ばれます。大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 1. 住民票のある地域の免許試験場に行く
  2. 2. 適性試験を受ける
  3. 3. 学科試験を受ける
  4. 4. 技能試験を受ける
  5. 5. 全ての試験に合格すれば後日、取得時講習と応急救護講習を受ける
  6. 6. 講習を受ければ免許を取得できる

一発試験でかかる費用は次の表のとおりです。

費用 金額
受験料 2,600円
試験車使用料 1,450円
交付手数料 2,050円
取得時講習 12,000円
応急救護講習料 4,200円
合計 計22,300円

もし学科試験も受験する場合、上記に加えて科試験受験料1,750円がかかります。

一発試験は費用を抑えられる方法ですが、非常に難易度が高いです。「警察庁交通局運転免許課」の「運転免許統計令和3年版」によると、指定自動車教習所を利用せず学科試験免除で技能試験だけを受けて合格した人数は、合格者全体の約3%程度しかいません。

教習所に通う費用や時間がなくて一発試験を受ける方は、次のポイントを参考にしてみましょう。

  1. ●学科試験は言い回しのひっかけ問題に注意する
  2. ●技能試験は乗車からチェックされていることを意識する
  3. ●運転のノウハウ動画や試験場のコースをチェックしておく
  4. ●前の受験者の運転を参考にする

一発試験で小型二輪免許を取得するのは難しいですが、合格すれば費用や時間を節約できます。事前にしっかりと学習して、試験に臨みましょう。


4.AT小型限定普通二輪免許は最短2日で修了可能に


2018年4月の道路交通法改正により、AT小型限定普通二輪免許の取得が短時間で済むようになりました。1日あたりの技能教習上限時間が引き上げられたため、普通自動車免許保持者がAT小型限定普通二輪免許を取得する場合、これまで最短でも3日を要しましたが、現在では最短2日で教習所を卒業できるようになっています。

教習所によっては2日間で教習を終えられる特別カリキュラムを用意し、短期間での免許取得をサポートしています。特別カリキュラムは、およそ2万円の追加料金や人数制限、実施曜日の制限があるものの、忙しい人でもAT限定の小型二輪免許を取得できるように配慮された教習です。


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5.小型二輪免許を教習所で取得するために必要な教習時間・費用


一切の取得免許がない状態では技能教習12時限・学科教習26時限(1時限50分)のカリキュラムを受ける必要があります。その費用は地域によって差がありますが、おおよそ15万円〜20万円ほどです。AT限定免許の取得費用はそれよりも1万円〜2万円ほど安くなる傾向にあります。

普通自動車免許を保有している場合は、すでに交通法規を理解しているとみなされるため、学科教習が大幅に短縮されます。

さらにAT限定の小型二輪免許の取得であれば、技能教習8時限・学科教習1時限の合計9時限の教習で済みます。1日あたり2〜3時限の教習を受けられれば、入所手続きと免許試験場での手続きを合わせて最短6日でAT限定小型二輪免許を取得することも可能です。

免許の種類 普通自動車免許の有無 教習所の費用の目安 教習時限
小型限定普通二輪免許 なし 15万円~20万円 学科教習26時限
技能教習12時限
あり 8万~12万円 学科教習1時限
技能教習10時限
AT小型限定普通二輪免許 なし 12〜18万円 学科教習26時限
技能教習9時限
あり 6〜10万円 学科教習1時限
技能教習8時限
(1時限50分とする)


6.ルールを守れば便利な小型二輪


小型二輪免許は排気量125㏄以下の小型バイクに乗れる免許です。高速道路は走れませんが、通勤や通学に便利な原付二種バイクに乗ることができ、普通二輪や大型二輪に比べると時間や費用をかけずに取得できます。

普通自動車免許を取得している方なら、公認教習所での手続きを含めて最短6日でAT限定小型二輪免許を取得可能です。また、狭き門ではありますが、一発試験に合格すれば、合計22,300円で免許が手に入ります。

取得しやすい免許ですが、小型バイクで自動車と衝突すると、命に関わる大きな事故につながる恐れがあります。小型二輪免許を取得したら、きちんと自動車保険に加入し、ルールを守って運転するようにしましょう。

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https://www.ins-saison.co.jp/otona/


■監修
  • 菰田 潔
    プロフィール:
    1950年 神奈川県川崎市生まれ
    自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。
    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜)、ニュルブルクリンクを走るための練習会(袖ヶ浦FRW、女神湖)を主宰、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、JAF交通安全・環境委員会 委員、高速道路調査会 フェロー、一般社団法人 全国道路標識・標示業協会 理事、BMW Driving Experience チーフインストラクター、BOSCH認定CDRアナリスト。