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原付二種とは?免許の取り方と取得までにかかる時間

更新

2022/06/08

公開

2020/10/14

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通勤や通学をはじめ、ツーリングにも人気の原付二種。原付一種と同様の扱いやすさを備えながらも原付一種のような制約がなく、高い利便性を発揮する乗り物です。ここでは、原付二種と原付一種との違いやメリット、免許の取得方法や取得にかかる時間などを解説します。

目次
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    1.そもそも原付とは

    原付は「原動機付自転車」の略称であり、エンジンやモーターなどの小型動力源を搭載した二輪車を指します。中型・大型バイクに比べコンパクトであることから「ミニバイク」や「原チャリ(原動機付チャリンコ)」といった通称で呼ばれる場合もあります。

    原付は、維持費や車両価格が安価であることに加え、登録手続きも簡潔であるため、入手のしやすさが特徴です。また、普通二輪車よりも軽量で扱いやすいため、通勤通学などにも適しています。

    原付二種とは?~原付の区分け~

    原付は、エンジン排気量やモーターの定格出力によって2種類に分類されます。道路運送車両法上では、エンジン排気量が50cc以下のバイクおよびモーター出力0.6kW以下の電動バイクを「第一種原動機付自転車(原付一種)」として扱い、125cc以下のバイクおよび1.0kW以下の電動バイクを「第二種原動機付自転車(原付二種)」として扱います。

    また、排気量や定格出力はナンバープレートの色によっても識別され、50cc(0.6kW)以下の原付一種は白、90cc(0.8kW)以下の原付二種は黄色、125cc(1.0kW)以下の原付二種はピンクのナンバープレートが装着されます。

    車両区分 排気量 モーター定格出力 ナンバー色
    原付一種 〜50cc 〜0.6kW
    原付二種 〜90cc 〜0.8kW
    〜125cc 〜1.0kW ピンク

    2.原付一種と原付二種の違い

    原付一種と原付二種のもっとも大きな違いは、上記のようにエンジン排気量にあり、それによって法定速度も変わります。原付一種は30km/hに制限されるのに対し、原付二種の法定速度は60km/hに引き上げられます。

    それに応じてフレームやブレーキ、サスペンションなども強化されるため、原付二種では二人乗りが許可されるとともに、二段階右折義務も解除されます。原付通行禁止の標識がある道路でも、原付二種ならば走行可能です。ただし、高速道路および自動車専用道路は原付一種、原付二種ともに通行できません。

    また原付二種と原付一種で車体が同じバイクもあるため、原付二種の車種には原付一種と区別するために特有のマーキングが設けられています。原付二種の泥除け前端には白いマークが付けられ、車体後端には白い三角形マークが掲示されます。

    ただし、この表示は主に取締り時の見誤りを防ぐためにバイクメーカーが自主的に行っているもので、法的拘束力はありません。表示がなくとも違反にはならず、輸入バイクには付いていないものもあります。

    免許区分 排気量
    ()内は電動バイク
    法定速度 高速道路 二人乗り 二段階右折 車体前後の白マーキング
    原動機付き自転車(原付一種) 〜50cc(〜0.6kW) 30km/h 必要 なし
    小型限定普通車二輪車(原付二種) 〜125cc(〜1.0kW) 60km/h 不要 あり
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    3.原付二種のメリット

    原付二種は、原付一種と普通二輪車の中間的な性質を持つバイクです。原付一種とほぼ同程度のサイズであるため扱いやすく、車両価格や維持費も安価でありながら、一般道では普通二輪車や自動車と同様の条件で走行できます。税金については軽自動車税がかかりますが、排気量90ccまでは原付一種と同額であり、125cc以下でも年間あたり数百円程度の上昇で済みます。

    このように原付二種は、原付一種並の経済性と扱いやすさを備えながら、普通二輪車と同様に走行できる利便性の高い小型バイクです。高速道路では利用できないものの、軽量な車体は誰でも扱いやすく小回りがきくため、とくに狭い都市部の移動に便利な乗り物です。

    4.原付二種に乗るためには小型限定普通二輪免許が必要

    原付二種は原動機付自転車として分類されるものの、原付免許では運転できません。普通自動車免許に付帯する原付免許であっても同様です。

    原付二種に乗るためには、新たに「小型限定普通二輪免許」もしくはその上位免許となる「普通自動二輪免許」や「大型二輪免許」を取得する必要があります。また、スクーターのようなクラッチ操作不要のATバイクの運転のみに限定したAT小型限定の小型限定普通二輪車免許や普通自動二輪免許なども存在します。

    排気量 〜50cc 〜125cc 〜250cc 400cc〜
    免許区分 MT・ATの区分なし AT MT AT MT AT MT
    原動機付自転車免許
    AT小型限定普通二輪車免許
    小型限定普通二輪車免許
    AT限定普通自動二輪車免許
    普通自動二輪車免許
    AT限定大型自動二輪車免許
    大型自動二輪車免許

    5.小型限定普通二輪免許の取り方

    小型限定普通二輪免許を取得するには、試験場にて適性検査・学科試験・技能試験に合格する必要があります。また、公安委員会によって認定された指定自動車教習所で教習を受けることにより、技能試験が免除される制度があります。受験資格が得られる年齢は16歳以上です。すでに普通自動車免許を取得している場合は、学科試験が免除となります。

    教習所に通う場合

    自動車教習所で行われる小型限定普通二輪免許取得のためのカリキュラムは、学科教習26時間・技能教習12時間です。すでに普通自動車免許を取得している場合は、学科教習1時間・技能教習10時間に短縮され、短縮された教習時間に応じて教習料が減額されます。

    教習料は、普通自動車免許を持っている場合で8万~12万円程度です。免許を持っていない場合は15万~20万円ほどかかります。AT(オートマチック)限定免許を取得する場合は運転操作が簡略化した分、技能教習が9時間に短縮されます(学科教習は26時間から変更はありません)。普通自動車免許を取得している場合は、技能教習が8時間、学科教習が1時間に短縮され、費用はそれぞれ1万〜2万円ほど割安になります。

    学科教習では交通法規の座学を受けます。技能教習では、一本橋や蛇行走行、急加速や急減速などのカリキュラムを経て、最後に卒業試験を受けて合格すれば、試験場での技能試験が免除されます。

    その後、平日に地域を管轄する試験場で学科試験を受けて合格すれば、晴れて小型限定普通二輪免許を取得することができます。普通自動車免許を取得している場合は、試験場での学科試験は免除されます。

    試験場で受験する場合

    試験場で受験する場合、免許試験場で直接試験を受けて合格できれば、その日のうちに免許が取得できます。ただし、試験を受けられるのは平日のみであり、試験場によっては試験日時があらかじめ決められている場合があります。混雑状況によって事前に予約が必要になる場合や完全予約制の試験場もあるため、地域を管轄する試験場のホームページなどで事前に確認をしておきましょう。

    1回あたりの受験費用は、受験料2,600円+試験車使用料1,450円の合計4,050円です。また、試験を受ける条件として、視力が両眼で0.7以上、片目でそれぞれ0.3以上であることと、運転にふさわしい格好(長袖・長ズボン・靴・ヘルメット)であることが定められています。

    以上の条件を満たしたうえで技能試験と学科試験(普通自動車免許を取得している場合は学科試験免除)に合格することで免許が取得できます。

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    6.小型限定普通二輪免許の取得にかかる時間

    教習所を経て新規で原付二種免許を取得するために必要な期間は、入校手続きや免許発行手続きを含めて、毎日通った場合で10日〜2週間程度。時間にすると合計40時間前後です。普通自動車免許を持っていれば26時間の学科教習が免除されるため1週間程度で小型限定普通二輪免許を取得できます。

    それに対して、試験場で直接試験を受けた場合は最短で当日に取得できます。ただし、原付一種を乗り慣れた人であっても一発で合格できるケースは非常に稀であり、数回の試験を受けてようやく合格する場合がほとんどです。そのため、試験場の混雑状況によっては免許取得までに数ヶ月かかってしまうこともあります。

    7.道路交通法の改正で、AT限定免許であれば最短2日で取得可能に

    2018年4月の道路交通法改正で、AT小型限定普通二輪免許取得時の技能教習上限時間が見直され、普通自動車免許を所持している場合の教習が最短2日間で終えられるようになりました。

    これまで最短でも3日を要していたAT小型限定普通二輪免許の教習が2日で終えられるようになったことで、連休を利用しての免許取得がしやすくなっています。

    ただし教習の進捗は教習所の混雑状況や予約状況に左右されるため、実際に2日間で教習を終えるのは困難です。そのため教習所によっては、特別カリキュラムを実施することで2日間でのAT小型限定普通二輪免許取得をサポートしています。

    2日間で教習を終えられる特別カリキュラムは、2万円前後の特別料金が追加されるものの、たった2日間で教習を終えられるため、忙しくて免許取得ができない人におすすめのプランです。ただし、申込みに人数制限が設けられていたり、実施期間や実施曜日が教習所側であらかじめ決められていたりする場合があるので注意が必要です。

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    8.監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

    原付二種は、車両価格や維持費は原付一種と同等でありながら、免許の取得費用や取得期間は普通二輪車より少なく済み、かつ自動車に近い速力を備える、非常に利便性の高い乗り物です。しかし、原付一種と原付二種は性能や交通法規に大きな差があるため、同じ原付に分類されていてもまったくの別物と考えて運転したほうが良いでしょう。

    また、原付一種よりも速度が出せるということは、事故を起こした際の影響もより大きくなることを意味しています。当然のことですが、手軽だからといって注意を怠ることなく、常に交通法規やマナーを守って運転することが必要です。便利であるからこそ基本を忘れず、安全運転を一層心がけるようにしましょう。

    監修:株式会社日本交通事故鑑識研究所

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