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車のパンク修理費用はどのくらい?依頼先やタイヤ交換が必要なケースを解説

更新

2024/05/13

公開

2024/05/13

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釘が刺さったり、縁石に乗り上げてしまったりしたことなどが原因で、タイヤがパンクしてしまうことがあります。もしパンクしてしまったとき、どこに修理を依頼するか、また修理費用がどれくらいなのかについてわからない方もいるでしょう。当記事では、パンク修理にかかる費用から、タイヤ交換が必要なケースまで解説します。

目次

    1. パンクの修理方法

    「外面修理」と「内面修理」の2つがある

    パンクしたタイヤを修理するには「外面修理」と「内面修理」の2つの方法があります。外面修理とは、タイヤの外側から修理材を埋め込んで穴を塞ぐ方法です。外面修理はタイヤを取り外すことなく修理ができるので、比較的安価かつ短時間で修理できますが、耐久性は高くありません。

    内面修理とは、外側から修理材で穴を塞いだうえで、さらに内側からその修理材を固定する方法です。タイヤを取り外す工程が含まれることもあるため、外面修理に比べると修理費用や時間がかかりますが、安全性は高いです。

    2. タイヤがパンクしたときの注意点

    タイヤがパンクしてしまった際、避けるべき対応があります。もしやってしまうと、修理では済まなくなるばかりか、事故のリスクが高まることも。タイヤに釘などの異物が刺さった場合、徐々にタイヤの空気圧が減っていくため、すぐにパンクに気付けないこともありますが、気付いた時点で以下の行動は避けるようにしてください。

    釘などの異物を引き抜かない

    パンクの原因として、釘などの異物がタイヤに刺さってしまったからというケースもあります。この場合、無理に異物を引き抜いてはいけません。なぜなら、異物を引き抜くとタイヤの空気が一気に抜け、それ以上走行できなくなってしまうからです。また、タイヤの空気が全て抜けてしまうと、穴の箇所がわかりづらくなり、その後の修理がスムーズにできなくなる可能性も。異物が刺さっているのを発見しても、焦って引き抜かないようにしましょう。

    パンクしたまま走行を続けない

    タイヤがパンクすると、徐々にタイヤの空気圧が下がっていきます。空気圧が十分でないまま走行をすると、本来の性能を発揮できずに、制動距離が長くなる、まっすぐ走れなくなるなどの悪影響が出てきます。さらに走行を続けると、ホイールと地面が擦れて摩擦熱が発生し、発火する危険性も。また、バーストするリスクが高まりますから、空気圧が低下してきたら無理に走行を続けるのは避けましょう。

    3. パンク時の修理場所と特徴

    タイヤがパンクした時、自分で応急修理をするか、業者に依頼するかの2つの対処法があります。なお、もし業者に修理を依頼する場合、パンクしたまま無理に走行するのは危険なので、可能であればレッカー手配をお願いしましょう。

    自分で修理する

    車にスペアタイヤを搭載している場合は、パンクしたタイヤをスペアタイヤに交換します。スペアタイヤではなくパンク修理キットを搭載しているのであれば、パンク修理キットを使って一時的に穴を塞ぐのも一つの方法です。ただし、以下のようなケースではパンク修理キットによる応急修理ができないことがあるため注意しましょう。

    • 道路との接地面以外の場所に傷がある
    • パンク修理キットの有効期限が切れている
    • タイヤの空気がほぼ抜けた状態で走行した
    • ホイールなどに損傷がある など

    なお、自分でタイヤの修理・交換をする場合、路肩で行うことは危険です。一般道であれば駐車場など、高速道路であればサービスエリアやパーキングエリアなどに移動し、そこで作業をするようにしてください。自分で修理をするのが不安な場合や安全な作業環境を確保できない場合には、業者に依頼したり、ロードサービスを呼んだりしましょう。

    ディーラー

    ディーラーにパンク修理をお願いすることも可能です。特に車を購入した店舗や、日頃からメンテナンスを依頼している店舗があれば、そこにパンク修理をお願いするとよいでしょう。車種やメンテナンス状況なども把握してくれているほか、コミュニケーションも取りやすいので、相談や修理作業がスムーズに進むはずです。

    ガソリンスタンド

    ガソリンスタンドにも、パンク修理を依頼することができます。ガソリンスタンドは店舗数が多く近場で見つけやすいので、緊急時には特に助かる存在です。ただし、パンクの状態やタイヤの種類によっては修理を受け付けていないこともあります。

    カー用品店

    カー用品店もパンク修理に対応しています。カー用品店は、ディーラーなどに比べると修理費用が抑えられるのがメリットです。また、修理専用のスペースがある店舗であれば、すぐに対応してくれることも。しかし、外面修理にしか対応していない店舗もあるので、事前に問い合わせしておくと安心です。

    タイヤ専門店

    タイヤ専門店にもパンク修理を依頼することができます。専門店だからこそタイヤの知識や経験も豊富なので、適切な修理方法の提案や、メンテナンスなどのアドバイスをもらえるのが嬉しい点です。また、基本的には外面修理はもちろん、内面修理にも対応していることが多いです。

    4. パンク修理の費用

    自分で修理する場合と、各業者に依頼する場合それぞれの費用の相場をご紹介します。ただし、業者の修理費用は傷の程度やタイヤのサイズ、店舗などによって変動しますので、あくまで参考の一つとしてください。

    自分で修理する場合

    パンク修理キットの価格は、1,000円〜5,000円程度です。ただ、パンク修理キットをすでに搭載している場合は、新たにかかる費用はもちろんありません。

    ディーラーに修理依頼する場合

    ディーラーにパンク修理を依頼する場合、外面修理と内面修理で費用が異なります。手間や時間のかからない外面修理であれば、1本2,000程度。内面修理は1本5,000円程度です。

    ガソリンスタンドに修理依頼する場合

    ガソリンスタンドでは外面修理にしか対応していない場合もあります。ガソリンスタンドでの外面修理の費用は、タイヤ1本1,500円〜3,000円程度を見ておくとよいでしょう。

    カー用品店に修理依頼する場合

    カー用品店もガソリンスタンド同様、外面修理しか受け付けていないケースが多いです。カー用品店で外面修理を依頼する場合の費用は、タイヤ1本1,500円〜3,000円程度です。

    タイヤ専門店に修理依頼する場合

    タイヤ専門店では、ほとんどのお店で外面修理も内面修理も対応してもらえるでしょう。外面修理はタイヤ1本1,500円〜2,000円ほどで、内面修理は2,500円〜5,000円ほどです。

    5. パンク修理にかかる時間

    自分で修理する場合

    自分でタイヤ修理キットを使って修理する場合、すべての作業が完了するまでには30分程度かかります。タイヤ修理キットで穴を塞ぐ作業自体は15分程度ですが、その後きちんと応急修理ができているかを確認するためのテスト走行にも15分程度かかるからです。しかし、作業に慣れていない場合は1時間かかることもあります。

    業社に修理依頼する場合

    業者に依頼する場合、タイヤ1本あたり20分〜30分程度です。ただし、内面修理には、タイヤの取り外しなどの工程も含まれるので、30分〜1時間程度は見ておくとよいでしょう。

    6. タイヤ交換が必要なケース

    パンク修理ができないケース

    タイヤの傷が接地面にあり、傷のサイズが小さいなどの場合には修理ができますが、以下のようなケースでは修理できないこともあるので注意が必要です。

    • 傷が6mm以上など、修理可能サイズを超えている場合
    • タイヤの接地面以外に異物が刺さっている場合
    • 傷と傷が隣接している場合
    • 新たにできた傷が、過去にパンク修理をした場所に近い場合
    • タイヤが劣化し、ひび割れがある場合 など

    基本的にパンク修理ができるのは、傷が道路との接地面にある場合です。側面などにできた傷は修理できないので、タイヤの交換が必要になります。また、傷が3箇所以上、傷と傷の間隔が40cm以内といった場合も、修理できない可能性が高いです。

    スリップサインが出たらタイヤ交換のサイン

    タイヤには、タイヤの摩耗具合を示すスリップサインというものがあります。スリップサインとは、タイヤの溝の底の盛り上がった部分のこと。スリップサインの場所を確認するには、タイヤの側面に4〜9箇所ほど刻まれている「▲」マークが目印。そのマークの延長線上の接地面にスリップサインが設けられています。tire_punk_01.jpg

    摩耗が進み、溝の深さが1.6mmになると、タイヤの接地面とスリップサインが同じ高さになり、スリップサインが現れます。スリップサインが出た車で走行すると、整備不良とみなされ、道路交通法違反になり、「違反点数2点」「反則金9,000円(普通車の場合)」という罰則が科せられます。スリップサインが1つでも出たら、整備不良にあたるので、それ以上走行してはいけません。すみやかにタイヤ交換をしましょう。

    タイヤを1本だけ交換するのは望ましくない

    タイヤを交換しなければならなくなった時、費用面からも「できれば1本だけ交換をしたい」と思う方もいるでしょう。

    しかし、タイヤを1本だけ交換するのは望ましくありません。タイヤを1本だけ交換すると、新しいタイヤとその他3本の古いタイヤでは摩耗や劣化度合いに差が出てしまいます。そのままの状態で走行すると、車のバランスが崩れてしまい、スリップする可能性があるからです。基本的に、その他のタイヤが古い場合は左右のタイヤをセットで交換しましょう。

    その他3本のタイヤも最近交換したなど、摩耗や劣化が進んでいないのであれば、1本だけ交換してもそこまで大きな危険性はないでしょう。その場合も、タイヤの摩耗を均一に近づけるためタイヤローテーションをするとよいです。また4WD車の場合は、1本だけタイヤを交換すると駆動系に大きな負担がかかり、故障の原因になるため、4本まとめて交換する必要があります。

    7. 監修コメント

    パンクの修理をし、正常に走行できるようになっても注意が必要です。
    まず、いつもよりタイヤの状態に気をつけながら走行することが大事です。パンクの原因がひとつではなかったり、他のタイヤも損傷していたりすることが考えられるからです。
    タイヤのパンクについて解説した他の記事でも触れていますが、修理をしたタイヤはできる限り早く交換してください。修理をしたタイヤで200km以上走行しないように注意を促している自動車メーカーやタイヤメーカーもあります。スペアタイヤも緊急用であることを心得ておきましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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