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ディーラーとは?サブディーラー(販売店)との違いやメリットとデメリットを解説

更新

2022/11/02

公開

2022/11/02

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車を購入しようとしたとき、多くの方はディーラーまたはサブディーラー(販売店)に足を運ぶでしょう。

ディーラーとは具体的にどのような店舗を指す言葉なのでしょうか。本記事では、自動車のディーラーの定義やサブディーラーとの違いに加え、近年盛んになりつつあるオンライン購入の注意点などを解説します。

目次

    1.ディーラーの定義

    ディーラーとは、販売業者やメーカー特約販売店を意味する言葉で、自動車業界ではメーカーやメーカー系の販売会社と特約店契約を結んだ店舗のことを指します。そのため、自動車のディーラーでは特定のメーカーやブランドの車のみを取り扱っています。

    トヨタ自動車の車を販売する「トヨペット」「トヨタカローラ」「ネッツトヨタ」などはトヨタ自動車の車だけを扱うディーラーです。ディーラーは、メーカーから直接車を仕入れています。

    ディーラーでは新車のほか、中古車も販売しており、定期点検や車検、修理などにも対応しています。

    サブディーラーとは

    一方、サブディーラーとは、特定のメーカーと特約店契約を結んでいない自動車販売会社のことです。ディーラーとは異なり、サブディーラーのほとんどが複数のメーカー・ブランドの車を販売しています。また、車の仕入れもメーカーからではなくディーラーから行うのも特徴です。

    サブディーラーでは、ディーラーと同じく新車・中古車の販売、定期点検や修理にも対応しています。整備工場がないサブディーラーでは、ディーラーが所有する整備工場へ点検・整備・修理を委託することもあります。

    整備工場を備えたサブディーラーの場合、自社工場での点検・整備・修理が可能です。ただし、サブディーラーで対応できない修理があった場合は、ディーラーに委託することもあります。

    2.ディーラーとサブディーラーのメリットとデメリット

    自動車を購入するにあたり、ディーラーとサブディーラーのどちらを選択すればよいのでしょうか。この2つは、取り扱う車のメーカーやブランドだけでなく、保証やメンテナンスの面にも違いがあります。ディーラーとサブディーラーそれぞれの特徴について見ていきましょう。

    ディーラーのメリットとデメリット

    ディーラーのメリットは、全国のどこの店舗に足を運んでも一定水準のサービスが保証されている点にあります。店舗によってサービスの質が著しく異なることがないため、安心して利用できるのは大きなメリットです。

    また、車の点検や修理は自社の整備工場で行い、修理の際には純正部品にて対応するなど保証面においても充実したサービスを受けられます。

    中古車でも一定の品質やメンテナンスが保証されているのも利点です。新車だけでなく中古車の購入も視野に入れている方は、ディーラーに行くことで新車と比較的質の高い中古車の両方を検討できます。

    さらに、ディーラーで中古車を購入すると、対象外となる旧年式車などを除き「ディーラー保証」がつくのも利点です。ディーラー保証とは、中古車の購入から1年以内に発生した消耗品以外の故障に対する修理を無料で行うものなど、メーカーやディーラーが独自に設定している保証です。新車を対象にした内容と遜色ないものがほとんどで、一般的に、保証期間内であれば走行距離無制限、メーカーや車種に関係なく消耗品以外の故障の修理に対する保証を行ってもらえます。有料のオプションを追加して、期間の延長や範囲の拡大をすることもできます。

    ディーラーでは、自動車保険も取り扱っています。ディーラーで加入する自動車保険は「ディーラー保険」と呼ばれており、保険会社に別途相談することなく、自動車の購入とあわせて手続きできるのがメリットです。ディーラー保険では、営業担当者が顧客に合ったプランを提案してくれるだけでなく、事故が発生した際のサポートや事故の際の独自保証を付帯するなど、さまざまなサービスを用意しています。

    ただし、自動車保険の保険料をなるべく抑えたい方にはディーラー保険以外を選択することも可能です。店舗を持たないダイレクト型の自動車保険では、ディーラー保険よりも保険料を抑えながら安心の補償で万が一の際に備えられます。

    なお、ディーラーの整備・修理費用はサブディーラーと比較して割高になる可能性があるというデメリットがあります。これはメーカー純正のパーツが使用されるためです。

    サブディーラーのメリットとデメリット

    サブディーラーの大きなメリットとして、一つの店舗に訪れるだけでさまざまなメーカーの車を比較検討できる点が上げられます。複数店舗に足を運び比較検討を行う場合、休日などの限られた時間に訪問するために車の比較に時間がかかってしまいます。

    また、販売価格がディーラーよりもリーズナブルなケースがあるのも利点です。より購入費用を抑えたい場合には、ディーラーとサブディーラーの価格を比較するのも手です。

    一方で、ディーラーのようにサービスの質が一定でない、保証内容が店舗によって異なることはサブディーラーのデメリットといえるでしょう。

    事故やトラブルで修理が必要になったときやメンテナンスの際の対応範囲や費用も店舗によって変わります。メンテナンス費用に関しては、ディーラーと比較して必ずしも安くなるわけではないため、保証やメンテナンスについては事前に把握しておくと安心です。

    3.ディーラー・サブディーラーを見極める5つのポイント

    これから自動車を購入する場合、ディーラー・サブディーラー問わず注意しておきたい点があります。ここからはよいディーラー・サブディーラーを見極めるための5つのポイントをご紹介します。

    疑問に対して的確な回答をくれるか

    車は金額の大きな買い物です。そのため、購入前に不安や疑問点をなるべく解消しておきたいという方がほとんどでしょう。比較検討の段階で浮かぶさまざまな疑問に対し、的確な回答をくれる担当者がいるディーラー・サブディーラーなら安心して購入に踏み切れます。

    ニーズに合った提案をしてくれるか

    車の使用用途や予算に合わせた車を提案してくれるディーラー・サブディーラーなら、快適に利用できる車選びを大きくサポートしてくれるでしょう。

    見積りや下取り価格などお金に関する詳しい説明があるか

    比較検討の段階で、詳細な見積りを出してくれるかも大きなポイントです。また、金額に関する質問に対しても的確に回答してくれる担当者のいるディーラー・サブディーラーなら購入時の不安を軽減できるでしょう。下取り価格の判断ポイントなども伝えてくれるディーラー、サブディーラーには誠実さも感じられます。

    点検や整備の際には作業内容の説明があるか

    中古車を購入する場合、車の状態は同じ車種でも前のオーナーによって変わります。年式や走行距離が同じでも必要なメンテナンスが異なるため、どのようなメンテナンスを行い、車を販売しているのかを詳しく伝えてくれるディーラー・サブディーラーを選びましょう。

    加えて、購入後に必要になるメンテナンスの内容やおおまかな金額を伝えてくれるかも重要なポイントです。

    保証やアフターフォローは万全か

    ディーラー・サブディーラーで新車を購入する場合は、メーカー保証がつくため、点検・定期メンテナンスなども一定期間あるいは一定距離まで受けられます。また、中古車であってもメーカー保証を引き継げる場合がありますし、ディーラーであればディーラー保証がつくこともあります。

    一方、サブディーラーで中古車を購入すると、サブディーラーが独自に行っている保証をつけられる場合と、そうでない場合があるので注意が必要です。たとえ保証がつけられる場合でも、保証内容や保証期間、アフターフォローの範囲や質は店舗によって異なるため、購入後の保証や点検、メンテナンスについては事前に確認しておきましょう。

    4.コロナ禍で増加!オンライン購入相談の便利な点と注意点

    車の比較・購入は、ディーラーやサブディーラーに直接訪問して対面での説明を受けることが一般的でした。ところが新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、購入相談をオンラインの場に移す「オンライン購入相談」の利用が広まりつつあります。

    オンラインで購入相談を行う場合、対面とは異なる注意点があります。ここからは、オンライン購入相談の特徴や注意点について説明します。

    オンライン購入相談の便利な点

    オンライン購入では、遠方のディーラーにも購入相談を行えます。自宅周辺にほしい車を置いている店舗がない場合でも購入が可能です。

    また、車の比較検討において店舗への移動や待ち時間が必要なくなるのもメリットです。休日など限られた日に店舗に行く必要がありません。これにより、車選びや購入までにかかる時間を短縮できる可能性があります。

    さらに、移動時間や待ち時間が解消されることで、1日の間に複数の店舗に相談できるようになります。短時間で多くの店舗とやり取りをした後は、自宅で家族とともに、落ち着いて検討できるのもオンライン購入相談の利点です。

    オンライン購入相談の注意点

    オンライン購入相談を活用する際には、対面とは異なり担当者の信頼度や人間性、相性がわかりづらいことを念頭に置きましょう。対面よりも相手から得られる情報が少ないため、オンラインでもより多くの情報を得るための工夫が必要です。たとえば、相談の途中に雑談をはさみ、人間性を確認する方法があります。

    店舗での相談と大きく異なる点として、実際の車を見られない、確認できない、試乗できない点が挙げられます。映像や画像だけではわからない部分については、購入前に一度実物を確認するためにも、店舗に訪問することを検討しましょう。

    座席の足元の広さや運転の際の目線の高さは、実物でなければ確認できません。また、メーカーのWebサイトに掲載されているカラーと実物を見た際の印象がわずかに異なることもあります。これは、閲覧するデバイスなどによってWebにある画像データの色合いが異なることがあるためです。

    オンライン購入相談を円滑に進めるために注意したいポイントもあります。利用するWeb会議システムやツールを指定されることもあるため、必要があれば事前にインストールしマイクやカメラの接続状況をチェックしておくと安心です。

    車を安心して購入できるディーラー・サブディーラーを探そう

    ディーラーとサブディーラーでは、販売する車のメーカーやブランドだけでなく、保証やメンテナンスの面にも違いがあります。

    これから車を購入する方は、質問に対して明確な回答をくれる、目的にあった車を提案してくれるなど、安心できる担当者のいる店舗を選択することがよりよい車選びにつながります。

    オンライン購入相談を検討している方は、事前に注意点を確認して相談に臨み、より多くの情報を引き出せるようにしておきましょう。

    5.監修コメント

    ディーラー以上に、サブディーラーにはさまざまな形態があります。新車や中古車に独自のカスタムを施した「コンプリートカー」を販売する専門店もあります。昨今人気のキャンピングカーや車中泊仕様などのアウトドア系カスタムに特化した専門店も多くあります。
    コンプリートカーには、カスタム費用を車体価格に含めてオートローンが組めたり、ディーラーで車両を購入してカスタムするよりも総額を抑えることができたりするなど、コスト面のメリットが多くあります。車を購入してカスタムしたいと考えているのなら、まず理想の車が並んでいる専門店に足を運んでみるのもおすすめです。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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