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自動車好きの心をつかむギャラリー。「アウト・ガレリア・ルーチェ」にインタビュー

愛知県名古屋市にある「アウト・ガレリア・ルーチェ」は、誰でも無料で入れる自動車趣味の専門ギャラリーです。2004年のオープン以来、自動車を愛する人々の興味を惹く多様な企画展を開催し、2021年のリニューアル後は物販にも力を入れています。

今回は「アウト・ガレリア・ルーチェ」のディレクターである平松正光さんと、ともに運営を行うスタッフの山内昌武さんに、同施設の魅力についてお話を伺いました。

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1.カーマニアの心をつかむ自動車文化の発信地

― よろしくお願いします。まずは「アウト・ガレリア・ルーチェ」の概要を教えてください。


平松ディレクター:当館は自動車文化の発信地として、自動車に関するバラエティに富んだ企画展を定期開催しています。車がお好きな方の期待に応えられそうなテーマもあれば、あまり知られていないような歴史に関するものなど、テーマはさまざまです。


― 数年前にリニューアルをされたそうですね。オープンの経緯やリニューアル後について教えてください。


平松ディレクター:オープンしたのは2004年で、そのきっかけはF1でフェラーリチームが1999年シーズン全16戦で使用したピットを親会社が購入したことでした。「シーズン最終戦・日本の鈴鹿グランプリでピット一式の物品を購入しないか」というオファーをフェラーリ社より提案され、購入したものの、ピットをいざ組み立てるとなると、広い空間が必要でした。

そこで車に関するギャラリーを展開するタイミングで、フェラーリのピットを活用した「アウト・ガレリア・ルーチェ」が誕生しました。壁面にはフェラーリチームのドライバー、ミハエル・シューマッハや当時のメカニック・クルーたちの直筆サインが記され、当館の見どころの一つとなっています。

2004年から計49回の企画展を開催してきましたが、2021年9月からは運営形態を変え、物販も楽しめるギャラリーになり、これまでの展示のノウハウを生かした小規模な企画展も平行して定期開催しています。


― 主にどのような方が来館されますか?


山内さん:もともとは40代から60代くらいの、カーマニアの方が多かった印象です。展示テーマが変わるごとに来てくださる方もいらっしゃいました。

一方で最近は、若い方のご来館も増えてきました。一年前ほど前から当館のSNS運用を始めたため、世代を問わず、古い車に興味がある方などの目に留まりやすくなったのかなと思います。


2.カーマニアの心をくすぐるアパレル・グッズ

― 物販のラインアップについてもご紹介をお願いします。


山内さん:当館にいらっしゃるお客さまはマニアックな方が多く、例えば1950~1960年代の戦後の自動車などがお好きなお客さまもいらっしゃいます。そのため物販もちょっとマニアックなものを並べるようにしています。

まずアパレルに関しては、銀座に拠点を構える自動車とバイクのアパレル取扱店「モト―リモーダ」さんの洋服や帽子、バッグ、キーホルダーなどを販売しています。

モトーリモーダさんはセレクトショップであり、独自ブランド展開もしているお店です。以前は名古屋にも販売店があったのですが、そのお店はなくなってしまい、現在この辺りで商品を見ながら購入できる場所は当館だけとなっています。「実物を見て選びたい」というお客さまにおすすめです。

ほかに、1960~1970年代のレアな純正ステアリング(ハンドル)やF1グッズなどを扱う「スピードショップF2」さん、アンティーク商品を得意とする「OTオートモビリア」さんの商品も販売しています。


― イタリア車のステアリングやライトなどもあるそうですが、お客さまはコレクション目的で購入されるのでしょうか。


山内さん:そうですね。例えばご自身の趣味用車庫内に、ステアリングを飾りとして引っかけておく方がいらっしゃいます。

年代物の部品には意匠が凝っているものが多いため、オイル差しやオイル菅など、昔は捨てられてしまったものでもその味わいがインテリアに生かされることがあるんですよ。


3.宝物探しのような専門書籍ラインアップ

― 書籍も置かれているそうですが、どのような商品が人気ですか?


山内さん:例えば南青山にある自動車関連の古書店「ロンバルディ」さんからお預かりしている「カーグラフィック」という雑誌などが人気です。

お客さまの世代にあった号のカーグラフィックや1960~1970年代に販売されていた単行本などを基本のラインナップとして置いております。

自動車関連の専門書店は少なく、あるとしても東京など一部の地域に限定されているため、東海三県にお住まいの方は特に喜んでくださっています。

「ここに来ると古い自動車の本が手に入る」「この雑誌、昔読みたかったんだ」というお声もよくあって、宝物探しのような感覚で楽しんでいただいていますね。


4.「オートモービルアート」の魅力を伝える企画展も

― 企画展については、どのようなものが実施されているのでしょうか。


山内さん:例えば2023年2月1日から4月16日までは、「10人の自動車アートinアウトガレリアルーチェ」を開催中です。

油絵や水彩画、CG、ジオラマ、角材を削って組み合わせるフルスクラッチ手法など、さまざまな技法で自動車の美しさを表現したオートモービル作品を展示しています。一言でオートモービルアートといっても表現する技法は多様だということを感じていただけるはずです。


― この企画を開催されたのはなぜだったのでしょうか。


山内さん:実は、日本だとカーマニアの間でもオートモービルアートはまだ認知度が高くありません。

名古屋にある別のギャラリーでオートモービルアートの展示をされている方から「自動車が好きな方に作品をもっと観てもらいたい」というお話があったことがきっかけで、「当館でアート展を開催したら、お客さまにとってもアーティストの方にとっても良いのではないか」と考え、開催に至りました。

開催してみると、作家さんはご自身の表現について楽しそうにお話されていますし、お客さまも自動車に興味がありますから「なるほど、この部分をそんな風に表現しているのか」と興味をもってご覧になっています。

作家さんにとってはお客さまの反応から新しいアイデアを得る機会、お客さまにとっても自動車を見る視点が少し広がるような場になっているのではないでしょうか。


5.生活を支えてきた自動車。その未来を考えていくきっかけでありたい

― 今後のご計画などありましたらお聞かせください。


山内さん:お客さまから「こんな車が見られるんだ」「目の前を通ったことはあるけれど、こんな場所ならもっと早く入ってみればよかった」といったお声をいただくことがあります。

企画展の内容によっては、関東や関西から来てくださる方もいらっしゃったり、作家さんのお知り合いも足を運ばれたりしています。

入場無料で駐車場も敷地内に完備していますので、お気軽にお立ち寄りいただけたらうれしいです。車好きのお客さまが驚き、楽しんでいただけるような企画を今後も開催していければと思います。


― 最後に、車やドライブがお好きな方にメッセージをお願いします。


平松ディレクター:2022年の秋には、栄地区の久屋大通公園で「コッパ・チェントロ・ジャッポーネ」という自動車の祭典を開催し、私はその実行委員長を務めました。

名古屋市の姉妹友好都市であるイタリア・トリノには、カロッツェリア=自動車のデザイン工房が多数あって、多数の国産車のデザインも手掛けています。

そんな名古屋と縁があるトリノでデザインされた名車を中心に、公園内では計100台規模によるコンクールを実施した他、クラシックカーや全日本ラリー出場車両による公道パレードや、名古屋城を背景にした特設ステージではTOYOTA GAZOO RacingチームのWRCカーによるエキシビションランを開催したりと、見どころ満点の大規模イベントとなりました。

今の自動車産業界は「100年に一度の大変革期」を迎えていますが、愛知県は日本の自動車産業・ものづくりの中枢です。そして名古屋の栄は中部地区最大の商業の中心地でもあり、再開発が進む栄は「100年に一度の街の大変革期」を迎えています。

自動車産業や商業の変革期をどうとらえ、どのように未来を形づくっていくのか。そんなテーマで開催されたこのイベントは、1日のみの開催にもかかわらず5万人もの方が訪れました。今年も、昨年のイベント内容を踏襲しつつ、更なるブラッシュアップを目指して10月9日(月曜日 スポーツの日)に開催する予定です。

1960年代に始まった日本のモータリゼーションは、私たちの生活や暮らしを支えてきたバックボーンだと感じています。この「アウト・ガレリア・ルーチェ」も、そんな自動車の歴史や文化、そして未来に向き合うための場所になれたら幸いです。


― 本日は、貴重なお話をありがとうございました。


アウト・ガレリア・ルーチェ
愛知県名古屋市にある自動車趣味の専門ギャラリー。自動車文化の発信と浸透を目的に、多様なテーマで企画展を定期開催し、カーマニアの心をつかむアパレルやグッズ、専門書籍も多数取りそろえる。東名高速インター、東名阪道本郷出口より各5分。入場無料、駐車場あり。