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「親の運転に不安を感じたことがある」人が約6割!40~50代は、高齢者ドライバー問題にどう取り組むべきか ~調査編~

更新

2019/11/20

公開

2019/11/20

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近年、高齢者ドライバーによる交通事故の報道を目にすることが増えました。痛ましい事故が報じられるたびに、高齢者ドライバーの問題は論議を巻き起こしています。
今、自分が「高齢者」ではないから、「身内に高齢者がいないから」といって他人事で済ませるのではなく、私たち一人ひとりが向き合うべき社会問題の一つだと考えます。

今回、編集部は全国の40〜50代を対象としてインターネットアンケートを実施しました。高齢者による運転について、私たちはどのような課題を抱えているのか、これからどうするべきなのかを考えます。

目次

    1.【日常における車の必要性】40~50代の約8割が、「親など高齢者にとって車は生活の足として欠かせない」

    まず、アンケートから読み取れるのは、40~50代の多くは、両親など高齢者ドライバーにとって、自動車が生活の足として欠かせないものだと感じているという事実です。

    40~50代から見ると、両親など高齢者における運転不可欠度は高く、「そう思う」と回答した人と「ややそう思う」と回答した人を足すと全体の79%にも及ぶ。

    「生活の足」とは具体的にどういうことなのか、40~50代へのアンケート結果を詳しく見てみると、両親など高齢者ドライバーの運転の目的は、「日常の買い物」や「通院」などがほとんどだということが分かりました。

    両親など高齢者の運転目的は「買物など日常の移動手段として」が最も多く、9割近くに及ぶ。また、「自分の通院」も半数近い46.7%となっている。

    高齢者ドライバーを親に持つ40~50代の声
    「母は82歳で、本人も家族も運転に不安を感じていますが、"車に代わる足"がなく、車に乗り続けているのが現状です」(56歳・男性)

    また、アンケートによると「身近な人で免許を自主返納した人はいない、知らない」という人の割合が、全体の7割近く。40~50代の多くの人は、周囲に自主返納した人がいない環境であるということがわかります。

    40~50代の約7割が、両親をはじめとして身近な人の中に、運転免許を自主返納した人はいないという環境にある。

    2.【親の運転に関する家族内コミュニケーション状況】高齢者である親の運転。不安を感じても「話し合ったことがない」が約4割

    40~50代へのアンケート結果によれば、「親の運転に不安を感じたことがある」人(たまにあるを含む)が半数以上を占めています。

    64%の人が、親の運転に不安を感じたことがあると回答している。

    しかし、親の運転に不安を感じたことがあると回答した人のうち4割もの人が、親の今後の運転について「話題にしたことも話し合ったこともない」と回答。

    「不安を感じたことがない」と回答した人に至っては、「話題にしたことも話し合ったこともない」人が73.1%という結果。

    まだまだ健康で元気で、何の問題もなさそうに見える親の運転について、「自分の親は大丈夫だろう」と気に留めていない人もいるでしょう。また、「ちょっと気になるな」と思っていても、運転技術や免許返納といった話題は、親のプライドを傷つける可能性もあり、なかなか話を切り出しにくいという側面もあるかもしれません。

    このように、親子で十分にコミュニケーションがとれていない状況で、もし自分の親から「事故を起こしてしまった」という連絡が来たらどうなるのでしょうか。今回の調査では、63.4%の人が「親の自動車保険の会社名も契約内容も知らない」または「保険に加入しているかどうか知らない」と回答しています。もしものときに、きちんと補償される内容になっているでしょうか。

    親の自動車保険の会社名も契約内容も知っている40~50代は、全体の2割程度に留まった。

    万が一のことが起きてしまった後では、補償内容は変更できません。いざというときのために、親が加入している保険について把握しておくことも大切。まずは自動車保険の内容の確認を切り口に、運転や免許返納に関する話を始めてみるのも一つの方法かもしれません。

    3.【免許返納への意識】自身が高齢になったら? 40~50代の6割近くが「免許返納は自分の運転に自信がなくなったとき」

    40~50代が、自身の免許返納を検討するタイミングと考えているのは、「自分の運転に自信がなくなったとき」が最も多く58.3%と半数以上を占めた。

    上記の結果から、40~50代の多くの人が、自己判断で免許返納を考えるということが分かります。実際に、高齢者ドライバーである親との話し合いを難しくする要因のひとつに、高齢者ドライバー本人が、自分の運転の危険度をなかなか自覚できないという場合があります。

    高齢者ドライバーを親に持つ40~50代の声
    「72歳の義理の父はブレーキがやや遅くなっていますが、それに気付いたのは本人ではなく、私の妻や義理のお母さんでした」(48歳・男性)

    高齢者ドライバー本人も自己判断に頼り、自分の運転の危険度をなかなか自覚できないという場合もあります。この自己判断が、高齢者ドライバーである親との話し合いを難しくする要因のひとつとして考えられます。

    4.まとめ

    アンケートの結果にも如実に表れていたように、40~50代の多くが、「親など高齢者にとって、車は生活の足として欠かせない」と回答しています。そのため、親の運転に不安を感じることが多くなってきても、親の今後の運転に関する話題はなかなか切り出しづらいのだと考えられます。この問題に関して、実際に親子で十分にコミュニケーションをとれていない人も多いことが、今回のアンケートによって明らかになりました。

    高齢者ドライバーの問題は人の命にも関わる可能性があります。まずは、ご両親と会話し、運転技術や車の使用頻度などを把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。

    座談会編では、高齢者ドライバーを親にもつ皆さんにインタビューでお話を伺いました。免許返納を考えてはいても、実際には返納が難しい現状が浮き彫りになります。専門家による、高齢者の運転について「家族で話し合うための5つのキッカケ」や軽度の認知障害が運転に影響を及ぼしていないか確認できる「運転時の認知障害チェックリスト」(NPO法人高齢者安全運転支援研究会 作成)も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

    調査概要

    調査名 高齢者運転に対する子世代の意識調査
    調査主体 セゾン自動車火災保険株式会社
    調査方法 インターネット調査
    調査時期 2019年8月
    調査対象 40~50代の男性300名

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