クルマ

ハザードランプの正しい使い方は?気を付けたいポイントやサンキューハザードについても紹介

更新

2023/01/11

公開

2023/01/11

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

駐停車する時や、渋滞があることを知らせる時などに使用する「ハザードランプ」。正式名称を「非常点滅表示灯」といい、周囲に危険を知らせる目的で用いられます。

しかし、ハザードランプは本来の目的以外にも、ドライバー間での挨拶として使われることもあります。このように、ハザードランプはさまざまな場面で使用されるため、「いつ使うべきなのかわからない...」という方もいるでしょう。

そこで今回は、ハザードランプを使うシーンや、正しい使用法、注意点などを解説。ドライバー同士で例外的に使用する「サンキューハザード」の説明や、違反にならないのかについてもお伝えしていきます。

目次

    1.ハザードランプとは?

    ハザードランプの役割とは?

    ハザードランプは、正式名称を「非常点滅表示灯」といいます。ハザード(hazard)とは「危険」や「危険因子」などを意味する英語で、主に周囲に危険を知らせる目的で使われます。例えば、レッカー車にけん引される時や渋滞がある時など。そのほか、夜間、道路幅が5.5m以上の道路に駐停車する時は、道路交通法で使用が義務付けられています。

    ハザードランプは車のどの位置にある?

    ハザードランプは、ウインカーランプと同じ位置で点滅するランプで、車種によりますが、フロント・サイド・リアに左右2箇所ずつ備わっています。ただし、ウインカーの場合、ウインカーを右に出したら右のランプのみが点滅しますが、ハザードランプを作動させた場合は、全てのランプが点滅するため動作が異なります。

    ウインカーとの違いとは?

    点滅するランプが同じですので、ウインカーとの違いが分からない方もいるでしょう。しかしウインカーとハザードランプは、役割がまったく異なります。ハザードランプは先述した通り、「非常点滅表示灯」で、危険を知らせるためのものです。

    一方、ウインカーの正式名称は「方向指示器」です。つまり、車線変更や進路変更、右折・左折など、「自分がどの方向に行くのか」を周囲の車に知らせるためのもの。両者とも意思表示として使われる点では同じですが、意味合いが異なることを覚えておきましょう。

    ハザードランプの作動の仕方は?

    ハザードランプを作動させるには、「赤い三角のマーク」のスイッチを押します。すると、フロント、サイド、リアのそれぞれ左右に備わっているランプが全て点滅します。また、ハザードランプを作動させると、ウインカーの作動を知らせるインジケーターランプが左右ともに点滅します。ハザードランプは、一度スイッチを押すと自動で消灯することなく点滅を続けますので、切る時にはもう一度スイッチを押しましょう。

    なお、ハザードランプのスイッチの位置は車によって異なりますが、運転席と助手席の間、つまりインストルメントパネルの中央あたりに設置されていることが多いです。

    スイッチの位置は特に定められておらず、右下に設置されていたり、左下に設置されていたりする場合もあります。車種によって位置が異なるため、非常時に焦らず操作できるよう、運転前にはスイッチの位置を確認しておくようにしましょう。

    2.ハザードランプを使うのはどんな時?

    法令で義務付けられている使用シーンは2つ

    夜間、道路幅が5.5m以上の道路に駐停車する時

    道路交通法施行令の第十八条二項によると、「夜間、道路の幅が5.5m以上の道路に停・駐車している時は、ハザードランプもしくはテールランプをつけなければならない」とされています。

    通学・通園バスが子どもの乗降のために停車する時

    第二十六条の三の二項によると、「幼児や小学生が乗降する際に停車している時は、ハザードランプをつけなければならない」とされています。しかしこちらは、通学・通園バスが対象で、一般乗用車のドライバーには当てはまりませんので、一つの知識として覚えておきましょう。

    そのほかのハザードランプの使用シーンとは?

    高速道路で車が故障したために停車する時

    高速道路を走っていて、故障などで停車しなければならなくなった際、ハザードランプを点滅させます。

    レッカー車でけん引される時

    故障などによりレッカー車でけん引される車は、ハザードランプを点滅させます。これも、後続の車に危険を知らせる目的で用いられます。

    駐車場で駐車する時

    ショッピングモールや商業施設、サービスエリアなどで駐車する時、他の車に「今から駐車します」という意思表示としてハザードランプを点滅させます。車をバックさせる時に使用することから、「リバースハザード」と呼ばれています。

    高速道路などで渋滞があることを知らせる時

    高速道路の渋滞や事故、工事の影響などで停車する時、後続車からの追突を防止するためにハザードランプを点滅させます。

    霧や雪などで視界が悪い時

    濃い霧や吹雪などで見通しが悪い場合、後続車からの追突を防止するために、ハザードランプを点滅させながら走行することもあります。

    緊急地震速報が発表された時

    最大震度5弱以上の地震が予想される際に発表される緊急地震速報。もし走行中に緊急地震速報が発表された場合にも、ハザードランプを作動させるよう気象庁が推奨しています。前方でハザードランプを点滅させている車を発見したら、急ブレーキはかけずに緩やかに速度を落とし、道路の左側に停車するようにします。

    他のドライバーに感謝の気持ちを示す時

    車線変更や合流の際、進路を譲ってくれた車に対して「ありがとう」の気持ちを伝えるために、ハザードランプを2〜3回点滅させます。これは、「サンキューハザード」と呼ばれています。

    3.サンキューハザードはしてはいけないって本当?

    サンキューハザードは違反になるの?

    他のドライバーに感謝の気持ちを伝える「サンキューハザード」は、ドライバー同士のコミュニケーションとして自然に発生した使い方とされています。先述した通り、本来ハザードランプは「非常点滅表示灯」として危険を知らせる目的で使われるもの。そのため、サンキューハザードは本来の使い方ではありません。ですが、ここまで広く浸透しているため取り締まられる可能性は低いといえるでしょう。

    とはいえ、場合によっては誤解を招いたり、交差点などでは危険につながったりする可能性もあります。こうした場面ではサンキューハザードではなく、手や会釈などで感謝の気持ちを伝えるなど、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

    4.ハザードランプを使う時の注意点とは?

    手動のため、消し忘れしやすい

    ハザードランプの作動の仕方の項でも説明しましたが、ハザードランプは手動でオン・オフを切り替えます。また、ハザードランプは非常用の装置であるため、エンジンを切っても作動を続けます。そのため、ハザードランプは消し忘れやすい装置なのです。

    ハザードランプを消し忘れてしまった場合、バッテリーが上がってしまう可能性もあるので、消し忘れていないかを必ず確認するようにしましょう。

    ウインカーと混同されないように使用する

    ハザードランプを作動させると、ウインカーを出したとしても左右のランプが変わらずに点滅を続けてしまいます。すると、車線変更などの際に、どこに向かうのかが周りの車からわからず、混乱を招いてしまいます。事故にもつながりかねないため、ウインカーの動作と混同されるようなシーンでの使用は控えるようにしましょう。

    レンタカー利用等の際には、スイッチの場所を把握しておく

    先述した通り、ハザードランプのスイッチの場所は特に定められておらず、車種によって設置場所がばらばらです。緊急時にスムーズに操作できるように、レンタカーや知人の車などに乗車する際は、事前にスイッチの場所を確認しておくようにしましょう。

    5.監修コメント

    ハザードランプは周囲に危険を知らせるためにある装置なので、作動させると点滅していることが広範囲に伝わる場合があります。深夜の住宅街などで駐停車しなければならない時は、ハザードランプを使用せずに済む場所を選ぶようにしましょう。
    また、ハザードランプの作動状況は車内から見えません。LEDの明るすぎるウインカーバルブを使用していると、周囲に迷惑をかけてしまうことがあります。球切れになっていても気付きにくいです。定期的に、点滅させた状態を車外から確認するようにしましょう。

    おとなの自動車保険はこちら

    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る