クルマ

車の盗難防止におすすめのグッズ・サービス9選!万が一の時の対処法も紹介

更新

2022/11/09

公開

2021/02/10

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

自動車の盗難対策は万全でしょうか? 高級車や人気車は、昔から自動車盗難の被害リスクが高い傾向にあります。未然に防ぐためには、盗まれやすい車種や盗難多発地域を知っておくことはもちろん、効果的な盗難防止グッズなどの知識を身につけることが欠かせません。

本記事では、自動車盗難の現状や、グッズやサービスを活用した対策法、盗難にあってしまったときの対処法などを紹介します。

目次
    おとなの自動車保険なら、
    車両保険の補償をきめ細やかに選べる

    車両保険の補償を細分化し、
    お客さまのニーズに合わせて必要な補償を選ぶことができます。
    例えば「盗難」は補償対象に
    「自宅・車庫での水災」は補償外にすることも可能です。

    おとなの自動車保険
    車両保険についてはこちら
    新規加入をご検討中の方まずは
    簡単シミュレーション

    1.自動車盗難の実態

    一般社団法人日本損害保険協会が発表した「第23回自動車盗難事故実態調査結果」によると車両本体盗難件数(損害保険会社が調査期間中に保険金を支払った事案を対象にしたもの)は、2019年が3,800件、2020年が2,964件、2021年が2,425件と減少しているものの、いまだに多くの盗難被害が発生しています。

    盗難被害にあった上位5車種は以下の通りです。

    1位:ランドクルーザー13.6%
    2位:プリウス11.0%
    3位:レクサスLX6.4%
    4位:アルファード5.7%
    5位:クラウン3.3%

    自動車盗難認知件数は減少傾向にありますが、海外で人気がある高級SUVやハイブリッドカー、ワンボックスカーなどの特定車種は依然として盗難の被害を受けやすい状況にあります。

    車両本体盗難被害の多発都道府県を見てみると、愛知県、千葉県、大阪府、埼玉県、茨城県で多く発生しており、なかでも愛知県は2019年に3位、2020年に2位、2021年に1位と、被害が増加しているようです。

    車の防犯性能は年々進歩しているものの、プロの窃盗団はその脆弱性を見つけては犯行におよびます。車を盗難から守るためにも、まずは盗難に対する知識と心構えを身につけることが必要となります。

    (※)出典
    一般社団法人日本損害保険協会「第23回自動車盗難事故実態調査結果」

    2.車の盗難防止対策は必須?

    車の盗難防止対策は、新車はもちろん中古車でも必須です。

    一般社団法人日本損害保険協会の「第23回自動車盗難事故実態調査結果」によると新車(調査年に登録された車)の盗難は、2.4~4.1%と少数であり、調査年以前に登録された車の盗難が大きな割合を占めます。

    つまり、車の盗難は新車のほうが狙われやすいと思われがちですが、実際は中古の人気車種を狙った計画的な犯行が多いと言えます。そのため、新車だけでなく、中古車でも盗難防止対策は行っておくべきです。

    3.自動車盗難の主な手口

    盗難対策をするためには、窃盗犯が用いる手口を把握することが必要です。自動車盗難の主な手口は以下のとおりです。

    • 車に直接侵入して盗む手口
    • イモビカッターを使用する手口
    • リレーアタックによる手口
    • コードグラバーによる手口
    • CANインベーダーによる手口

    上記の手口を順番に解説します。

    車に直接侵入して盗む手口

    停車している車に侵入し、そのまま盗んでいく手口は現在も用いられています。
    犯人は次のような方法で車に侵入します。

    • キーがつけっぱなしの車を見つけて盗難する
    • 窓ガラスを破壊する
    • 針金等でドアを開錠する
    • 自宅からスペアキーを盗難する

    主にコンビニなどで、キーをつけっぱなしで車を離れて、その間に車が盗まれる手口は「キーあり盗難」、他のキーを使用しない手口はいわゆる「キーなし盗難」と呼ばれる古典的で強引な手法です。

    キーなし盗難は所有者の防犯意識が高くても防ぐことが難しく、警察庁が令和4年3月に発表している「自動車盗難等の発生状況について」によると、車体本体盗難の76.9%がキーなし盗難となっています。

    イモビカッターを使用する手口

    車両には盗難防止装置として「イモビライザー」が搭載されています。イモビライザーはキーと車両のID情報が一致しなければエンジンがかからないようにコントロールしている機能です。

    しかし、イモビカッターを使用すれば、車両側のID情報を書き換えることが可能です。車両側のID情報を犯人が持っているキーのID情報に書き換えられてしまえば、車両を傷つけることなく、盗まれてしまう可能性があります。

    リレーアタックによる手口

    リレーアタックは「スマートキー」の施錠・始動方式を悪用して車を盗む手口です。スマートキーと車は常に微弱な電波を発しており、互いに近づいて電波の一致を確認すると開錠や起動します。

    多くの場合、リレーアタックは2~3人が1組になって行われます。まず、1人がスマートキーに近づいて電波を増幅させると、別の犯人がスマートキーの電波をキャッチして車を開錠、起動して盗みます。

    リレーアタックは自宅にスマートキーがあっても、車のロックを解除してエンジンを始動させることができる手口のため、防ぐにはしっかりと対策を取ることが必要です。

    コードグラバーによる手口

    コードグラバーとは、スマートキー搭載車のスペアキー作成に使われる機器のことです。コードグラバーはスマートキーの微弱な電波を読込み、スペアキーの代わりに車のロックを解除できます。

    つまり、コードグラバーがあればスマートキーの電波を利用しなくても、車を盗まれる可能性があります。複数人必要かつ車に接近しなければいけないリレーアタックに対して、コードグラバーは一人でも実行できるうえ、離れた場所からでも解錠コードを盗み出せてしまうのです。

    CANインベーダーによる手口

    CANインベーダーは車の制御をつかさどる「CAN」という通信システムに侵入して乗っ取る手口です。

    リレーアタックやコードグラバーはスマートキーを搭載した車両しか狙えない手口ですが、CANインベーダーは自動車のシステムに直接侵入します。そのため、リレーアタックやコードグラバーなど、スマートキーに対策していても被害の対象となるので注意しましょう。

    おとなの自動車保険なら、
    車両保険の補償をきめ細やかに選べる

    車両保険の補償を細分化し、
    お客さまのニーズに合わせて必要な補償を選ぶことができます。
    例えば「盗難」は補償対象に
    「自宅・車庫での水災」は補償外にすることも可能です。

    おとなの自動車保険
    車両保険についてはこちら
    新規加入をご検討中の方まずは
    簡単シミュレーション

    4.車の盗難防止グッズ・サービスの選び方

    もともと車に付いている防犯装置もありますが、それだけでは盗難防止には不十分です。では、犯罪からご自身の車を守るにはどのようにグッズやサービスを選べば良いのでしょうか。

    防止したい手口・目的別に選ぶ

    盗難防止グッズには「犯行を妨害するもの」と「犯行意欲を失わせるもの」、「車両位置追跡サービスなどへ加入して迅速に車を取り戻す方法」があります。「犯行意欲を失わせるもの」は、操作部をロックして犯行を妨害し時間をかけさせるのが目的です。警報器やライトなどのグッズは犯行意欲を失わせることで盗難を未然に防ぐのに効果的です。見るからに強固なロック装置などは両方の効果が期待できます。

    しかし、着脱が困難なグッズはいずれ使わなくなり、挙げ句の果てに車が盗まれたのでは意味がありません。着脱しやすい複数のグッズと、警報器などの着脱不要なグッズやサービスを組合せて、二重三重の防御策を講じるのが盗難防止に有効です。

    5.車の盗難防止グッズ・サービス9選

    自動車盗難に有効なグッズやサービスを紹介します。

    スマホ連動のGPS(追跡)アプリ

    車にGPS発信機を取り付け、スマートフォンアプリを用いて車の現在位置を特定できるようになるのが「GPSトラッカー」と呼ばれる追跡グッズです。盗難車両を追跡することで盗まれた車を取り戻せる可能性が高まります。

    GPSトラッカーの相場は20,000円前後です。バッテリー内蔵の発信機は手軽に装着できる反面、バッテリーの充電に気を使う必要がありますが、車のバッテリーから電力を得る発信機ならバッテリー切れを心配する必要はありません。

    ただし、どちらも発見されてしまえば効果を失うため、発見されづらい位置に取付ける必要があります。また、継続的に通信費がかかる点にも注意が必要です。

    ハンドルロック

    ハンドルロックとは、長い棒状の大型ロック装置をハンドルに取付けることで、ハンドル操作困難にさせて車の移動を妨げる盗難防止グッズです。ハンドルロックの相場は7,000円前後です。

    多くの車にはハンドル内部機構にロック機構が備わっていますが、エンジンが始動すれば解除されてしまうため、標準装備のハンドルロックは盗難防止には不向きです。

    強固につくられた後付けのハンドルロックは、犯行に時間をかけさせる効果が期待できます。大型のハンドルロックは保管場所が確保しづらい難点があるものの、比較的コンパクトな製品やガラス破砕用の緊急脱出ハンマーとしての機能を備えた製品もあります。

    ペダルロック

    ペダルロックとは、主にブレーキペダルを操作できなくすることで車の操作を困難にさせる装置です。ペダルロックの相場は3,000円前後です。

    脱着の際に足元に潜り込まなければならないため、装着にはやや手間がかかりますが、中には鍵付きのレバーを引くだけで簡単にペダルをロックできる製品もあります。

    タイヤロック

    タイヤに大型のロック装置を取付け、タイヤを回転しないようにして移動を阻害する盗難防止グッズです。タイヤロックは、安価な商品であれば3,000円前後が相場です。

    強固である反面、重く大きいため、持ち運びや着脱がしづらいのがデメリットとなりますが、自宅での駐車や長期間車を動かさない場合の使用には適しています。

    セキュリティアラーム

    車に異常があった際にホーンや警報を鳴らして犯人を威嚇しつつ犯行を周知させるグッズです。セキュリティアラームの相場は2,000円前後です。

    標準装備されている車もありますが、後付け品のほうが豊富な動作条件に設定することができるため、セキュリティ性能は高いといえるでしょう。ただし、取り付け不備により些細な環境変化で誤作動を起こす恐れがあるため、専門店に取り付けを依頼することをおすすめします。

    イモビライザー

    イモビライザーとは電子暗号を利用した照合システムであり、電子キーの複製を困難にさせるとともに正規キー以外でのエンジン始動を妨げる装置です。現在では多くの車に搭載されていますが、それだけ解除方法も広く知れ渡っているため、確実な盗難防止装置とは言えません。ただし、後付けイモビライザーであれば制御本体位置を発見されづらい場所に移動できるため、内蔵型より安心です。

    なお、後付けイモビライザーの取り付けは業者に依頼することになり、車種や車の大きさによって15,000円~50,000円ほどと、価格に幅があります。

    センサーライト

    盗難の多くは夜間に行われるため、車庫や駐車場を照らす人感センサー付きのライトを取付けることで人目に付きやすくし、犯行を躊躇させる効果が期待できます。また、車内で光るダミーセキュリティライトも一定の効果を上げます。停車中に常時点灯するものに加え、衝撃感知センサーや照度センサーに反応して点灯する製品もあります。

    屋外に設置するセンサーライトは、3,000円前後が相場になっています。

    車用カバー

    カバー自体には窃盗を防ぐ効果はありませんが、車種を特定させないことで窃盗の対象となる確率を減らせることが期待できます。特に希少な車を所有している場合には効果的です。ただし、車内に乗り込まれてしまうと犯行の様子が周囲から見えにくくなってしまうというデメリットがあります。

    車用カバーは商品によって相場に違いがあり、安価なものなら3,000円前後、高級なものだと20,000円以上のものも販売されています。

    車両追跡サービス

    車両追跡サービスは、警備会社などが提供する車両位置特定サービスです。盗難にあった際にGPS衛星などのデータを用いて車両の位置を特定すると共に、警備員が現場に急行するサービスなどが受けられます。年単位での期間契約であるため多額の費用がかかるものの、いざ盗まれた際には最も安心できるサービスといえるでしょう。

    サービスによって料金システムは異なりますが、年間20,000円ほどで利用できるサービスもあります。

    6.車の盗難防止グッズを選ぶ際のポイント

    車の盗難防止グッズを選ぶ際は、目的の違う複数の対策を同時に行いましょう。例えば、スマートキーの仕組みを悪用したリレーアタックやコードグラバーによる手口の対策だけを行っていても、物理的な手口での盗難を防ぐことはできません。

    「犯行を防ぐグッズ」や「犯行のやる気を削ぐグッズ」、あるいは「盗まれた場合でも自動車を取り戻せるグッズ」など、目的の違う複数のグッズを同時に行っておけば、盗難を防ぐ確率は高くなります。

    盗難防止グッズを購入したら、設置方法をしっかりと確認して、きちんと対策を行うようにしましょう。

    また、幾つかの盗難防止グッズに関しては、設置方法を確認したうえで、自分で設置できない場合は業者に依頼しましょう。

    7.車の盗難対策における注意点

    盗難防止グッズやサービスも重要ですが、盗難被害にあいにくい環境を整えることも重要です。盗難を防止するための注意点を2つ解説します。

    人の目につきやすい駐車場を選ぶ

    自動車盗難の犯行のほとんどは多くの人が寝静まる深夜から朝にかけて行われるため、なるべく人通りが多い場所の駐車場に車を停めることで盗難確率を下げることができます。月極か一時的な駐車かを問わず、車を停める際はなるべく周囲が明るく人や車の往来が多い駐車場を選ぶようにしましょう。

    キーをつけたまま車から離れない

    たとえわずかな時間でも、キーをつけたまま車を離れることは避けましょう。最も車を盗まれやすい状況となるうえ、キーのつけっぱなしやエンジンのかけっぱなしは停止措置義務違反に該当し、反則点1点、反則金6,000円が課せられることにもなります。また、ドライバーに過失があるとみなされ盗難時の保険金が支払われない場合もあります。

    8.車が盗難された場合に必要な手続き

    いざ盗難にあってしまった時に的確に行動できるよう、必要な手続きについて知っておくことも必要です。ここでは盗難後に必ずすべきことを解説します。

    ①警察に盗難届を出す

    自動車盗難にあったら、まず最寄りの警察署へ行き盗難届を出します。盗難届を出す際には、ナンバー・車種・色・特徴といった車の情報と、盗難された日時や場所、状況などを伝える必要があります。

    盗難の届け出が終わると受理番号が交付されます。盗難届の受理番号は今後の手続きに必要であるため確実に控えておきましょう。

    ②一時抹消登録を行う

    次に、一時抹消登録手続きを行います。普通車の場合は運輸支局で行い、軽自動車の場合は軽自動車検査協会で行います。手続きには車検証とナンバープレートの提出が求められますが、盗難による紛失の場合は理由書を提出することで手続きを進めることができます。

    普通車に限り、一時抹消登録をすることで自動車税の還付を受け取ることもできます。ただし、盗難された車が見つかり、再度使用する場合は新たに車検を受けなければならないため、盗難からある程度の期間を置いてから手続きを行う人もいます。

    また、これらの手続はワンストップサービスで行うことができる場合があります。ワンストップサービスとは、自動車保有関係手続をインターネット上で、一括して行うことができるサービスです。

    原則として24時間365日、申請を行うことができるので、突然の事故にすぐ対応したい場合に便利です。OSSから申請手続きするには、様々な条件があります。OSSのホームページ上で申請条件をチェックできますので、自分が行おうと思っている手続きが可能かどうか事前に確認してみましょう。

    ■OSS「申請条件の簡易チェックプログラム」
    https://www.oss.mlit.go.jp/portal/beginner/jouken/index.html

    ③保険会社に連絡する

    加入している自動車任意保険会社にも忘れずに連絡しましょう。加入している保険内容によっては保険金の支払い対象になる場合があります。連絡後は、対面による保険会社への状況説明と調査を経て保険金の支払い手続きに移ります。

    ④都道府県税事務所に申し立てをする

    一時抹消手続きをしない場合は、都道府県税事務所に申し立てを行いましょう。申し立てを行うことで盗難にあった翌月から車が発見された月までの自動車税が減額される上、盗難された車の翌年の自動車税を支払わずに済みます。ただし、同月内に盗難された車が発見された場合は減額されません。軽自動車の場合には減額措置はありませんが、翌年の軽自動車税が課税されないように管轄する市区町村役所へ連絡しておきましょう。

    おとなの自動車保険なら、
    車両保険の補償をきめ細やかに選べる

    車両保険の補償を細分化し、
    お客さまのニーズに合わせて必要な補償を選ぶことができます。
    例えば「盗難」は補償対象に
    「自宅・車庫での水災」は補償外にすることも可能です。

    おとなの自動車保険
    車両保険についてはこちら
    新規加入をご検討中の方まずは
    簡単シミュレーション

    9.日々の心がけが車の盗難防止につながる

    自動車の盗難を防ぐためには、日々の心掛けが重要です。

    自動車盗難の現状を理解し、効果的な盗難防止グッズを探して設置する、駐車する場所を変えてみる、スマートキーを大切に管理するなど、日頃から対策を行っていれば、車の盗難防止につながります。

    また、盗難に備えて自動車保険に入っておくこともおすすめします。万が一、盗難にあってしまったら、速やかに警察に盗難届を出し、必要な手続きを取るようにしましょう。

    おとなの自動車保険はこちら

    鈴木 健一
    監修
    鈴木 健一(すずき けんいち)

    1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するのを目標とする。

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る