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ロールス・ロイスとベントレー専門の博物館。WAKUI MUSEUMにインタビュー

更新

2023/06/28

公開

2023/06/28

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WAKUI MUSEUMは埼玉県加須市で、ロールス・ロイスとベントレーを展示している博物館です。展示されている車のほとんどはエンジンをかけて走行することができ、実際に購入することができるのも特徴です。

今回は同館の館長である安藤秀勝さんに、WAKUI MUSEUMやクラシックカーの魅力についてお話を伺いました。

目次

    1.さまざまなロールス・ロイスとベントレーを展示

    ― 本日はよろしくお願いします。まずは御社の沿革や主な事業内容を教えてください。

    安藤さん(以下、安藤):WAKUI MUSEUMは2007年に開館しました。最初からミュージアムとして設立したのではなく、創業者の涌井清春が埼玉県加須市でロールス・ロイスとベントレーの販売・展示スペースを作ることから始まりました。

    その後、展示用のミュージアムや整備工場を開設するなど、進化を重ねて現在の形となっています。

    当館には16台のロールス・ロイスとベントレーを展示しており、近くにある施設には販売車両を20台ほど展示してあります。また、ミュージアムに展示している車の多くは実際にエンジンをかけて走行できることも当館の特徴です。

    車でお越しの際には、東北自動車道の加須インターから3分くらいのところにありますので、立ち寄っていただきやすいと思います。開館日は日曜日のみですので注意してお越しください。

    2.エンジンをかけて路上を走ることができる

    ― WAKUI MUSEUMの見どころを教えてください。

    安藤:ロールス・ロイスとベントレーのなかでも20世紀初頭あるいは戦前、戦後を通して日本人とゆかりのあった車も当館に収蔵されているため、来ていただいた際にはご覧いただきたいですね。

    具体的には、吉田茂元首相が乗られていたロールス・ロイス、白洲次郎さんがイギリス留学時代に乗られていたベントレーがあります。ロールス・ロイスは吉田元首相が日本に持ち込んで愛用されていたもの、ベントレーは長年の間イギリスにあったものを展示しているので、注目していただければと思います。

    戦後に力を合わせてGHQと交渉し、日本国憲法の成立に貢献したと言われている2人にゆかりのある車が、21世紀の現代に同じ場所に並んでいるのは不思議な巡り合わせを感じますよね。このように、当館では歴史をまとった「車の奥深さ」も感じていただけるのではないでしょうか。

    人間よりも寿命が長いこれらの車も、実際にエンジンをかけて走ることができるので、時代ごとの空気を感じていただければと思います。

    ― 実際にエンジンをかけて走行できるのはうれしいですね。

    安藤:エンジン音を聴いていただくことで、メーカーによる違いも感じていただけると思います。例えば、ロールス・ロイスの創設者の一人であるヘンリー・ロイスは電気技師だったので、モーターのように静かで滑らかに回るエンジン特性があります。

    ベントレーは、レースに挑み続けてきたメーカーのため馬力とスピードが真骨頂であり、力強いエンジン音は100年たっても健在です。

    またロールス・ロイスは、当時から品質の高い車を目指して製造していたメーカーのため機能性と耐久性のレベルが高く、100年以上経った現在でも路上を走れるほどです。

    ロールス・ロイスの製造国であるイギリスでは、古いものを大切にするという文化があり、現在でも部品が作られていることや、クラシックカーの愛好家が多くいることが、文化としての自動車の魅力を支えているのではないでしょうか。

    もちろんデザインが美しく、内外装の組付け精度が高いという美点もありますが、車という乗り物の性質上、現代でも路上を走行できるということは大きな魅力だと思います。

    ― WAKUI MUSEUMはどのような方におすすめの施設でしょうか?

    安藤:古い車が好きな方、所有したいと思っている方に来ていただけるとうれしいです。ロールス・ロイスやベントレーと聞くと敷居が高いように思われますが、車として性能が良いので難しい操作はほとんどありません。

    車体は少し大きいですが、作りがしっかりしているので、古い車を長く愛用したい方にはとてもおすすめですね。

    現在は国産の古い車も人気がありますが、車の創成期から作り続けてきた欧米のメーカーの技術力はとても高く、飛行機由来の大型で強力なエンジンが搭載されたリムジンや、当時の日本ではまだ実用化されていなかったオートマチックやパワーウィンドウを装備したサルーン、また160~170km/hのスピードを出せるクラシックカーもあり、古い車が好きな皆さんには楽しんでいただけると思います。

    3.今この時代に生きているからこそ乗ることができる

    ― 今後の展望を教えてください。

    安藤:これからも古い車を直して、1台でも多くのロールス・ロイスやベントレーが路上で元気に走れるようになるお手伝いをしていきたいです。そのため、多くの方に当館の展示車両をご覧いただき、さらに興味を深めていただく入り口になることも我々の1つの仕事だと考えています。

    英国の素晴らしい車を新たに仕入れて、みなさんに紹介していければと思います。

    ― クラシックカーのオーナーを目指している方に向けてメッセージをお願いします。

    安藤:「古い車だと壊れるかな」と心配されている方がいると思いますが、これら内燃機関の自動車たちはガソリンがある時代にしか乗ることができません。今この時代を生きているからこそ所有し、乗ることができる、文化財ともいえる産業遺産だと思います。

    例えば、70年前の当時には当館にあるような高級車は本当に高価だったので、手に入れることは今よりはるかに難しかったでしょう。それを考えれば現在の価格は、価値に見合った価格であると思います。

    ここ数年、世界的に部品の確保は難しくなっているので、英国車といえどもできるだけ早くオーナーになることをお勧めします。

    ― 本日はお話いただき、ありがとうございました。

    WAKUI MUSEUM
    埼玉県加須市にある、ロールス・ロイスとベントレーの博物館。展示されている車の多くは実際に購入することができ、あらかじめ希望を伝えると試乗の用意をしてお待ちいただけるとのこと。日曜日のみ営業。車でお越しの場合は東北自動車道の加須インターから3分程。

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