クルマ

タイヤ交換の時期・タイミングや費用は?ご自身で行う方法や注意点も解説

更新

2022/11/02

公開

2022/11/02

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

車に安全に乗り続けるためにはタイヤ交換が欠かせませんが、初めて行う方の場合はどこでできるのか、費用はどれくらいかかるのかが気になるところでしょう。

業者に依頼するだけでなくご自身でタイヤを交換することもできますが、それぞれどのようなことに注意すべきか事前に把握しておきたいところです。

本記事では、タイヤの交換時期・タイミングの目安やタイヤ交換ができる場所、タイヤ交換を行うときの注意点などについて、解説します。

目次

    1.タイヤ交換時期・タイミングの目安

    タイヤを交換する時期やタイミングの目安としては、主に以下のようなケースが挙げられます。

    • スリップサインが出そうになったら
    • 走行距離が32,000kmに達しそうになったら
    • タイヤを使い始めて5年近く経ったら
    • ロードノイズの変化を感じたら

    それぞれについて、詳しく説明します。

    スリップサインが出そうになったら

    スリップサインは、タイヤが路面と接するトレッド面にあります。タイヤの側面にある△のマークがその位置のガイドになります。タイヤの摩耗具合を知らせる目安となっており、タイヤの溝の深さが1.6mmになると、スリップサインがタイヤの表面と同じ高さになって浮き出てくるようになります。

    溝の深さは保安基準において1.6mm以上であれば合格なので、スリップサインが出てしまっているタイヤは車検にとおりません。スリップサインが出てしまってからでは遅いので、そろそろ出そうだなというタイミングでタイヤ交換を行うと良いでしょう。

    走行距離が32,000kmに達しそうになったら

    一般的なタイヤのゴムは走行距離約5,000kmにつき1mm摩耗し、新品タイヤの溝はブランド・サイズにより異なりますが、およそ8mmです。これらから計算すると、先ほどお伝えした溝の深さ1.6mmに達するのは、「走行距離が32,000km程度のとき」となります。

    あくまでも目安なので、走行距離が30,000km近くになってきたら適宜タイヤを確認することを心がけましょう。

    タイヤを使い始めて5年近く経ったら

    タイヤの損耗度合は、タイヤの保管状況や車の使用状況、運転方法などによって変わります。そのため、タイヤを交換するタイミングを使用期間で指定するのは難しいです。

    タイヤメーカーもタイヤの消費期限を明記してはいませんが、使用開始後4~5年後での交換を推奨しています。一般的な使い方をしていればそれくらいの期間でタイヤが寿命を迎えるということなので、5年を1つのメドにして交換すると良いでしょう。

    ロードノイズの変化を感じたら

    ロードノイズとは、タイヤが地面に触れることで走行中に聞こえる音のことを指します。新品のタイヤだとロードノイズはそこまで大きくありませんが、タイヤを使い続けていると、聞こえてくる音が少しずつ大きくなります。

    最近ロードノイズが大きくなってきたなと感じたら、タイヤ交換を検討してみても良いかもしれません。

    摩擦したタイヤは、ブレーキの効きが悪くなります。雨の日にすべりやすくなったり、タイヤの劣化により破裂したりする可能性があるので、シーズンに合わせて夏タイヤと冬タイヤを交換するときは、タイヤの状態を確認してみると良いでしょう。

    タイヤの溝が浅くなってきたなと感じたら、走行距離や使用期間を踏まえて交換を検討してみるのが賢明と言えます。

    2.タイヤ交換の費用は?

    タイヤ交換にかかる費用は、タイヤ交換をどこで行うかおよび、タイヤを持ち込むかどうかによって変わってきます。

    タイヤ交換を行える場所およびそれぞれのケースでのタイヤ交換にかかる費用は、以下のとおりです。

    タイヤ交換を行う場所 費用相場(タイヤ4本分)
    ガソリンスタンド 4,000円~30,000円+タイヤ代
    タイヤ専門店 10,000円~20,000円+タイヤ代
    カー用品店 4,000円~15,000円+タイヤ代
    ディーラー 8,000円~50,000円+タイヤ代

    3.タイヤ交換はどこでできる?

    先ほども少し触れましたが、タイヤ交換ができる場所としては、主に以下のようなところが挙げられます。

    • ガソリンスタンド
    • タイヤ専門店
    • カー用品店
    • ディーラー

    それぞれの場所について、詳しく説明します。

    ガソリンスタンド

    作業スペースや設備が整ったガソリンスタンドでは、タイヤ交換を行うことができます。身近な所にあることが多く、利用しやすいことがメリットです。

    ただし、タイヤ交換専門のお店ではないので、タイヤの品揃えが限られていたり、サイズの大きいタイヤや特殊な形状のホイールの場合には作業ができなかったり、といったケースもあります。

    ガソリンスタンドでタイヤ交換をしたい場合は、お近くの店舗でタイヤ交換が可能かどうかを事前に確認しましょう。

    タイヤ専門店

    タイヤ専門店では、タイヤの知識が豊富なスタッフに作業を行ってもらえます。技術力が高く、さまざまな種類のタイヤやホイールの交換を行うことが可能です。ただし、タイヤ専門店でのタイヤ交換を希望する方は多いので、夏タイヤ⇔冬タイヤの交換時期は混みあうことも多いです。

    その時期に交換を希望する場合は、早めに予約しておくことを心がけましょう。

    カー用品店

    タイヤ以外に幅広く車用品を扱うカー用品店でも、タイヤの持ち込み交換の依頼が可能です。お店によって技術力に違いがある場合も多いので、仕上がりに差が出る可能性は若干考慮しておく必要があるでしょう。

    タイヤ専門店と同様に夏タイヤ⇔冬タイヤの交換時期は混みあうことが多いので、早めに予約しておくのが賢明です。

    ディーラー

    ディーラーでは、専門的な技術や知識を持つ整備士にタイヤ交換を行ってもらえます。安心して作業を任せられますが、その分費用が高めになるケースも多いです。

    作業が終わるまでの所要時間も、ガソリンスタンドやタイヤ専門店などより長くなる傾向があることには注意しておきましょう。

    なお、ここではタイヤ交換を行えるお店を紹介していますが、ご自身でタイヤ交換を行うことも可能です。ご自身でタイヤ交換を行う方法について、詳しくは次の見出しで説明します。

    4.タイヤ交換をご自身で行う方法

    タイヤ交換をご自身で行う際は、以下に挙げるような工具を準備しましょう。

    • ジャッキ
    • レンチ(トルクレンチ)
    • 輪止め
    • 軍手
    • 空気圧計
    • 空気入れ

    実際にタイヤ交換を行う際の工程は、以下の5つに分けて考えると良いでしょう。

    1. 交換前の安全確認
    2. 車のジャッキアップ
    3. 古いタイヤの取り外し
    4. 新しいタイヤの取り付け
    5. 交換後のチェック

    1.交換前の安全確認

    タイヤ交換を行う際は、ジャッキという道具を使って車を持ちあげる「ジャッキアップ」をする必要があるので、必ず平らな場所で行わなければなりません。

    また、車の周囲でタイヤを転がしながら作業を進めるため、周囲にある程度広さがある場所であることが望ましいです。サイドブレーキが引かれていることも、きちんと確認しましょう。

    2.車のジャッキアップ

    車をジャッキアップする際は、古いタイヤのホイールキャップを4本とも外しておく必要があります。ホイールキャップレンチやマイナスドライバーを使用して、外しましょう。

    また、ジャッキアップしている間に車体が動いてしまうことを防ぐために、ジャッキアップする箇所の対角のタイヤに、輪留めやタイヤストッパーをセットしましょう。

    準備が整ったらジャッキアップを行いますが、いきなり行うとホイールを緩めるのが大変なので、ナットを少しだけ緩めておきます。ナットは4つ、もしくは5つありますので、すべて少しずつ緩めれば大丈夫です。

    車には「ジャッキアップポイント」と呼ばれる箇所があるので、必ずこの部分にジャッキを当てなければなりません。それ以外のところにジャッキを当ててジャッキアップを行おうとすると、事故や車体破損などの原因になってしまいます。

    ジャッキアップポイントは車の説明書に記載してありますので、事前に確認しましょう。

    3.古いタイヤの取り外し

    ジャッキアップしていきタイヤが5cmほど浮いたら、タイヤを外します。事前にナットを緩めておくことで、簡単に取り外せるようになっているはずです。

    タイヤを外す際は、ナットを無くさないことや、タイヤに手を挟まれないようにするなどに注意しましょう。

    4~5.新しいタイヤの取り付け・交換後のチェック

    古いタイヤを取り外したら、ボルトとホイールの穴の位置を確認して、新しいタイヤを取り付けます。タイヤは非常に重たいので、外すときと同様に手を挟まれないように気を付けながら取り付けましょう。

    タイヤが車体にはまったら、まずはナットを手で固定してその後にレンチで軽く締めていきます。このとき、ナットは対角線順に締めることを意識しましょう。

    ナットが奥まで入ったら、レンチを叩いて対角線の順番でキツく締めます。タイヤを左右前後に動かしてみて、ガタガタしなければジャッキダウンします。

    タイヤ交換が完了したら、車の周囲に工具や交換した古いタイヤなどがないことを確認したうえで、車を動かしましょう。ハンドルを左右に目一杯動かしてみて、タイヤから異音が発されていないかを確認します。

    周囲に場所の余裕があるのであれば、バックやUターンなども試してみると良いでしょう。車を運転してみて問題がなさそうだと判断できれば、タイヤ交換は完了です。

    タイヤ交換をご自身で行うときの注意点

    ご自身でタイヤ交換を行う場合は、「回転方向指示の有無や向きを確認する」「タイヤの空気圧を確認する」「タイヤの適合をチェックする」といったことに気を付けなければなりません。

    タイヤの中には、回転方向や付ける位置が決まっているものがあります。指定されたとおりの回転方向や箇所のとおりに付けなければ本来の性能を発揮できないだけでなく、危険な場合もあります。タイヤの側面に「RIGHT⇒」などの表記がないかどうか、事前に確認しておきましょう。

    タイヤの空気圧も、タイヤ交換の前に確認しておく必要があります。特に長期間保管してあったタイヤは空気圧が足りていないことも多いので、足りない場合には適切な空気圧まで充填しましょう。

    セルフ式のガソリンスタンドにはタイヤ用の空気充填機が設置してあり、希望すれば点検してもらえることがあるほか、設置された充填機を自由に使える場合もあります。なお、メーカー推奨の空気圧に関しては、一般的に運転席ドアの開口部に書かれています。また、取扱説明書で確認することも可能です。

    インターネットなどで、ご自身でタイヤを購入した場合は車とタイヤがきちんと適合するかを確認しなければなりません。同じ車種でも、グレードや年式・オプションなどが異なるとタイヤのサイズは異なります。ホイールサイズに適合するタイヤでなければ、装着することはできません。

    タイヤ交換を誤った方法で行うと、作業時や走行時にトラブルが発生する場合もあり危険です。少しでも自信がない場合は、無理にご自身で行おうとせずに業者に依頼しましょう。

    5.タイヤ交換を業者に依頼するときの注意点

    業者に依頼してタイヤを交換してもらう場合は、「持ち込みのタイヤでも交換してくれるか確認する」「タイヤの持ち込みによって費用が変わるかどうか確認する」といった点に注意する必要があります。

    お店によっては、その店舗で購入したタイヤの交換のみ作業が可能で、タイヤ持ち込みでの交換作業には対応していない場合があります。また、持ち込みでのタイヤ交換には対応しているものの、持ち込みかどうかで費用が変わる場合もあります。

    タイヤ交換を依頼したい店舗が決まっているのであれば、事前に確認しておくのが無難でしょう。

    6.安全のためにも適切なタイミングでタイヤ交換を行いましょう

    車に安全に乗り続けるためには、タイヤ交換を行うことが欠かせません。タイヤ交換を行うべきタイミングは、スリップサインが出そうになったら、ロードノイズの変化を感じたらなどいくつかあるので、適切なタイミングでのタイヤ交換を意識しましょう。

    タイヤ交換は、ガソリンスタンドやタイヤ専門店・ディーラーなどで行ってもらうことができます。必要な費用やタイヤ交換に要する作業時間などはそれぞれ異なるので、交換を依頼したいお店が決まっているのであれば、事前に確認しておくのが賢明です。

    タイヤ交換をご自身で行う場合は、安全に十分配慮したうえで行うことを心がけてください。

    おとなの自動車保険はこちら

    木下 隆之
    監修
    木下 隆之(きのした たかゆき)

    プロフィール:
    明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務。独立後、プロレーシングドライバーとして活躍。全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。雑誌にも11本の「連載エッセイ」に執筆。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る