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普通自動車免許とは?取得方法や費用、取得に関する注意点を解説

更新

2023/01/25

公開

2023/01/25

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自動車免許を取ることで車の運転をできるようになりますが、車の免許には多くの種類があります。

私たちが「免許」というときには、「普通自動車免許」のことを指すことが多いですが、普通自動車免許を持っているとどのような車を運転できるのでしょうか。また、免許をとるにあたっての費用や注意点なども気になるところです。

本記事では、免許の種類や普通自動車免許で運転できる車、普通自動車免許の取得方法や費用などについて解説します。

目次

    1.免許の種類|普通自動車免許とはどれを指す?

    免許には非常に多くの種類がありますが、大きくは以下の2つに分類されます。

    • 第一種運転免許
    • 第二種運転免許

    それぞれの免許の種類について、詳しく説明します。

    第一種運転免許とは?

    第一種運転免許は、日本国内の公道で自動車や自動二輪車を運転するために必要な免許で、以下の10種類に分類されます。

    カッコ内は法に定める略称

    • 大型自動車免許(大型免許)
    • 中型自動車免許(中型免許)
    • 準中型自動車免許(準中型免許)
    • 普通自動車免許(普通免許)
    • 大型特殊自動車免許(大型特殊免許)
    • 大型自動二輪車免許(大型二輪免許)
    • 普通自動二輪車免許(普通二輪免許)
    • 小型特殊自動車免許(小型特殊免許)
    • 原動機付自転車免許(原付免許)
    • 牽引免許

    通称「普通免許」のことを、正式には「普通自動車免許」と呼びます。詳しくは後述しますが、取得する免許の種類によって運転できる車の種類は変わります。

    第二種運転免許とは?

    第二種運転免許は、タクシーやバスなどの旅客自動車を営利目的で旅客運送するために運転する際に必要とされる免許で、以下の5種類に分類されます。

    • 大型自動車第二種免許(大型第二種免許)
    • 中型自動車第二種免許(中型第二種免許)
    • 普通自動社第二種免許(普通第二種免許)
    • 大型特殊自動車第二種免許(大型特殊第二種免許)
    • 牽引第二種免許

    第二種免許を取得するためには、第一種免許の取得期間(運転経歴)が通算3年以上なければなりません。

    つまり第二種免許は最速でも21歳以上にならないと取得できないのですが、令和4年5月13日より、19歳以上で普通免許などを受けていた期間が通算1年以上あれば、特別な教習を修了することによって、第二種免許、大型免許、中型免許の運転免許試験を受けることができるようになりました。

    なお、第一種免許を飛ばしていきなり第二種免許から取得することはできないので、注意が必要です。

    履歴書に記載するときの正式名称

    普通自動車免許は履歴書の資格欄に記載することができる資格ですが、取得している免許の種類によって、記載時の正式名称は異なります。例えば、第一種運転免許のときはそのままに、第二種運転免許を資格欄に記載する場合は、第二種を加えて書くと良いです。

    • 第一種運転免許:「普通自動車第一種免許」もしくは「普通自動車第一種免許(AT限定)」
    • 第二種運転免許:「普通自動車第二種免許」もしくは「普通自動車第二種免許(AT限定)」

    普段の会話の中などで一般的に用いている名称とは異なるので正式名称を知らない方も多いかもしれませんが、履歴書のような書類に記載する場合は正式名称で記載することを心がけましょう。

    2.普通自動車免許で運転できる車

    普通自動車免許で運転できる車の種類は、「普通自動車」「小型特殊自動車」「原動機付自転車」の3種類です。

    普通自動車 車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満、定員10名以下
    小型特殊自動車 全長4.7メートル以下、車幅1.7メートル以下、車高2.8メートル以下、最高時速15キロメートル以下(農業用は最高時速35キロメートル未満)
    原動機付自転車 総排気量50cc以下

    免許制度は、平成19年と平成29年に改正されています。そのため、普通自動車免許で運転できる自動車の種類は、免許を取得した時期によって異なる点にも注意が必要です。これから普通自動車免許を取得しようとお考えの方は、上述した車種が運転できると考えておいて問題ありません。

    3.普通自動車免許の取得方法と流れ

    普通自動車免許を取得する方法は、教習所に通う方法と一発試験を受ける方法の2つに分けられます。

    一発試験とは、公認自動車教習所に通わずに、直接運転免許試験場で自動車運転免許試験を受けることを指します。

    それぞれのケースでの普通自動車免許の取得方法と流れについて、詳しく説明します。

    教習所に通う

    普通自動車免許を取得する際の最も一般的な方法が、教習所に通うことです。教習所には、都道府県公安委員会が指定した教習所「指定自動車教習所」と、都道府県公安委員会に届け出をした教習所「届出自動車教習所」の2つがあります。

    指定自動車教習所は、一日に受けられる技能教習に制限があるなどのデメリットもありますが、卒業すると技能検定が免除されるというメリットもあります。そのため、本試験では適性検査と学科試験に合格すれば、免許の取得が可能です。

    届出自動車教習所は、卒業しても技能検定が免除されないため、本試験では適性検査・学科試験・技能検定のすべてに合格する必要があります。しかし、一日に受けられる技能教習に制限がないなどのメリットがあります。

    教習所で普通自動車免許を取得するまでの流れ

    指定自動車教習所で普通自動車免許を取得するまでの流れは、主に以下のとおりです。

    1. 運転適性検査を受ける
    2. 学科教習(第1段階)、技能教習(第1段階)を受ける
    3. 仮免許試験(学科・技能)に合格して仮免許を交付してもらう
    4. 学科教習(第2段階)、技能教習(第2段階)を受ける
    5. 卒業検定を受けて卒業証明書を交付してもらう
    6. 本免許取得試験(適性検査・学科)を受ける
    7. 合格すると普通自動車免許が発行される

    ただし、教習所によって流れが異なる場合もあるので事前によく確認しましょう。

    一発試験を受ける

    教習所に通わずに、一発試験で免許を取得する方法もあります。先ほど少し触れたように、一発試験を受ける場合、運転免許試験場で適性検査・学科試験・技能試験を受けなければなりません。

    一発試験の場合、最短7日で免許を取得することが可能で、それは大きなメリットではあります。ただし、その分合格へのハードルも高く、教習所に通って免許を取得した人と比べると、一発試験で免許を取得した人の数は非常に少ないのが現状です。

    一発試験で普通自動車免許を取得するまでの流れ

    一発試験で普通自動車免許を取得するまでの流れは、主に以下のとおりです。

    1. 運転適性検査を受ける
    2. 仮免許試験(学科・技能)に合格して仮免許を交付してもらう
    3. 路上練習を5回(5日間)受ける
    4. 本免許取得試験(適性検査・学科・技能)を受ける
    5. 取得時講習および応急救護講習を受ける
    6. 普通自動車免許が発行される

    5回の路上練習で計5日、仮免許試験と本免許取得試験でそれぞれ1日ずつかかるので、すべてストレートでクリアすれば、最短7日で免許を取得することができます。

    路上練習は1日に何時間練習しようと、1回としかカウントされません。したがって路上練習は5日間必要になります。

    4.普通自動車免許の取得費用

    普通自動車免許の取得費用は、教習所に通う場合と一発試験を受ける場合で異なります。

    教習所に通う場合

    取得費用
    教習所代 各教習所によって異なる
    学科試験(教習所卒業者) 試験手数料:1,750円 交付手数料:2,050円

    一発試験を受ける場合

    取得費用
    仮免許試験 受験料:2,900円 試験車使用料:1,450円 仮免許証交付手数料:1,150円
    本試験 受験料:2,550円 試験車使用料:800円 免許証交付手数料:2,050円
    本試験合格後 普通車講習料:11,200円 応急救護処置講習料:4,200円

    それぞれの場合の費用について、詳しくみていきましょう。

    教習所に通う場合

    教習所代は教習所によって異なるため、一概には言えません。教習所によっては、学生は料金が多少割引になることもあります。なお、試験に落ちたり最短時限数を超えて技能教習を受けたりする場合は、基本料金とは別途で費用が発生します。あらかじめオプションに加入しておくことで、そういった追加費用の発生を防げる場合もあるので、不安な場合はオプション加入も検討しておくと良いでしょう。

    本免許取得のための運転免許試験場では、試験手数料1,750円と交付手数料2,050円を支払う必要があります。

    一発試験を受ける場合

    一発試験の場合の費用は、以下のとおりです。

    • 仮免許試験:受験料2,900円、試験車使用料1,450円、仮免許証交付手数料1,150円
    • 本試験:受験料2,550円、試験車使用料800円、免許証交付手数料2,050円
    • 本試験合格後:普通車講習料11,200円、応急救護処置講習料4,200円

    上掲した費用を合計した計26,300円で、普通自動車免許を取得可能です。教習所に通う場合よりも費用を抑えられますが、合格率がかなり低いことは念頭に置いておかなければなりません。

    5.普通自動車免許の取得に関する注意点

    普通自動車免許の取得に関する注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。

    • 免許取得可能年齢は18歳から
    • 教習所の技能検定に落ちると再検定料がかかる場合がある
    • 教習期限が設けられている

    それぞれの注意点について、詳しく説明します。

    免許取得可能年齢は18歳から

    普通自動車免許を取得できるのは、18歳になってからです。教習所によっては17歳時点で入所することはできますが、仮免許が発行される修了検定時には18歳の誕生日を迎えている必要があります。そのため、18歳になる誕生日の2ヶ月前からなどの入校しか認めていない場合もあるので注意しましょう。

    教習所の技能検定に落ちると再検定料がかかる場合がある

    技能検定をすべて1回目でクリアできる方もいれば、何回か受けてようやく合格できる方もいます。教習所によっては、技能検定に落ちて再検定を受ける場合、別途費用が発生する場合もあります。そのため、何度も技能検定を受けると、想定していたよりも多くの費用がかかることもありえます。

    先ほども少し触れましたが、オプションに加入することで再検定料を無くすことができる場合もあるので、不安な場合は加入を検討しましょう。

    教習期限が設けられている

    教習所に通える期間には、「最初の教習を受けた日から9ヶ月間」という期限が設けられています。また、仮免許学科試験の有効期限や仮免許証の有効期限、卒業検定の有効期限も設けられています。

    スケジュールを把握しておかないと、期限切れになることもあるので要注意です。

    6.普通自動車免許取得の流れや注意点をきちんと把握しておきましょう

    普通自動車免許を取得することで、普通自動車や小型特殊自動車、原動機付自転車を運転できるようになります。普通自動車免許を取得するためには、教習所に通う方法と一発試験に合格する方法がありますが、前者の方法のほうが一般的であり、後者の方法での合格者数は非常に少ないのが現状です。

    教習所の技能検定に落ちると再検定料がかかる場合があるほか、教習期限も設けられているので、ご自身なりにスケジュールを組んで計画的に進めることを心がけましょう。

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    菰田 潔
    監修
    菰田 潔(こもだ きよし)

    1950年 神奈川県川崎市生まれ
    自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。
    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜)、ニュルブルクリンクを走るための練習会(袖ヶ浦FRW、女神湖)を主宰、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、JAF交通安全・環境委員会 委員、高速道路調査会 フェロー、一般社団法人 全国道路標識・標示業協会 理事、BMW Driving Experience チーフインストラクター、BOSCH認定CDRアナリスト。

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