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サイドミラーの安全な使い方は?調整方法や快適な機能を徹底解説!

更新

2022/11/30

公開

2022/11/30

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左折や右折、車線変更、駐車、発進など、車の運転時に確認する機会の多いサイドミラー。後方をはじめ周囲の安全確認に欠かせない設備です。サイドミラーを正しい位置に調整することで運転のしやすさも変わってきます。また、壊れた時にそのままにしておくと、事故の原因になることもあるので注意しましょう。

そこで、本記事ではサイドミラーの役割や調整方法、壊れた時の対処法から便利なアイテムまで、まとめて解説します!

目次

    1.サイドミラーの種類や役割は?

    サイドミラーはバックミラーの1つで、車を運転する時に後方や左右など周囲を確認するための装備です。左折や右折、車線変更をする時、駐車や発進する時などサイドミラーを使用する機会は多く、安全運転に欠かせません。法律上では「後写鏡」と呼ばれ、設置が義務付けられています。

    サイドミラーの種類

    サイドミラーは車体前方の両サイドに設置されていて、主にドアミラーとフェンダーミラーがあります。それぞれの違いについて説明します。

    ドアミラー

    運転席や助手席のドアの外側に付いているミラーで、現在はドアミラーがサイドミラーの主流になっています。ドライバーの視点の近くに設置されているため、後方を正確に把握しやすいというメリットがあります。一方で、左右を確認する時に助手席側のドアミラーも見なければならず、目線を大きく動かす必要があります。また、車体から横にはみ出しているため、運転中にぶつけたり擦ったりして破損しやすいというデメリットもあります。

    フェンダーミラー

    前輪を覆うフェンダーパネルの上に取り付けられています。前方に設置されているため、左右の確認をする際に目線の移動が少なくてすむ、というメリットがあります。車体からもあまりはみ出さないため、狭い道でも運転しやすいといえるでしょう。しかし、「車のデザイン性を損ねる」「対人事故を起こした時に、ボンネットに突起物があると危険性が高まる」などのデメリットもあります。現在はフェンダーミラーが使用されている一般車は少なく、主にタクシーで使用されています。

    運転席には死角がある

    それでは、なぜサイドミラーが必要なのでしょうか?これは、ドライバーの視野を確保し、歩行者や近くを走る車両などを確認しやすくするためです。車を運転中に運転席から死角になっている場所はたくさんあります。たとえば、ウィンドウよりも下の位置は死角になりやすい場所です。また、「ピラー」と呼ばれる車の支柱も死角になりやすく、小さな子どもなどが影に隠れて見えないことがあります。このため、サイドミラーを調整して死角を減らす工夫が必要です。

    ただし、サイドミラーで見える範囲もごく一部です。自分の車のすぐ近くや後方は確認できますが、真横の離れた場所などは鏡に映りません。左右折時の巻き込み事故はサイドミラーしか見ていなかったことが原因のケースも少なくありません。サイドミラーで確認すると共に、必ず目視でも確認するようにしましょう。

    サイドミラーの使い方

    次に、どんな時にサイドミラーを使用すれば良いのか、ケース別に解説します。

    <ケース1>車線変更・追い越し

    車線変更や追い越しをする時に後方を確認する場合は、右側のサイドミラーを使用します。右後方から他の車が近づいてきていないかどうかを確認しましょう。

    <ケース2>巻き込み事故防止

    左折する時は左側のサイドミラーを確認して、左後方から歩行者や自転車、オートバイなどがきていないか注意します。

    <ケース3>車庫入れ・駐車時の安全確認

    左右両方のサイドミラーで後方を見ながら、車と車庫の距離や後輪の位置、路面の状態などを確認します。

    2.サイドミラーの正しい位置や角度は?

    安全運転をサポートしてくれるサイドミラーですが、正しい位置に調整されていなければ役に立ちません。実は、サイドミラー(後写鏡)は「道路運送車両の保安基準 第44条」で次のように設置基準が定められています。

    • 簡単に方向を調節でき、一定の方向を保持できること
    • 歩行者に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造であること
    • 鏡面に著しいひずみ、くもり、ひび割れがないこと
    • 走行中の振動で著しく機能が損なわれないように取り付けられていること
    • 運転席から左右の外側線上後方50mまでの間にある車の交通状況を確認できること

    これらの基準を満たしていないと、車検を通らないことがありますので注意しましょう。

    上下の正しい位置、角度

    サイドミラーの上下方向の目安としては、ミラーの下半分ほどに道路、上半分ほどに空が映る角度が良いとされています。路面が多く見えるほうが車庫入れはしやすくなりますが、運転中は死角が増えるため危険です。また、なるべく後方の車を確認できる高さにしましょう。

    左右の正しい位置、角度

    左右方向の目安としては、自分の車のボディが1/4ほど映り込む位置がおすすめです。ボディがまったく写っていないと他の車との距離をつかみづらくなります。反対にボディが映りすぎると死角が増えてしまいます。基本的に、遠方の車がミラーの中央に映る角度にしましょう。

    3.サイドミラーはどうやって調整する?

    サイドミラーはインパネ(インストルメントパネル)や運転席のドアなどにあるスイッチで調整する車と、ミラーを手動で調整する車があります。運転席の座り方や位置によってサイドミラーの見え方は変わってきますので、正しいドライビングポジションを取ってから調整することが大切です。

    まずは正しいドライビングポジションを取る

    次の手順で、正しいドライビングポジションを見つけましょう。

    1. シートとお尻に隙間ができないように深く座り、左足をフットレストに置く。
    2. 右足でブレーキペダルやアクセルペダルをいっぱいに踏んだままシートを前後に調節。膝に少し余裕のある位置にする。
    3. 背中をぴったりとシートバッグにつけ、ハンドルの最上部を両手で握る。この時、肘が伸び切らない位置にシートのリクライニングを調節。
    4. ヘッドレストの中央と耳の中央が合うように高さを調節する。

    運転席側、助手席側の順に調整

    正しいドライビングポジションが取れたら、運転席側のサイドミラーから調整します。上下、左右の順番で行いましょう。次に、助手席側のサイドミラーを上下、左右の順番で調整します。注意が必要なのは、サイドミラーを調整してもすべてが映るわけではないということ。映る範囲と死角になる範囲を把握しておくことが大切です。

    4.サイドミラーが壊れたらどうすればいい?

    「狭い路地を走行中にこすってしまった」「駐車場でぶつけられた」「急に動かなくなった」などサイドミラーが傷ついたり故障したりすることがあります。ここでは、故障や傷を放置した時の危険性や症状別の対処法を解説します。

    壊れたままでの走行はとても危険!

    サイドミラーが壊れた状態で走行を続けると、次のような危険があります。

    • 割れたカバーの破片が歩行者や他の車などにぶつかる
    • 後方を十分に確認できずに歩行者や車などに衝突する
    • 塗装がはがれてサビの原因になる

    さらに、サイドミラーが大きく破損した状態で走行すると、整備不良車両として道路交通法違反になることがあります。整備不良車両を運転した場合は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性もありますので注意しましょう。

    【症状別】サイドミラーのトラブル対処法

    <症状1>サイドミラーが動かない!

    現在、サイドミラーは電動ミラーが主流になっています。「サイドミラーが開閉しない」「鏡面が動かない」といった時は、モーターの故障・寿命や配線の断線など電気系統の故障が原因と考えられます。単純な不具合であればエンジンをかけ直すことで動くこともあります。しかし、電気系統の故障の場合はサイドミラー本体や内部のモーターの交換となりますので、ディーラーや修理工場などに相談しましょう。

    <症状2>カバーが傷ついた!

    壁にこすったなどカバーの傷や破損のみであれば、カバーの修理・交換だけですみます。小さな傷なら、コンパウンドやヤスリで傷の表面を整え、タッチペンなどで目立たなくすることができます。ただし、コンパウンドは扱い慣れていないと余計に傷が目立ってしまうことがありますので注意が必要です。カバーの交換はディーラー、カー用品店、修理工場などで行えます。

    <症状3>鏡が割れた!

    サイドミラーのミラー部分にヒビが入ったり割れたりした場合は、ミラーだけを交換することができます。ミラーの取り外しは比較的簡単ですが、取り付け時にケガをすることもありますのでディーラーやカー用品店、修理工場などに依頼するほうが安心です。

    サイドミラーの故障・傷を予防する方法

    サイドミラーは傷がつきやすい場所ですが、なるべく故障や傷は避けたいものです。次の点に注意してサイドミラーに関するトラブルを予防しましょう。

    サイドミラーに負荷を与えない

    第一に、サイドミラーに衝撃を与えたり、ぶつけたりしないことが大切です。電動ミラーを手で無理やり開閉すると内部のギアが傷みますのでやめましょう。また、サイドミラーを開閉する回数をなるべく減らすこともモーターや部品の寿命を延ばすことにつながります。

    車両感覚を身につける

    車両感覚とは、自分の車から前後左右への距離感のことです。車両感覚を身につければ周囲との接触事故を避けられるようになり、駐車する時も正しい位置に停められるようになります。たとえば、道路の白線を目安にして自分が運転している車の幅の感覚をつかめば、狭い道でも壁にこすることなく走ることができます。車両感覚を身につけるにはある程度、慣れや経験が必要です。駐車場の白線を利用するなどして、安全な場所で繰り返し練習しましょう。

    駐車する場所に気をつける

    駐車場では他の車と接触することがないように、なるべくスペースが空いている場所に停めるようにしましょう。車幅の広い車の横や、駐車スペースの真ん中に停めずに斜めや端に駐車している車の横は避けたほうが無難です。また、駐車中はサイドミラーを折りたたんでおくと安心でしょう。

    5.あると便利なサイドミラーのアイテム

    サイドミラーが傷ついたり、水滴で曇ったりすると視認性が下がり、十分に確認できなくなってしまいます。ここでは、それらを予防できる便利なアイテムをご紹介します。

    サイドミラープロテクター

    サイドミラーが傷つくのを予防するアイテムです。ぶつかりやすいところに両面テープでガードを貼るタイプのものや、サイドミラー全体にかぶせるカバータイプのものなどがあります。

    撥水・親水コーティング剤

    油膜や汚れをしっかり落とし、コーティング剤を塗ることで、サイドミラーの水滴や曇りの予防が可能です。撥水コーティング剤は付着した水を大粒の玉状にして走行風などで吹き飛ばします。親水コーティングはミラーに水滴が付着しづらくする仕組みです。雨天下の走行時に視認性を保ちたいなら撥水、撥水のポロポロと落ちる水滴が気になるのなら親水コーティングがおすすめです。

    ミラーヒーター

    ミラーヒーターは鏡面を温めて、サイドミラーへの雨や雪の付着、曇りを防ぐ仕組みです。高級車や寒冷地仕様車などではミラーヒーターが装着されていることがあります。

    ブルーミラー

    青く着色されたサイドミラーです。減光させる効果があり、後続車のヘッドライトがあたっても眩しくならないため、夜間も安全に走行可能です。

    6.監修コメント

    ドアミラーで確認できる範囲は、ボディに沿ったラインの後方や斜め後ろと車両に近い真横です。助手席側のフロントフェンダー付近はドアミラーで映せないため、どうしても死角になってしまいます。
    そうした助手席側の死角をカバーしたいのなら、カメラモニタリングシステム(CMS)の装着がおすすめです。CMSのカメラには、ドアミラーの底面に目立たないように取り付けできるものもあります。車高の高いミニバンやSUVなどは補助ミラーの設置が義務付けられていますが、CMSをその代わりとすることもできます。
    ミニバンやSUVのオーナー、小さなお子さんをお持ちの方などは、CMSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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