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正しい洗車方法は?ご自身で手洗いする方法や必要な道具、成功のコツを解説

更新

2022/10/05

公開

2022/10/05

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ホコリや砂でボディが汚れていても、車を走らせるのに問題はないでしょう。しかし、洗車はカーメンテナンスの1つとされ、車にとって重要です。洗車には見た目を美しく保てる以外にも、車の劣化を防ぐという役割があります。

車を洗うことにメンテナンスの役割があるとなると、気になるのは正しい方法でしょう。

本記事では、車を洗車するときの正しい方法や洗車の種類、頻度などについてわかりやすく解説します。

目次

    1.なぜ洗車は必要なの?

    車は運転しているときも停車しているときも、周囲の環境から影響を受けます。

    運転中であれば鳥のフンや虫、雨でボディが汚れることもあるでしょう。ボディに付着した汚れのなかでも、例えば雨などの水滴は排気ガスに含まれる油分と結びつき、水垢としてこびりつく恐れがあります。また鳥のフンは酸性であるため、放っておくと塗装を傷めることになりかねません。

    運転していないときも、車は紫外線、砂やホコリなどにさらされます。紫外線を浴び続けると塗装面は劣化してしまいます。

    周囲の環境から愛車を守るためには、こまめに洗車することが大切です。また、洗車をすると、今まで気づけなかった愛車の傷や不具合を見つけられる可能性もあります。このように、車の問題を早期に発見できることも、洗車が重要である理由の1つです。

    また、フロントガラスが汚れたまま運転すると、最悪の場合、事故を起こしてしまうリスクが高まります。

    2.どのくらいの頻度で洗車するべき?

    見た目の美しさだけではなく、メンテナンスやリスク回避にもつながるとなれば、洗車に力を入れたいと考える方も多いかもしれません。そこで、適切な洗車の頻度やタイミングについて紹介します。

    洗車の目安は1ヶ月に1回

    最近の車はコーティングが施されており、それほど頻繁な洗車は必要ないといわれます。むしろ毎日のように洗車するとコーティングが傷つき、かえって塗装の劣化を招く恐れがあります。

    そこで目安とされるのが月1回の洗車です。ただし、これはあくまで目安であり、車の保管状況などによっておすすめの頻度は異なります。

    紫外線や砂、ホコリなどから遮断されるガレージであれば月1回で良いですが、雨は防げても紫外線は避けられないカーポートでは、もう少し洗車の頻度を高めることをおすすめします。屋外駐車場は天気や外気の影響をダイレクトに受けるため、1~2週間ごとの洗車が良いでしょう。

    ボディカラーも洗車の頻度に影響

    ボディカラーも洗車の頻度に影響します。

    黒などの濃いカラーの車は、ホコリや小傷、雨などの水跡が目立ちやすいため、洗車の頻度は高めにしましょう。逆に、白やシルバーなど明るいカラーの車は汚れが目立ちにくいため、月1回程度の洗車でも汚れが気になりません。

    ただし、汚れの目立ちやすさだけで、洗車の頻度を決めるのは避けましょう。例えば水垢は濃いカラーの車では目立ちにくいものの、放っておくと塗装面にダメージを与えます。気になる汚れはなくても、定期的に洗車することが大切です。

    すぐに洗車すべきタイミング

    車に付着した汚れの種類によっては、すぐに洗車しておいたほうが良い場合もあります。

    特に注意すべきなのは、鳥のフンや虫の死骸です。いずれも酸やたんぱく質の影響からボディを傷める恐れがあります。

    また、海の近くをドライブすると、塩分が付着してボディの隙間や小傷からサビを発生させることも考えられます。雨天に車を走らせるときに避けられない泥にも、塩分が含まれています。泥は固まるとはがれにくくなり、洗車時に傷を作る原因にもなります。

    雪の多い地方では、融雪剤の付着にも気を付けましょう。成分の塩化ナトリウムが塗装にダメージを与えます。

    3.洗車の種類と特徴

    洗車方法は、手洗い洗車、ガソリンスタンドなどにあるコイン洗車機による洗車、洗車専門店でのプロによる洗車と、大きく3種類に分かれます。ここでは、それぞれの洗車方法の特徴をみていきましょう。

    ガソリンスタンドのセルフ洗車機

    多くのガソリンスタンドに併設されているのが、セルフ洗車機(門型洗車機)です。洗車メニューを選んで精算機に料金を投入すれば、洗車機が全自動で車を洗ってくれます。ガソリンスタンドのセルフ洗車機はほとんどがドライブスルータイプとなっており、メニューの選択も洗車も車に乗ったままで行えます。

    セルフ洗車機は、水洗いやシャンプー洗い、撥水加工、コーティング加工など、多彩なメニューが揃っています。車の底面を強い水流で洗浄するセルフ洗車機もあり、海岸沿いなどを定期的に運転される方など、塩害が気になる方に適しています。

    洗車後は拭き取りスペースに車を移動させて、ボディに残った水滴を拭き取りましょう。

    ガソリンスタンドのセルフ洗車機の特徴

    ガソリンスタンドのセルフ洗車機を使えば、早ければ5分程度という短時間でサッと車を洗えます。料金も数百円とリーズナブルなため、今ある汚れを効率良く落としたいときにおすすめです。

    セルフ洗車機のデメリットは、ブラシをたたきつけるようにして汚れを落とす点です。近年はブラシの改良が進んでいるものの、手作業とは違い小傷などがつきやすいです。また、あらかじめ決められた動作のみなので、洗浄したい部位の調整はできません。

    洗車後は風圧でボディから水滴を飛ばす工程がありますが、すべての水滴までは取り切れません。そのため、専用スペースに移動して水滴を拭き取る作業が必要です。この際、ガソリンスタンドによっては、拭き取り用のタオルをご自身で用意しなくてはならないこともあるので注意しましょう。

    洗車場についてより詳しく知りたい方は下記の記事でも紹介しております。ぜひ併せてご覧ください。

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    コイン洗車場はどんな場所?持っていくものや正しい使い方を徹底解説!

    洗車専門店

    洗車専門店とは、洗車のノウハウと専用の道具を備えたプロが手洗いしてくれる専門店のことです。車の状態に合わせて洗車してくれるため、コーティング直後でも安心して任せられます。

    ほとんどの専門店が予約不要としていますが、事前予約しておけば当日の混み具合や待ち時間がわかるので予定を立てやすいでしょう。

    洗車専門店の特徴

    手洗いするスタッフの技術もさることながら、洗車専門店の手洗いと一般的な手洗いの大きな違いは道具にあります。

    長い毛足のやわらかなモップ、きめ細やかな泡、コーティングをはがさない拭き取りクロスなど、洗車に適したプロの道具が使われます。さらに、汚れの洗い流しや泡のすすぎなどに使う水も、水跡や水垢のつきにくい純水を利用するため、透明感ある仕上がりを実現します。

    シンプルな洗車コースでも20~30分前後、2,000~4,000円ほどかかりますが、プロの道具や特別な水を使用するため、透明感のある仕上がりが実現します。

    また、洗車専門店のプロが自宅や勤務先、月極駐車場などまで洗車をしに来てくれる「出張洗車」もあります。セゾン自動車火災保険では、出張洗車の優待情報を提供しているためご利用ください。

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    手洗い洗車

    手洗い洗車は人の手で車を洗うことです。目で確認しながら手作業で洗えるため、細部にわたって丁寧に洗車できます。手洗い洗車はご自身でできるのはもちろん、ガソリンスタンドや洗車専門店などでプロにオーダーすることも可能です。

    手洗い洗車の特徴

    自身で洗車するケースの手洗い洗車は、ボディの部位やパーツに合わせて力加減や道具を変えられるため、細やかで丁寧に作業できます。ご自身の目で確認しながら洗車できるため、砂やホコリといった見落としがちな汚れにも気づきやすく、洗車によるすり傷が生じにくいのも特徴です。

    洗い残しが少なく美しく仕上がりやすい手洗い洗車ですが、その分、時間と労力がかかるというデメリットがあります。また、洗車に必要な道具をそろえる初期費用も必要です。
    手洗い洗車をするには、じゅうぶんなスペースや水道設備など、洗車に適した環境が必要です。自宅が無理であれば、セルフスタイルの洗車施設「コイン洗車場」も候補の1つとして検討するとよいでしょう。

    4.手洗い洗車に必要な道具

    大切な愛車であれば、一度手洗い洗車にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ご自身で手洗いする場合は、まず必要な道具をそろえましょう。最低限そろえておきたい洗車アイテムは次の6点で、カー用品ショップで数多く販売されています。

    水道(ホース) 各パーツに水が届く余裕のある長さのホース
    バケツ(10Lほど) 洗車道具の収納に使えるタイプならさらに便利
    カーシャンプー 基本は中性洗剤なので食器用洗剤で代用も可能
    スポンジ ボディ用とホイール用で2個用意
    拭き取りクロス ボディ用とホイール用で2枚用意

    このほか、車高が高い場合には脚立や踏み台を用意しておきましょう。また、自宅ではなくコイン洗車場などを利用する場合には、水道設備が整っていることが多いため、水道(ホース)の準備は不要です。

    こうした道具は価格差が大きく、1からそろえると高額になることもあります。最初は100円ショップの商品を活用するなど、手頃な価格から始めるのも良いでしょう。

    スポンジと拭き取りクロスは2つずつ準備

    スポンジと拭き取りクロスは、2つずつ準備します。その理由はボディとホイールとでは汚れの質が違うためです。

    砂やホコリなどの汚れが多いボディに対し、ホイールは乾いた泥やブレーキダスト(鉄粉)が汚れの中心です。ホイールと同じスポンジやクロスをボディに使うということは、ブレーキダストをボディに塗り広げるようなもので、摩擦による傷を生じる恐れもあります。

    また、塗装やコーティングの施されたボディは、きめ細やかな泡で汚れだけをやさしく落とすことが大切です。そのためにも目が粗くて泡立ちが良く、またゴシゴシとこすり洗いしなくて良いように大きめサイズを選ぶのがおすすめです。

    カーシャンプーのボディカラー指定に注意

    カーシャンプーには、車のボディカラーを指定している商品とオールカラー対応商品があります。ボディカラーを指定しているカーシャンプーを選ぶときには、成分に配合されるコンパウンド(研磨剤)の量が異なるので気を付けてください。

    一般的に、汚れの目立ちやすい白やシルバー系であればコンパウンドの配合量は多く、黒など濃いカラーであれば少なくなっています。コンパウンドは配合量が多いほど汚れを落としやすい一方、塗装を傷めやすいデメリットもあるため、カーシャンプーのカラー指定は守りましょう。

    最近はコーティング剤配合など多機能なカーシャンプーが増えていますが、慣れないうちは塗装にやさしい中性シャンプーを選んでおくと安心です。

    5.手洗い洗車の手順

    道具をそろえたらさっそく手洗い洗車にチャレンジしてみましょう。洗車は正しい手順で行えば意外と簡単に終わります。ここでは、ご自身で手洗い洗車するときの基本的な手順を紹介します。

    手順①水で汚れを流す

    汚れのないように見えるボディにも小さな砂やホコリが付いており、そのまま洗うと洗い傷の原因になります。そこで最初に水で落とせる汚れをしっかり洗い流しょう。洗車は「上から下へ」が基本です。水流や水圧を活かしながら、ルーフトップからホイールに向けて汚れを落とします。

    花粉や黄砂、鳥のフンや虫の死骸、排ガスに含まれる油分など、水では落ちにくいものも多く含まれますが、この段階でできる限りの汚れを落としておくことが、手洗い洗車を美しく仕上げるポイントです。

    手順②ボディを洗う

    ボディを洗うカーシャンプーはたっぷり泡立てましょう。バケツにカーシャンプーを入れて、強い水圧をかけると泡を作れます。

    ボディ用スポンジに泡をたっぷりつけたら、一定方向にスポンジを動かします。しつこい汚れがある場合には、汚れたスポンジを1度洗い、泡を付け直して再度洗います。

    手順③タイヤホイールを洗う

    ボディの次は「上から下へ」の基本に従い、タイヤホイールを洗います。タイヤホイールは車のなかでも特に汚れやすく、汚れが落ちにくい部位です。ボディより形状も複雑で洗いにくいため、ホイール用スポンジのほか、ホイール用ブラシや歯ブラシなどがあれば便利です。

    タイヤの汚れがひどい場合には、せっかく洗ったボディにタイヤの汚れが飛び散る可能性があります。その際は、先にタイヤを洗い、カーシャンプーを流してからボディを洗うのと手際良く洗えます。

    手順④カーシャンプーを水で流す

    車全体を洗ったあとは、カーシャンプーの泡を水で流します。このときも上から下へ流しましょう。

    この際、ドアやサイドミラーの隙間、ホイールハウスなど、隅々までしっかり洗い流さなければ洗浄成分が残り、塗装の色ムラやシミ、汚れの原因になります。目に見える泡だけではなく、細部まで念入りに洗い流すことが重要です。

    手順⑤クロスで拭き取る

    カーシャンプーを洗い流したら、ボディやタイヤホイールに残る水滴をクロスでしっかり拭き取ってください。水滴が乾く前にスピーディに行うことがポイントです。

    拭き取り用クロスはすり傷防止のため、あらかじめ濡らしておきます。また、拭き取りも一定方向で、力を加えず表面をサッと拭き取ります。

    6.手洗い洗車を上手に行うコツ

    愛車を美しく洗いあげたい、満足いく仕上がりにしたいとお考えの方は、さらに上手に手洗い洗車を行うコツを押さえましょう。

    汚れ落としは2回行う

    洗車で注意したいのが、スポンジなどによるすり傷を作ることです。スポンジを使う前に水でどれだけ汚れを落としきっているかが、こうしたすり傷を防ぐカギを握ります。

    砂やホコリなど比較的流しやすい汚れも、落としたつもりが水はねなどで別の場所に付着することがあります。また、サイドミラーやタイヤホイールなど、車には水はねが起こりやすい部位は多く、丁寧に流しても汚れが飛び散るのを避けるのは困難でしょう。

    そこで、車体の洗い流しは念のため2回行うのがおすすめです。1回目に飛び散った汚れが落ちて、洗車傷を避けるのに役立ちます。

    洗車は日差しの強くない曇りの日がおすすめ

    洗車の仕上がりには、実は天気も影響します。

    良く晴れた日差しの強い日はボディの温度が上昇し、水やカーシャンプーがすぐに乾燥するため、シミや色ムラが起こりやすくなります。この状態でワックスやコーティング剤を塗ると、傷になることもあります。

    晴れた日と同様に、風の強い日も注意です。せっかく汚れを洗い流しても、風が新しい砂や汚れを運んできます。その結果、思わぬすり傷を生じてしまう恐れがあります。

    そこでおすすめなのが、風が弱く、日差しが強くない曇りの日です。ただし、夏は曇りの日でも車体が熱い可能性があります。午前中や夕方以降のできるだけ気温の低い時間を選ぶ、水をしっかりかけてボディ温度を下げるなどして対処しましょう。

    7.洗車はタイミング良く!汚れを放置せず車を長持ちさせよう

    洗車は、ただ汚れを落とすだけではなく、車の状態をご自身で把握する大切な機会にもなります。定期的に取り入れるほか、気になる汚れがあるときにはすぐ対応できるように、正しい方法や必要な道具をそろえておくと安心です。

    いざというときには洗車専門店のプロの手を借りるのも良いでしょう。洗車専門店には出張サービスを行うところもあります。セゾン自動車火災保険では、カーライフサービスの一環として、誰でも利用できる出張洗車の情報を提供していますのでご利用ください。

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    木下 隆之
    監修
    木下 隆之(きのした たかゆき)

    プロフィール:
    明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務。独立後、プロレーシングドライバーとして活躍。全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。雑誌にも11本の「連載エッセイ」に執筆。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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