ドライブ

今注目される海上のホテル「カーフェリー」で楽しむ新しい旅のスタイル!

更新

2022/12/21

公開

2022/12/21

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

マイカーでの旅行は好きなペースで自由に移動できることや、荷物を楽に積載できるほか、小さな子どもやペットと一緒のお出かけも安心など、多くの利点がありますが、長距離の移動では運転の負担や渋滞の心配など気がかりな点もあります。

そこで近年長距離の移動手段として注目されているのが、海上を移動するフェリーです。日本では現在数多くのフェリーが就航しており、とくに長距離になると900kmを超える航路も存在することは意外と知られていないのではないでしょうか。

なかでも、自動車やバイクを運搬できるフェリーをカーフェリーと呼び、長時間の船旅でも快適に滞在できるような設備が整っています。

目次

    1.カーフェリーってどんな乗り物?

    カーフェリーとは、主に旅客以外に自動車やバイク、貨物車両を積み込んで運ぶことのできる構造を持つ「輸送船」のことを指します。
    基本的には中・大型のフェリーで、旅客のほかに自動車やバイク、長距離貨物用のトラックなどを運ぶことで、貨物輸送の一翼を担っている重要な社会インフラでもあります。

    また、国土交通省が提言する「モーダルシフト」と呼ばれる「トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換する取り組み」への注目により、近年カーフェリーの重要性が見直されています。

    具体的には、現在の貨物輸送の方法を転換することで、鉄道利用では90%、船舶利用なら80%ものCO2排出量を削減することができるといわれています。

    参考
    国土交通省「モーダルシフトとは」

    2.カーフェリーの航路は?

    カーフェリーの航路は数多く、たとえば島しょ部を繋ぐものや、中距離のフェリーを除いても、航路300km以上の長距離フェリーは国内で9社15航路あります。(※2022年時点)

    なかでも日本最長の航路である名古屋~仙台~苫小牧を結ぶ太平洋フェリーは、総航行距離1,330kmにもわたり、到着まで40時間、2泊を船内で過ごします。そのため、館内はホテル並みの施設が備わっており、繰り返し利用するファンもいる程の人気航路です。

    3.カーフェリーの特徴や魅力

    それでは私たちがカーフェリーを利用するにあたって、どんな特徴や魅力があるのでしょうか。

    快適に長距離移動ができる

    カーフェリーでは乗船時に船内にある車両デッキへ自動車やバイクを積み込み、下船までは船内の客室やレストランで休憩や食事を楽しむことができます。移動の一部をフェリーに切り替えることで、長距離の移動の際に長時間の運転を強いられないことや、渋滞など予想外の影響が少ないこと、運転手がゆっくり過ごせるなどの特徴があります。

    下船してそのまま自動車で移動できることもあり、遠方の旅行でもマイカーが使用できる自由度の高さは利点と言えるでしょう。

    充実した船内施設がある

    フェリーというと、相部屋や広間で横になって仮眠をするイメージがあるかもしれませんが、近年造船された長距離のカーフェリーには個室が完備されていることが多く、客室がグレードによって複数種用意されているほか、ホテルさながらのスイートルームを完備しているフェリーもあります。その他にも露天風呂、シアターやジムを利用できたり、滞在時間が長い航路では演奏会やヨガなどのイベントを開催するなど、サービスが充実しているのが特徴です。

    ペットと一緒に旅行できる

    一部のカーフェリーではペットの乗船もできるほか、なかにはペットと宿泊できる客室が用意されていることもあります。新幹線や飛行機の移動では、ペットの負担などを考えると二の足を踏んでしまう遠方への旅行でも、カーフェリーを利用することで快適に楽しむことができます。
    航路によってペットの乗船のルールが設けられているので、詳しくは乗船するフェリー会社に確認しましょう。

    船旅のダイナミックな体験

    そして何より、日常生活では体験することのできない広大な洋上で過ごす開放的な船旅は、フェリーの醍醐味ともいえるでしょう。航路によってはフェリーから臨む日の出など、感動的な風景に立ち会うことができます。

    4.カーフェリーの注意点

    一方で、カーフェリーを利用する際の注意点にはどんなものがあるでしょうか。3点紹介していきます。

    船酔いをする場合がある

    カーフェリーは海の上を移動するため、天候によっては揺れを伴うことがあります。乗り物酔いしやすい場合は、あらかじめ船酔いの対策をしておくと安心です。

    また、最新のカーフェリーは設計上揺れが少ないものが多いため、あらかじめ新造船のフェリーを選ぶといった工夫もおすすめです。

    空路に比べ移動に時間が掛かる

    カーフェリーでの移動時間は新幹線や空路に比べると、多くの時間を要します。たとえば、2021年7月に22年ぶりの長距離フェリーとして神奈川県の横須賀から北九州の新門司間に就航した東京九州フェリーは、976kmを約21時間かけて運航します。ですので、ほぼ1日がかりの移動となることを前もって旅行予定に組み込んでおく必要があります。

    利用する客室によって料金が異なる

    カーフェリーは快適な個室を備えたものも多いですが、広間タイプを複数人で利用する客室もあります。客室のグレードが上がるにつれて料金も割高になるため、スイートルームなどを利用する場合は料金も比例して高額になります。
    どんな客室を備えているかは各カーフェリーによって異なるので、HP等で確認するようにしましょう。

    5.カーフェリーの利用方法

    マイカーでの旅行でカーフェリーを利用するには、どうしたらいいのでしょうか。
    現在はほとんどのフェリー会社がインターネットでの予約、もしくは電話での予約を受け付けています。ただし、利用したい航路によって運航会社がそれぞれ異なるので、事前に窓口を確認しておくと良いでしょう。

    カーフェリー乗船料金の考え方

    カーフェリーには大きく分けて「旅客運賃」と「車両運賃」の2種類があります。

    「旅客運賃」は客室タイプ別の1人当たりの料金です。基本的には相部屋が安く、個室はグレードごとに価格設定が変化するので、ホテルの客室料金の考え方に似ています。

    「車両運賃」はフェリーに乗せる車の運賃です。この運賃は車両の全長によって定められていて、1mごとに料金が加算されていくのが一般的です。車検証に記載の全長で料金が決まるので、車検証の確認が必要となるのはこのためです。
    また、車両運賃には運転者1名の基本旅客運賃が含まれていることが多いです。客室のランクを上げる場合は、その分の差額を支払います。

    予約~乗船まで

    カーフェリーは乗船日の2か月前から予約が可能です。しかしフェリー会社やキャンペーンなどによって時期が異なる場合もあるので、直接フェリー会社に確認すると安心です。

    1.予約 2か月前からインターネットや電話で予約します。
    2.受付 車ありの場合 車なし(人のみ)の場合
    チェックインの手続きを行い、係員の指示に従って乗船車両待機スペースに車を駐車します。 チェックインの手続きを行います。
    3.乗船 車ありの場合 車なし(人のみ)の場合
    乗船の案内に従って、船内の車両ドッグに車を移動します。

    同乗者は同伴できないので、通常の搭乗口から乗船

    乗船の案内に従って、搭乗口から乗船します。
    4.着岸~下船まで 案内に従って、自動車に乗車して下船します。

    同乗者は同伴できないので、徒歩で下船

    船内の案内放送に従って、徒歩で下船します。

    当日は港でのチェックインや乗船手続きを考えて、余裕をもって到着しておくと安心です。また、チェックインの際に車検証が必要な場合もあるため、必要書類を予約の際に確認しておくことをお勧めします。

    6.飛行機とカーフェリーはどちらが安い?

    長距離を快適に移動できるカーフェリーですが、飛行機とどちらが安いのでしょうか。

    実際この比較に関しては一概に断言できないのですが、各種割引の豊富さやLCCの利用、便数の多い航路などでは飛行機のほうが安くなる場合もあります。フェリーそのものの乗船料金は格安ですが、車両運賃が高いのがカーフェリー利用で費用がかさむポイントです。しかし、マイカーを旅行に使用できるメリットや、空間の快適さなどを含めた総合点ではカーフェリーの満足感が上回る場合もあります。

    飛行機の移動の速さや便数の多さは魅力でもあるので、飛行機とカーフェリーそれぞれの特長を理解して使い分けることをおすすめします。

    7.まとめ

    ここ数年でカーフェリーは新造船が数多く就航し、航行性能だけではなく船内の設備も充実してきました。日本初のLNG(液化天然ガス)を燃料としたフェリーも登場し、環境面でも今後大きな発展を遂げると考えられています。
    そんなカーフェリーを上手く旅行プランに組み込めば、マイカーでの旅行がより一層快適なものになるでしょう。ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。

    おとなの自動車保険はこちら

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る