クルマ
運転免許証を紛失し、不携帯のまま車を運転すると違反行為となります。また、悪用されるリスクもあります。そのため紛失に気付いたら、すぐに適切な対処を行う必要があります。
当記事では、免許証を紛失(なくした・落とした)場合にするべき手続きや、免許証の再発行(再交付)方法について解説。また、更新期間に紛失した場合や、再発行(再交付)後に免許証が見つかった場合の対処法についてもご紹介します。
目次
道路交通法では、「車の運転をする時には運転免許証を携帯していなければならない」「警察官から運転免許証の提示を求められた時には、提示しなければならない」としています。免許証を紛失したまま車を運転することは「免許証不携帯」に該当し、違反点数はつかないものの反則金3,000円が科せられます。たとえ紛失しているのに気づかなかったとしても、免許証がないまま運転すると違反となるので注意しましょう。
免許証は、身分証明書としても使用されるものです。そのため紛失して第三者に悪用されると、銀行口座を勝手に開設されたりクレジットカードを発行されたりと、様々なトラブルが起きる可能性があります。以下に、主な悪用例を紹介しましょう。
免許証を紛失した場合は、最寄りの警察署や交番に行き、「遺失届」を提出しましょう。遺失届を出す際には、落とした日時・場所や落とした物の特徴(色や形など)も聞かれますので、あらかじめ情報を整理しておくとよいです。なお、最近ではオンラインで遺失届を申請できる地域もあります。遺失届を提出しておくと、もし紛失物が見つかった場合に警察から連絡が届きます。
また、警察庁は全国の遺失物をウェブサイトで公表していますので、こちらで紛失物が届いていないかの確認も行うとよいでしょう。
●都道府県警察における遺失物の公表ページ(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/soumu/ishitsubutsu/ishitsubutsulink.html
遺失届は、遺失した事実を証明するものではありませんが、万一悪用された場合に不正利用であると主張できます。そのため免許証をなくした場合には、すみやかに申請を行うようにしてください。
次に、信用情報機関への申告を行います。信用情報機関とは、クレジットカードやローンの取引に関する個人の信用情報を管理する機関のこと。クレジットカード会社やローン会社からの照会に応じて、それらの信用情報を提供しています。つまり、信用情報機関に紛失の旨を申告しておくことで、第三者による悪用を防ぐことができるのです。
信用情報機関は、以下の3つがあります。郵送のほか、ウェブで手続きできる場合もあるので、各機関のページを確認し、適宜申告をするようにしてください。
・一般社団法人全国銀行協会:「本人申告の手続き」
https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/return/?tab=1
・指定信用情報機関「CIC」:「本人申告とは」
https://www.cic.co.jp/mydata/declaration/index.html
・日本信用情報機構「JICC」:「不正利用防止の届け出」
https://www.jicc.co.jp/comment
警察への遺失届の提出、信用情報機関への申告が終わったら、免許証の再発行(再交付)を行いましょう。悪用リスクを減らす対応は完了しているものの、リスクはゼロではありません。また、免許証を紛失したまま車を運転すると、違反行為となり、反則金が科されます。そのため、免許証が発見されるのを待つのではなく、すみやかに再発行(再交付)手続きを行うことをおすすめします。
具体的な再発行(再交付)方法については、次項にて解説します。
免許証の再発行(再交付)は、運転免許試験場または警察署にて行うことができます。再発行(再交付)の流れは、申請書作成→受付→暗証番号設定→写真撮影→免許証交付です。
次に、再発行(再交付)ができる場所や必要な持ち物等について紹介します。
免許証の再発行(再交付)は、住民票のある運転免許試験場、警察署、運転免許センター、交通安全協会で行うことができます。ただし、都道府県によって再発行(再交付)ができる場所が限定されている場合もあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
以下に主要都市の免許証が再発行(再交付)できる場所を紹介します。
都道府県 | 会場 | 営業時間 |
---|---|---|
東京都 | 府中運転免許試験場 鮫洲運転免許試験場 江東運転免許試験場 |
8:30~16:00 |
神奈川県 | 運転免許センター | 8:30~11:00 13:00~15:30 |
愛知県 | 運転免許試験場 東三河運転免許センター |
8:45~12:00 12:45~15:00 |
23警察署・5幹部交番 | 9:00~11:00 12:00〜16:00 |
|
大阪府 | 府内の各警察署(大阪水上警察署及び関西空港警察署を除く) | 9:00〜17:00 |
門真運転免許試験場 光明池運転免許試験場 |
8:45~12:00 12:45~14:30 |
再発行(再交付)には、申請用写真や身分証明証など様々な書類が必要です。当日スムーズに手続きを進めるためにも、必ず事前に確認し、用意しておくようにしましょう。
混雑状況にもよりますが、再発行(再交付)手続きは、30分〜1時間で完了します。手続き終了後、運転免許試験場や運転免許センターであれば、その日に新しい免許証を受け取ることができます。しかし、警察署の場合は、発行(交付)に2週間程度かかります。早めに免許証が欲しい時には、運転免許試験場や運転免許センターで手続きを行うとよいでしょう。
更新手続きにはこれまで使用していた免許証が必要です。再発行(再交付)と更新は同時に行うことができますので、同日に済ませてしまうとよいでしょう。その際は、上記で紹介した「必要書類等」のほかに、「更新連絡書(はがき)」「更新手数料・講習手数料(区分により異なる)」「運転免許証更新申請書及び質問票(用紙は窓口に設置)」なども必要になります。ただし、場所によって異なる場合がありますので、事前に確認しておくようにしてください。
場合によっては、免許証を再発行(再交付)した後に、紛失した免許証が見つかることもあるでしょう。その際は、運転免許試験場もしくは警察署に古い免許証を返納するようにしてください。なお、免許証には交付日が記載されていますし、新しい免許証と古い免許証を間違うことはないかと思いますが、判断に迷った際には、免許証番号の末尾を確認するのも手です。末尾の番号は紛失回数を表しているので、末尾の数字が少ない方が古い免許証ということになります。
必ず本人が運転免許試験場や運転免許センターに出向き、手続きを行うようにしてください。
最近の免許証にはICチップが内蔵されています。このICチップの読み取りには、4桁の暗証番号が必要になります。交付時に設定する暗証番号は2種類。次回の交付時まで、変更はできません。
暗証番号の入力は3回連続で間違えるとロックがかかり、読み取りができなくなります。ロックの解除は、警察署や運転免許センターなどに免許証を持ち込まなければできません。
免許証の交付時には、暗証番号の印字された登録カードが発行されます。実際はあまり使う場面のないICチップによる免許証の読み取りですが、登録カードは免許証とは別の場所に、大切に保管しておきましょう。
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