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車検シール(車検ステッカー・検査標章) の貼り方や位置とは?令和5年7月以降の変更点についても解説!

更新

2023/06/14

公開

2023/06/14

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車検に合格した後に交付される車検シール。車のフロントガラスに貼り付けることが義務付けられていますが、令和5年7月3日から車検ステッカーの貼り付け位置が変更になります。

当記事では、車検シールの役割や、現時点での貼り付け位置、改正後の貼り付け位置などについて解説します。

目次

    1.車検シールとは?

    役割

    車検シールとは、車検証の有効期間が満了する時期が記載されているステッカー(シール)のこと。正式名称を「検査標章」といい、「車検シール」とも呼ばれます。

    車検シールは、フロントガラスの上部に貼り付けて表示することが義務付けられています。車の外からも車内からも見えやすい位置に貼り付けることで、車検切れの運行を防止する役割を持ちます。

    種類/記載されている内容

    車検シールには、普通自動車用と軽自動車用の2種類があります。表面(車の外から見える面)には、車検の有効期限が満了する年・月が記載されており、裏面(車内から見える面)には、車検の有効期限が満了する年・月・日が記載されています。

    普通自動車の車検シール例

    表面(左):車検の有効期限「令和5年7月」を表す。

    年の配置は、有効期限の年を位置でも識別できるようになっており、左上→右上→右下→左下の順で年ごとに表示場所が変わっていきます。令和6年は左下に「6」が表示されます。

    裏面(右):車検の有効期限「令和5年7月3日」を表す。

    出典
    「令和5年7月3日から検査標章(ステッカー)の貼り付け位置が変更になります。」(国土交通省)を加工して作成

    軽自動車の車検シール例

    表面(左):車検の有効期限「平成26年1月」を表す。
    裏面(右):車検の有効期限「平成26年1月1日」を表す。

    出典
    「検査標章の現状について」(国土交通省)を加工して作成

    車検シールはいつ交付される?

    車検シールは車検に通った後、自動車検査証(車検証)と一緒に運輸支局もしくは軽自動車検査協会から交付されます。しかし、車検を依頼する業者によって、車検シールの発行のタイミングが異なります。

    民間車検場や民間車検工場とも呼ばれる「指定工場」に車検を依頼する場合は、車検シールを受け取るまでに多少時間がかかることが多いです。「指定工場」は、独自に車検の検査ラインを持っているため、運輸支局などの車検場に車を持ち込む必要がないからです。

    「指定工場」で車検の合格を認められると、車検シールの交付の前に、「保安基準適合証」が交付されます。「保安基準適合証」は15日間有効で、この間に車検証と車検シールが後送されるという流れです。車検シールが届いたら、「保安基準適合証」から貼り替えることになります。

    一方、「認証工場」に車検を依頼する場合は、車検シールが即日交付されることが多いです。認証工場は検査ラインを持っていないため、車検を完了するために車検場まで車を持っていかなければならないからです。ただし、運輸支局は土日や祝日等はお休みのため、平日に出向いた時のみ、即日交付が可能です。

    車検シールとは別の丸いシールは何?

    フロントガラスには、四角い車検シールとは別に、丸いシールが貼られていることがあります。この丸いシールの正式名称は「点検整備済ステッカー」。「ダイヤルステッカー」と呼ばれることもあります。

    「点検整備済ステッカー」は、定期点検の整備を実施したことを示すもの。丸いシールの中央に書かれているのは、次回の定期点検整備の「年」。その周りに書かれている数字は月をあらわし、背景色が白になっている箇所が次回の定期点検整備の「月」です。

    定期点検は、「1年定期点検」と「2年定期点検」があり、どちらも実施が義務付けられています。なお、「2年定期点検」は車検と一緒に行うことが一般的です。定期点検、車検ともに、それぞれのステッカーで次回の実施時期を把握しておくようにしましょう。

    2.車検シールを貼らずに走行するのは違反

    50万円以下の罰金が科されることも

    車検シールを表示することは、道路運送車両法によりドライバーに義務付けられており、車検シールを貼らずに公道を走ると、50万円以下の罰金が科されます。紛失や汚損などの理由で、車検シールを貼らずに公道を走行すると違反になるので、車検シールは必ず車に貼り付けておくようにしましょう。

    また、車検が切れているにもかかわらず公道を走ると、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。加えて、違反点数6点が加算され、30日間の免許停止処分を受けることになります。

    3.現時点での車検シールの貼り方・位置の決まりとは?

    業者に車検を依頼する場合には、業者が車検シールを貼った状態で車を引き渡してくれることが多いです。ですが、ユーザー車検や後日交付の場合には、自分で車検シールを貼らなければいけないことも。そこで、自分で行う車検シールの貼り方について解説します。

    車検シールの作成方法

    裏面となる左側のシールを半分はがし、右側の台紙の黒枠に合うようにして貼り付けましょう。裏面と表面がぴったり重なったら、台紙からはがして、シールの完成です。

    車検シールを貼る位置

    車検シールは、車内から貼り付けます。貼り付け位置は、明確に定められているわけではありませんが、「フロントガラスの内側で、前方から見やすい位置」に貼り付けます。例えば、フロントガラスの中央上部(例A)。もしフロントガラスの上部が着色されている場合は、着色部分にかぶらないよう、下にずらして貼り付けます(例B)。

    参考
    「自動車の検査標章の貼り合わせ方法」(国土交通省)

    4.令和5年(2023年)7月3日から貼り付け位置が変更に!

    前方からだけでなく、ドライバーからも見やすい位置に貼る

    「自動車検査業務等実施要領」の一部が改正されたことにより、令和5年(2023年)7月3日から車検シールを貼る位置が変更になります。前述の通り、車検シールの貼り付け位置は「前方から見やすい位置」とされていました。しかしこの改正により、「前方かつ、"運転者席から見やすい位置"」へと貼り付け位置が変わります。ドライバーの目に入りやすい位置にすることで、車検への意識を高め、無車検走行を防ぐ目的があります。

    令和5年(2023年)7月3日以降は、運転手席側の上部で、できるだけ車の中心から離れた位置に車検シールを貼るようにします。つまり、運転手席から見てフロントガラスの右上(左ハンドル車は左上)がベストな貼り付けといえるでしょう。ただし、運転手の視野を妨げる場合には、視野を妨げない場所にずらしてOKです。

    なお、すでに車検シールを貼っている場合は、あらためて車検シールの位置を変える必要はありません。

    5.車検シールを紛失・破損・汚損した場合の再発行方法とは?

    車検シールを失くした時には再発行が必要です。また、自分で貼る時に破ってしまったり、汚れなどにより車検満了年月の一部が見えない場合には、新たな車検シールを用意する必要があります。車検シールは貼っていないと公道を運行できないため、速やかに再発行手続きを行いましょう。

    手続きの流れ

    普通自動車の場合は、最寄りの運輸支局または自動車検査登録事務所にて再発行を行います。軽自動車の場合は、軽自動車検査協会で手続きを行いましょう。以下に、手続きの流れを説明します。

    1. 窓口で手数料分(300円)の印紙を購入し、申請書の記入をする。
    2. 窓口で、必要書類(次項にて解説)を提出する。
    3. 新しい車検シールを受け取る。

    必要書類

    • 自動車検査証(車検証)の原本
    • 再交付申請書(窓口にあり。もしくはウェブサイトからダウンロードも可能)
    • 理由書(申請書に理由の記入がある場合は不要)*
    • 手数料納付書(窓口にあり)*

    *マークの書類は、軽自動車の場合は不要です。

    代理人が手続する場合は、委任状もしくは申請依頼書の提出も必要です。

    汚損などで車検シールを持参できる場合は、一緒に提出します。

    6.監修コメント

    車検シールの貼り付け位置変更は2023年7月3日からですが、2022年9月に認証工場で車検を受けた私の愛車は、すでに運転席側の右上のフロントガラスに車検シールが貼られていました。そのため、以前まで車検シールが貼られていた場所に付着した糊がやや気になりました。そこで市販のステッカー剥がし剤を布に吹き付けてフロントガラスを拭き上げたところ、簡単に糊を落とすことができました。

    YouTubeなどでスクレーパーを使った車検シールの剥がし方が紹介されていますが、慣れていないとフロントガラスにキズをつけてしまうかもしれません。残った糊が気になる場合は、まず専用の液剤を試してみることをおすすめします。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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