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初度登録年月とは?「製造年月」「登録年月」との違いも徹底解説!

更新

2023/07/12

公開

2023/07/12

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自動車保険の契約や自動車税の計算などをするときに、必要になってくるのが「初度登録年月」です。しかし、使用する機会が少ないこともあり、自分の車の初度登録年月を覚えている方は少ないことでしょう。そこで、本記事では初度登録年月の確認方法を紹介します。

あわせて、「製造年月」「登録年月日」などの似ている言葉との違いや、初度登録年月がどのように保険や税金と関わってくるのかなど、初度登録年月に関する基礎知識を徹底解説します!

目次

    1.初度登録年月とは?

    初度登録年月とは、運輸支局または軽自動車検査協会に車の登録申請をし、日本国内で初めて受理された年月のことです。普通自動車の場合は初度登録年月と言いますが、軽自動車の場合は「初度検査年月」が初度登録年月として扱われます。初度検査年月は軽自動車検査協会で初めて新規検査を受けた年月のことです。いずれも車検証に記載されています。

    初度登録年月は「年式」と呼ばれることもあります。ただし、車の製造年月を年式と呼ぶこともありますので注意が必要です。また、従来の車検証には「登録年月日」や「交付年月日」というものも記載されています(電子車検証には記載なし)。これらの違いについて見てみましょう。

    製造年月との違い

    製造年月とは、車が製造された日のことです。国産車の場合、製造年月と初度登録年月はほぼ同じなのが一般的です。しかし、製造後、新規登録されずに数ヶ月たった場合などは製造年月と初度登録年月がずれることになります。とくに、初度登録年月はあくまでも日本での登録のため、並行輸入車は製造年月と初度登録年月にタイムラグが生じやすくなります。海外で製造後、数年走ってから輸入、登録された場合は、製造年月と初度登録年月が数年ずれることもあります。

    登録年月日との違い

    登録年月日とは、車検証が発行(交付)された日のことです。初めて発行(交付)されたときは初度登録年月と同じ日付です。初度登録年月はずっと変わりませんが、登録年月日は名義変更や住所変更などで車検証が新たに発行(交付)されると日付が変わります。また、中古車を購入した場合は、名義変更をして自分にとっては初めての登録でも、最初の所有者による登録年月が初度登録年月になります。

    2.初度登録年月の確認方法は?

    初度登録年月は車検証に記載されています。普通自動車、軽自動車、並行輸入車の場合や車検証が手元にない場合の確認方法は、それぞれ以下の通りです。

    普通自動車の場合

    普通自動車は車検証の上部、「初度登録年月」の欄に記載されています。2023年1月4日より車検証は電子化されていますが、電子車検証の券面にも初度登録年月は記載されています。

    従来の車検証

    電子車検証

    出典
    国土交通省

    軽自動車の場合

    軽自動車の場合は、車検証の上部にある「初度検査年月」の欄に記載された日が初度登録年月となります。なお、軽自動車の登録年月日は「交付年月日」の欄に記載された日付です。また、軽自動車の車検証の電子化は2024年1月から予定しています。

    軽自動車の車検証

    並行輸入車の場合

    並行輸入車の場合も、車検証の初度登録年月の欄に記載されています。表示が異なることがありますので、わからない場合は自動車保険を契約する保険会社のカスタマーセンターなどに確認してみましょう。また、先ほどお伝えしたように並行輸入車の場合、製造年月(モデル年式)と初度登録年月が大きく異なることがあります。製造年月は車体に記載されているVINコードと呼ばれる、個体識別番号から読み取ることが可能です。

    車検証が手元にない場合

    新車の納車前で手元に車検証がない、といったときは販売店に届いている可能性がありますので問い合わせてみましょう。売買契約書にも初度登録年月が記載されていますが、確定版ではありません。工場の出荷日や納車の状況次第で変わることがあるため注意が必要です。

    3.初度登録年月と自動車保険の関係は?

    それでは、初度登録年月は自動車保険に加入する際に、どのように関わってくるのでしょうか?ここではその関係性について解説します。

    車両保険金額(支払限度額)が変わる

    自動車保険の1つである、車両保険の契約をする際などに初度登録年月が関係してきます。車両保険で支払われる保険金額(車両保険金額)は自由に決められるのではなく、契約する車両の車種や年式、型式などによって決まる「車の時価」をもとに保険会社がある程度の範囲で設定しています。そして、契約者はその範囲内で保険金額を決める仕組みになっています。

    車両保険金額の範囲は、「車は経年劣化により、古くなるほど時価が下がる」という考えのもとで設定されています。このため、初度登録年月が古いほど評価額が下がり、設定できる範囲も下がっていきます。古い車の場合、支払われる車両保険金額よりも修理費用のほうが高いこともありえます。さらに、車両保険に加入できないこともあります。

    他にも、新車割引の判定にも初度登録年月が使用されています。新車割引とは、初度登録年月の翌月から一定の期間内であれば保険料が安くなるというものです。新車割引の対象となる期間は保険会社によって異なります。

    4.初度登録年月と税金の関係は?

    初度登録年月は、自動車税や自動車重量税とも関係してきます。古い車は税金が高くなることがあります。税金との関係を見てみましょう。

    13年を超えると税負担が重くなる

    自動車税は環境への負荷の観点から、初度登録年月から一定の年数が経過すると税負担が重くなります。11年以上経過したディーゼル車、および13年以上経過したガソリン車とLPガス車は、翌年度から自動車税の税率が約15%重くなります。軽自動車は13年過ぎると約20%負担が増えます。なお、環境性能に優れたエコカーは税率アップの対象外となっています。

    13年、18年経つと自動車重量税も上がる

    自動車重量税とは、車の重さに応じて課せられる税金です。自動車重量税も初度登録年月から13年経過、18年経過のタイミングで2段階に分けて上がり、税の負担が大きくなります。一方、電気自動車や燃料電池車、プラグインハイブリッド車など環境性能に優れた車は、エコカー減税の対象になることがあります。エコカー減税ついては下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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    エコカー減税とは?対象となる車や終了期限について解説

    5.監修コメント

    最近の車は装備がとても充実していますが、カー用品を追加してより使いやすくしたいと思うこともあるでしょう。そんな時に把握しておくとよいのが愛車の型式や年式です。

    車名が同じでも、内外装の作りは型式や年式によって異なります。どんな車にも装着できそうなカー用品であっても、型式や年式が違うとグラついたり、取り付けできなかったりすることもあります。安全性に支障を来たしてしまうこともあります。購入を考えているカー用品の適合表と愛車の型式や年式を照らし合わせるとそのような失敗を避けられることも多いので、車検証の画像をスマホに保存し、いつでも確認できるようにしておくと何かと便利です。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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