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内輪差とは?事故を未然に防ぐためのポイントを解説

更新

2021/03/10

公開

2021/03/10

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車が右折や左折をする時、前輪と後輪では異なる軌道を描きます。これは自動車教習所などでも教わる「内輪差」と呼ばれるものです。内輪差を把握しない運転は、交差点や駐車場での事故につながります。

ここでは、内輪差の計算方法や原因となる事故例、事故を防ぐためのポイントなどを紹介します。

目次

    1. 内輪差とは

    内輪差とは、車の前輪と後輪が描く軌道の差を指します。車は前輪を操舵する構造上、後輪は前輪の内側を通ります。狭い路地や駐車場で運転する場合、内輪差を意識しなければ、前側は上手くすり抜けたとしても、後側が接触事故を起こしてしまうことになります。

    車の大きさによって変わる内輪差

    内輪差は前輪と後輪が離れているほど大きくなります。また、ハンドルを切るほど内輪差も大きくなる特徴があります。前輪と後輪との距離は「ホイールベース」と呼ばれ、車の特性に大きく影響をおよぼす数値です。

    原則として、ホイールベースが長い車ほど車体が大きな車ということになります。バスやトラックが交差点で大回りするのは、長いホイールベースによる内輪差を考慮した運転をしているためです。

    内輪差の計算方法とは

    正確な内輪差は、数学の三平方の定理を用いて計算することができます。ただし、正確な内輪差を求めたとしてもハンドルを切る幅によって変化するうえ、一部の車に搭載される後輪操舵システムは内輪差を小さくするようにも働きます。したがって、正確な内輪差を求めたとしてもそれを活用できるとは限りません。

    そこで知っておきたいのは、簡単におおよその内輪差の最大値を求められる「内輪差≒ホイールベース×1/3」の計算方法です。

    これに沿って計算すると、ホイールベース3.0mの大型ミニバンのハンドルを目一杯に切った場合の内輪差の最大値はおおよそ1mになることがわかります。ホイールベース2.7mのセダンやコンパクトカーであれば0.9mになり、ホイールベース2.5mの軽自動車なら0.83mです。

    2. 内輪差が原因となる事故の例

    では、実際にどのような状況で内輪差による事故は起こりやすいのでしょうか。

    狭路交差点

    狭路交差点から左折する際には、内輪差によって車の左側にある壁面や縁石、電柱などの障害物との接触事故が起こりがちです。特に一方通行出口のような車1台がやっと通れるほどの狭い路地を左折する場合には大回りできず、そのぶん内輪差も大きくなります。

    施設の出入り

    通りに面した施設から左折して出る際は、施設入り口にある壁面やポールに接触する事故が起こります。施設に進入してくる車への配慮から自車の左側に内輪差のためのスペースを確保しづらいことも原因です。

    駐車スペースからの出入り

    前進して駐車スペースから出る場合は特に内輪差による接触事故が起こりやすい状況です。左右の車との間隔の狭さに加え、前方に車や障害物があると心理的圧迫感から大回りできず、隣の車と接触しがちです。

    巻き込み事故

    内輪差による巻き込み事故は、整備された道幅の広い交差点でも起こることがあります。左折時に後方から直進してくるバイクや自転車を巻き込むケースが特に多く見受けられます。また大型車の場合は、内輪差によって後輪が歩道に乗り上げ信号待ちをしている歩行者を巻き込むケースや、横断歩道を通行する歩行者を巻き込むケースもあります。

    3. 事故を防ぐための運転のポイント

    内輪差による事故を防ぐためにはいくつかのコツがあります。内輪差を意識した運転はもちろん、接触しそうになった際に停止できる危険察知能力も重要です。駐車場や曲がり角で接触事故を起こさないための着目点を解説します。

    ミラーで後輪を確認する

    ドアミラーで後輪とボディ面を確認しながら運転するのが、内輪差による接触事故を防ぐ一番のコツです。接触や脱輪の恐れがある場合は一度後退して再度アプローチしましょう。ドアミラーの位置はやや下向きに調整し、ボディの最端部と後輪が同時に見えるよう調整しておくことも大切です。

    後輪の動きをイメージする

    内輪差によって描かれる後輪の軌道をイメージしながら運転しましょう。また、ハンドルを切るほど内輪差も大きくなることも意識しなくてはなりません。前輪の軌道と後輪の軌道を個々にイメージできれば内輪差が把握しやすくなります。ハンドル操作に対してタイヤがどれだけの角度で切れているかを把握することも大切です。

    ハンドル操作を調整する

    内輪差による接触事故はハンドル操作のスピードに緩急をつけたり、あえて遅らせたりすることで解決できます。例えば直角の曲がり角では、曲がり角の内側の頂点部分と後輪ができるだけ近づくまで遅らせたタイミングで素早くハンドルを切ることで接触を回避できます。S字のような狭いカーブを走行する際も、なるべくカーブの内側の頂点と後輪が近い位置でハンドルを切ります。状況に合わせたハンドル操作で内輪差を克服しましょう。

    4. 内輪差を意識しすぎた運転は要注意

    内輪差を意識するあまりミラーばかりを見ていては、他の注意すべきところへの配慮がおろそかになってしまいます。また、ハンドル操作の調整を過度に意識して大回りを起こしてしまう可能性もあります。

    トラックのように一度反対側にハンドルを切って大回りする方法は最も簡単な対策ですが、公道で乗用車が使用すると無用な進路変更と捉えられ後続車の迷惑になります。また、内側のスペースを空けると自転車やバイクの巻き込み事故も起こりやすくなってしまいます。

    必要以上に内輪差を意識することで別な事故を誘発するようなことのないよう、周囲の状況に応じた運転を心がけてください。

    5. 監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

    内輪差による事故を防ぐためにはミラーを活用した素早い危険察知が大切ですが、日頃から適切な速度で運転すること、なるべく広い道を選んで運転すること、駐車する際にはなるべくスペースが広い場所を選ぶことなど、ほんの少しの配慮によっても十分回避することができます。

    内輪差の感覚がなかなかつかめないドライバーの方もいらっしゃるかもしれませんが、苦手意識を克服するためには、ハンドル操作に対してどれだけ内輪差が発生するかを把握するための反復練習が最も効果的です。家族などに協力してもらい、安全な駐車場などの白線を利用して、感覚のズレと実際の内輪差を確認してみましょう。そうすることで、内輪差の克服だけでなく車の様々な操作が自信をもって行えるようになります。

    なお、練習をする時にはくれぐれも歩行者や周囲の車に注意してください。

    監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所

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