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信号無視による交通事故の過失割合は?反則金額や反則点数についても解説

更新

2021/03/10

公開

2021/03/10

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信号無視が危険な行為であることは言うまでもありません。しかし、2019年の信号無視取締り件数は641,865件にのぼり、その数は毎年取締り件数のトップ5に入っています。

危険であるにもかかわらず、なぜ信号無視は起きるのでしょうか。その理由や反則金、反則点数、信号無視によって事故が起きた際の過失割合などについて解説します。

目次

    1. 信号無視とはどんな行為?

    「交通事故を防止する」「車両の流れをスムーズにする」「交通環境を改善する」といった役割を担う交通信号機。その信号機を無視する行為は、他車の走行を妨害するばかりでなく重大な事故にもつながります。

    まずはあらためて、信号の意味について再確認しましょう。

    赤信号の場合

    車や軽車両は赤信号が点灯している状態では停止線を越えて交差点に進入してはならず、歩行者は道路を横断してはいけません。ただし、赤信号が点灯した状態ですでに交差点内に進入している車両は、他車を妨害しない限り通行することができます。

    黄信号の場合

    黄信号が点灯している間は、車両は交差点に進入してはいけません。ただし、停止線の位置で安全に停止できない場合に限り、交差点への進入が許可されています。

    歩行者信号に黄色は設けられていないため、青色点滅が黄色信号に該当します。歩行者は、青色点滅で道路を横断してはいけません。すでに横断中の場合は、道路の横断を終えるか、引き返さなければなりません。

    つまり、黄信号は「もうすぐ赤信号に変わる合図」や「注意して進め」ではなく、「止まれ」を意味します。

    赤色点滅信号の場合

    交通量の少ない交差点や夜間帯に多く見られる赤色点滅信号では、車両は一時停止をして安全確認をしなければいけません。歩行者は、赤色点滅信号に面した横断歩道を車に注意して横断することができます。

    通常の信号に比べて目にする機会が少ないため、赤色点滅信号の意味を理解していない方も多くいますが、徐行をして進行するのではなく、必ず一時停止が必要です。徐行の義務はありませんが、安全確認ができなければ徐行する必要があります。

    黄色点滅信号の場合

    黄色の点滅信号も交通量の少ない交差点や夜間帯に見られる信号です。車および歩行者は、交差する道路を通行する車に注意しながら進むことができます。徐行の義務はありませんが、見通しの悪い交差点では後続車への注意を払いながら徐行して安全を確保しましょう。

    2. 信号無視はなぜ起きるの?

    信号無視の主な原因としては、「信号の見落とし」「信号の誤認」「タイミング」の3つが挙げられます。

    「信号の見落とし」が起こる要因は、疲労や考え事、同乗者との会話などによる集中力の欠如が大半です。また、朝日や夕日による逆光などで信号の色が確認できない場合や、信号が大型車両の陰に入り確認できないことも原因の一つとなります。

    「信号の誤認」には、黄信号の意味を理解していないことや、赤色点滅と黄色点滅の混同、矢印表示などの変則信号機による順番の誤認などが当てはまります。また信号が連なる道路では、誤って一つ先の信号と勘違いしたり、複雑な交差点で信号を見誤ってしまったりするケースも考えられます。

    「タイミング」には、交差点へ進入するタイミングを誤るようなケースが該当します。急いでいる場合に青信号になるタイミングを見計らって急加速を始めてしまうケースや、赤信号で止まりたくないがために黄色信号で交差点へ進入するケースなどが見られます。

    3. 信号無視による反則金額・反則点数は?

    信号無視は信号の状態で罰則が異なります。反則点数は点滅信号無視、赤信号無視どちらも2点です。普通車の反則金額は点滅信号無視なら7,000円、より危険な赤信号無視では9,000円に引き上げられます。

    4. 反則金の支払い方法

    信号無視をはじめとする軽微な交通違反で検挙されると、交通反則告知書(通称「青切符」)が発行され、反則金を支払うことになります。これは、刑事処分の代わりに反則金を支払うことで裁判手続を省略できる「交通反則通告制度(反則金制度)」によるものです。納付期限が定められているため、検挙された場合は速やかに反則金を支払わなければなりません。

    以下に、交通反則告知書(青切符)が発行された場合の対応方法を解説します。

    交通反則告知書(青切符)受領後の対応

    比較的軽微な違反を犯した場合には、検挙現場にて交通反則告知書が発行されます。その際に渡される納付書を用いて、告知を受けた翌日から7日以内に銀行・信用金庫・郵便局・簡易郵便局で反則金を納付すれば、刑事事件として立件されることはありません。

    反則金を納付できなかった場合

    期限内に反則金を納付できなかった場合は告知時の納付書が使用できなくなるため、新たな納付書を発行してもう必要があります。納付書を再発行してもらうためには、交通反則告知書に記載されている日時に、警察署ではなく各都道府県の交通反則告知センターに出頭しなくてはなりません。再発行された納付書の使用期限は交付翌日から10日です。

    県外での違反や交通反則告知センターに出頭できなかった場合には、違反告知からおおよそ40日後に反則金と送付費用をあわせた納付書が郵送されますので、記載された納付期限内に所定の金融期間で納付します。

    5. 信号無視による交通事故の過失割合は?

    交通事故は様々な要因が絡み合って起こります。したがって、加害者・被害者の過失割合は明確に定めることはできません。しかし、事故パターンによって基本となる過失割合が設けられています。信号無視は危険をともなう重大な過失であるため、それによって事故が起きた場合にはより重い責任を問われます。

    以下、裁判結果や保険金の支払いに影響する「信号無視による基本過失割合」について解説します。なお、以下にご案内する事例は一般的な過失割合です。実際の事故では個々の事故状況を確認のうえ、過失割合を当事者間で協議し決定するため、一般的な過失割合とは異なる結果となることもあります。

    青信号で直進した車と、赤信号を無視して直進した車が衝突した場合、過失割合は青信号直進車「0」:赤信号無視直進車「10」となり、赤信号無視した車に全面的な過失が認められます。

    黄色信号で直進した車と、赤信号を無視して直進した車の場合の基本過失割合は、黄色信号直進車「2」:赤信号無視直進車「8」となります。

    衝突した車がどちらも赤信号無視であった場合は、基本過失割合は「5」:「5」となります。

    通常の右折車と対向直進車の衝突事故の場合、直進車が優先される状況であるため、右折車「8」:直進車「2」の基本過失割合になります。

    6. 監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

    交通の安全は信号によって保たれているといっても過言ではありません。 交通事故を防ぐためには、信号を正しく理解することはもちろん、運転中の心にゆとりを持つことが大切です。歩行者信号の点滅を見て信号が変わるタイミングを察知する余裕や、信号無視をしてくる車がいるかもしれないと常に考えて運転する心の余裕を持つことで、信号無視が絡む事故確率は最小限に抑えることができます。

    また、信号にまつわる事故では加害者と被害者の意見の食い違いが生じがちです。万が一の事故に備え、より広範囲を捉えられるドライブレコーダーを搭載しておけば、過失割合の明確化や意見の食い違いに活かすことができます。

    「自分は事故を起こさない」といったような過剰な自信を持つことなく、信号の役割を今一度しっかりと理解した上で、謙虚で安全な運転を心掛けましょう。

    監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所

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