クルマ

免許返納の手続きはどこでできる?手続き方法やメリットなどについて紹介

更新

2024/06/10

公開

2024/06/10

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

高齢ドライバーによる交通事故で、ニュースでも度々取り上げられるようになった免許返納。「以前より運転に不安を感じるようになった」「家族に免許を返納してほしいと言われた」などの理由で、免許返納を考えている方もいるかもしれません。しかし、免許返納はどこで手続きをするのか、何が必要なのかなど、わからないことがある方もいるのではないでしょうか。当記事では、免許返納の手続き方法やメリットなどについて紹介します。

目次

    1.免許返納手続きとは

    概要

    免許返納手続きとは、その名称の通り、運転免許証を返納する手続きのこと。正式名称を「運転免許証の自主返納制度」といいます。運転免許証が不要になった方や、以前より運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーなどは、自ら運転免許証を返納することができます。

    「運転免許証を返納したら身分証明書がなくなる」と懸念する方もいるかもしれませんが、免許返納後に別途申請をすれば「運転経歴証明書」の交付を受けることができ、これを公的な身分証明書として生涯使えます。また、免許返納をすると公共交通機関の割引など、様々な特典が受けられますが、制度を利用する際には、運転経歴証明書の提示が必要になります。

    なお、自主返納後5年以上経過すると「運転経歴証明書」の交付を受けられないので注意しましょう。また、運転免許の期限が切れてから5年以上経過した方、交通違反などにより免許取消しとなった方は交付を受けられません。License-return-01.jpg

    出典
    「運転免許証の自主返納について」(警察庁)

    免許返納ができる人とできない人

    基本的には、年齢や免許保有期間などは関係なく、「運転免許証が有効期間内」であれば免許を返納することができます。「運転免許証の有効期限が切れている人」「運転免許の取り消し・停止処分の対象になっている人」「運転免許停止処分期間中の人」「初心運転者講習の対象になっている人」は免許の返納ができません。

    2.免許返納率の推移

    免許返納制度が始まったのは1998年。制度が導入されると、右肩上がりで免許返納件数は増加しました。高齢ドライバーによる池袋での交通事故が起きた2019年には60万1022件に。しかしこれがピークとなり、以降は減少を続け、2023年は38万2957件。前年から6万5519件減るという結果になりました。

    License-return-02.png

    出典
    「運転免許の申請取消(自主返納)件数と運転経歴証明書交付件数の推移」(警察庁)

    免許返納率の減少に影響を与えたと考えられるのは、2020年から約3年にわたって流行した新型コロナウイルスです。特に重症化しやすい高齢ドライバーは、「3密」を避けるためにマイカーを交通手段として利用していた可能性が高く、これが免許返納を押し止めたのだと考えられます。新型コロナウイルスは2023年に5類へ移行したものの、全国的に鉄道路線の廃止が続いていることもあり、今後も同様のペースで免許返納されていくことが予想されます。

    3.免許返納のメリットは?

    車の維持費用がかからなくなる

    車は乗っていなくても、保有しているだけで自動車税や自動車重量税などの税金、車検、メンテナンス費用、駐車場代などがかかります。免許返納して車を手放すと、これら車の維持費用がゼロに。経済的な負担が軽くなるのは、大きなメリットといえるでしょう。

    公共交通機関を割引価格で利用できる

    免許返納をして、運転経歴証明書の交付を受けたドライバーは、様々な特典を受けられます。例えば、バスや電車、タクシーなど公共交通機関の割引、百貨店での宅配料金の割引、美術館や飲食店、ホテルの割引、など。ただし、自治体によって特典の内容や対象年齢が異なることもあるので、お住まいの自治体の規定を確認しておきましょう。

    自動車事故の加害者になるリスクがなくなる

    免許返納すると、車を運転することがなくなるため、自動車事故の加害者になる可能性がゼロになります。年齢を重ねると、認知機能や身体能力の低下は避けられないものです。実際に、警察庁による令和4年中の「原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別・年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数」を見ると、原因はどの年代も「安全不確認」が1位ですが、75歳以上の高齢ドライバーは「運転操作不適」が2位です。「自分は大丈夫」と思わずに、若い頃と比べて運転操作ミスが増えてきたら、免許返納の検討をすることをおすすめします。

    出典
    「道路の交通に関する統計」

    4.免許返納の手続き方法

    免許返納の手続き方法は、大きく分けると「自分で行うか」「代理人に行ってもらうか」のどちらかになります。愛知県等、一部地域では郵送による手続きが可能な場合もありますが、今回は自分で窓口で手続きをする方法と、代理人が窓口で手続きをする方法を詳しく解説します。

    自分で窓口で手続き

    場所

    住所地のある運転免許試験場、運転免許更新センター、警察署の窓口で手続きができます。運転免許更新センターや警察署は平日のみ受け付けのところがほとんどですが、運転免許試験場では日曜日も受け付けしているところもあります。

    必要なもの

    運転免許証を持参します。免許返納とあわせて運転経歴証明書を発行する場合は、運転免許証のほか、申請用写真1枚(無帽・正面・上三分身・無背景。縦3cm×横2.4cm。撮影後6ヶ月以内)と交付手数料1,100円が必要です。

    代理人による手続き

    代理人申請ができる条件

    申請者本人に病気等の何らかの事情があり、本人が手続きに行けない場合に限り、代理人による手続きが可能です。かつ、申請者本人の意思確認ができることも条件の一つです。また、代理人として手続きができるのは、申請者の配偶者、同居の親族および2親等以内の親族などに限られます。

    場所

    住所地のある運転免許試験場や運転免許更新センター、警察署などの窓口です。上述の通り、受付可能時間は場所によって異なりますので、あらかじめ手続きをする場所の情報を確認してから行きましょう。

    必要なもの

    申請者本人の運転免許証、代理人の住所・氏名・生年月日を確認できるもの(運転免許証、住民票原本など)、委任状。委任状は当日窓口でも受け取れます。また、各都道府県の警察本部のホームページからダウンロードすることも可能です。これらに加え、運転経歴証明書も発行する場合は、申請者本人写真1枚(無帽・正面・上三分身・無背景。縦3cm×横2.4cm。撮影後6ヶ月以内)、交付手数料1,100円も持参してください。

    5. サポートカー限定免許という選択肢も

    免許返納を考えているものの、運転できなくなると生活が不便になるので躊躇している...という方もいるのではないでしょうか。その場合、サポートカー限定免許への切り替えという選択肢もあります。

    サポートカー限定免許とは、「サポートカー」のみ運転できる免許のこと。サポートカーとは、自動ブレーキ機能やアクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突を防ぐ機能などが搭載されている車のことです。サポートカー限定条件を付与できる免許は普通免許のみで対象車両も限られていますが、安全運転をサポートしてくれるので、操作に不安を覚える高齢ドライバーにとっては心強い存在です。サポートカー限定免許ヘはいつでも切り替え可能です。免許更新や再交付の際にあわせて行うこともできます。

    6.免許返納後、保険の等級は家族への引き継ぎも可能

    免許返納をして自動車保険が不要になった場合、そのまま解約せずに家族に等級を引き継げないか検討してみてはいかがでしょうか。

    一般的に自動車保険では、契約ごとに1等級から20等級(一部の共済では22等級)で設定され、等級が上がるほど割引率が高くなります。逆に等級が下がるほど割引率が減少していき、4等級以下になると割引きではなく保険料が割り増しになります。一般的に最初は割引率13%の6等級からスタートし、1年間無事故であれば翌年の等級が上がっていくという仕組みです。20等級にまで上がれば、割引率は63%になるので、自動車保険の保険料を大幅に抑えることができます。

    また、自動車保険料は年齢によっても変わります。若い世代は事故を起こす確率が高いため、保険料が高くなる傾向にあります。

    そのため、もし免許返納される方の等級が高い場合、子どもに等級を引き継ぐことができれば、子どもの自動車保険の保険料を抑えられる可能性が高いです。ただし等級を引き継ぐには、「現在の記名被保険者の配偶者や、同居親族であること」などの条件があります。詳しくは、以下の記事で解説していますので参考にしてください。

    関連記事
    自動車保険の等級は引き継げる!引き継ぐときのポイント、注意点とは?

    7.監修コメント

    加齢による認知機能の低下は、本人ではわかりにくいことのようです。私の身近でも免許の返納をした方が何人かいらっしゃいますが、きっかけは同乗者が抱く違和感でした。親のそうした変化に心当たりがあり、当記事をお読みになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    認知機能の低下は、伝え方を間違えると反発されかねません。特に相手が男性の場合は、その傾向が顕著なようです。免許の返納は十分に相手を尊重し、メリットも伝えながら勧めると、決めつけて話をするよりも理解してもらえやすいと思います。

    おとなの自動車保険はこちら

    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る