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車の警告灯の意味は?知っておきたいポイントを一覧で解説!

スピードメーターなどさまざまな計器類やマークが表示されているメーターパネル。この中の1つである警告灯は、車の状態を知らせてくれる重要なランプです。しかし、警告灯の種類は多く、どれがどんな意味を示しているのか把握できていない方も多いかもしれません。

そこで、本記事では日頃から気をつけたい警告灯や、緊急性の高い警告灯など、種類別に警告灯の意味や点灯した場合の対処法などをわかりやすく解説します。警告灯が点灯してもすべてが故障というわけではありません。また、日頃から気に留めておくことで事故防止にもつながります。走行中に点灯しても慌てずに対処できるように、警告灯の知識を身につけておきましょう。

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1.車の警告灯とは?

車の警告灯とは、車に故障などの異常が発生しているときや、ドライバーが誤った操作をしたときに点灯や点滅し、注意喚起するランプです。世界基準で決められており、メーカーによって多少異なることはあるものの、国産車も輸入車も警告灯のデザインはほとんど同じです。


警告灯は色によって緊急性が変わる


警告灯と表示灯の色は国際規格(ISO)で「赤色」「黄色(オレンジ色)」「緑色」の3種類に定められており、下記のように色によって緊急性が変わります。

●赤色:緊急性の高いトラブル。すぐに安全な場所に停車し、ディーラーや整備工場などに連絡する必要がある。
●黄色(オレンジ色):すぐに走行をやめるべき状況ではないが、すみやかな点検が必要なトラブル。
●緑色:走行に支障がない安全な状態。

警告灯の意味がわからなくても、赤色に点灯しているときは緊急性が高い状態ですので、見過ごさないように注意しましょう。


2.日頃から気をつけたい警告灯

それでは、警告灯の中でも特に覚えておきたいものを緊急性別に一覧で解説します。

最初は、車が故障していなくても、日常的に点灯することが多い警告灯を紹介します。点灯したまま走っても走行不能になる心配は少ないものの、ドライバーや同乗者の安全を守る上で注意しておきたい警告灯です。


シートベルト警告灯


ドライバーや助手席の同乗者がシートベルトをきちんと装着していないと点灯します。バックル(差込口)からカチッと音がするまでしっかり差し込んで着用しましょう。また、シートに搭載された重量センサーで乗員の有無を確認する車の場合、座席に重い荷物を置いてあると警告灯が点灯することがあります。

半ドア警告灯


エンジンがオンの状態で運転席や助手席、後部座席のドア、バックドアなどが完全に閉まっていないときに点灯します。きちんと閉めたはずなのに点灯する場合は、シートベルトや衣類などが挟まっていないか確認しましょう。

燃料残量警告灯


燃料タンク内のガソリンが一定量以下になったときに点灯します。点灯時の残量は車種によって異なります。残量が少なくなると、坂道やカーブではタンク内のガソリンが片寄って点灯することもあります。ランプがついたらすみやかに給油しましょう。

ウォッシャー液警告灯


フロントガラスなどを洗浄するウォッシャー液が不足すると点灯します。ウォッシャー液がなくなってもすぐに車が走行できなくなることはありませんが、フロントガラスなどについた汚れを落とせなくなります。なるべく早めに補充するのがおすすめです。

スリップ表示灯


濡れた路面や急カーブでスリップし、TRC(トラクションコントロール)などの制御装置が作動しているときに点灯します。滑りやすい道で一時的に点灯している場合は心配いりません。しかし、点灯したままになっている場合は故障の疑いがありますので、整備工場やディーラーなどに相談しましょう。

3.点灯したら早めに点検の必要がある警告灯

次に、点灯してもすぐに走行できなくなるわけではありませんが、早めに点検・修理が必要な警告灯について解説します。


エンジン警告灯


エンジン制御系システムに何らかの異常が検知された場合に点灯します。具体的には、排気系統や吸気系統、エンジンそのものの故障などが考えられます。一般の方が原因を見つけるのは難しく、重大なトラブルにつながる危険がありますので、ディーラーや整備工場などで見てもらいましょう。

ABS警告灯・ブレーキアシスト警告灯


この警告灯が点灯しているときは、ABS(アンロックブレーキングシステム)やブレーキアシストに不具合が起きている可能性があります。ブレーキに関する故障は重大な事故を招く危険がありますので、なるべく早くディーラーや整備工場などで点検・修理してください。

エアバッグ警告灯・シートベルトプリテンショナー警告灯


エアバッグやプリテンショナー(衝突時にシートベルトを巻き上げて乗員を拘束する安全装置)付きのシートベルトに不具合がある場合に点灯します。放置すると、「衝突事故が発生したときに作動しない」「走行中にエアバッグが開く」といった危険があります。すみやかにディーラーや整備工場などに相談しましょう。

4.点灯したらすぐに車を停止するべき警告灯

最後に、非常に緊急性が高い警告灯について解説します。もしも下記の警告灯が点灯したら、すぐに安全な場所に停車し、ディーラーや整備工場、ロードサービスなどに連絡してください。


ブレーキ警告灯


パーキングブレーキが作動しているときやブレーキフルード(ブレーキオイル)が不足しているとき、ABSの異常時などに点灯します。パーキングブレーキを解除してもブレーキ警告灯が点灯している場合は、ブレーキが故障している可能性があります。すぐに運転を中止しましょう。

充電警告灯(バッテリーランプ、バッテリー警告灯)


バッテリーや充電系統(オルタネーター、ベルトなど)にトラブルが発生したときに点灯します。バッテリーの充電が切れるとエンジンが止まってしまいます。エンジンが止まるとブレーキ操作などもしづらくなり非常に危険です。点灯した場合は停車し、すみやかにディーラーなどに連絡しましょう。

油圧警告灯(エンジンオイルランプ)


エンジンオイルの不足やエンジン内部のオイルの圧力低下を警告するランプです。点灯しても走行を続けると、エンジンが焼き付いて破損するなどの危険が考えられます。エンジンオイルの量を確認し、不足していたら補充します。オイルの量が適切なのに点灯している場合は、運転を中止してディーラーなどに連絡しましょう。

水温警告灯


一部の車種では青色に光ることがありますが、その場合はエンジン冷却水の温度が低いときです。エンジンが温まった後、消灯するなら問題ありません。赤色に光っている場合は冷却水の温度が高いことを示し、非常に緊急性が高い状態です。オーバーヒートの危険がありますので、ただちに安全な場所に停車してください。

AT警告灯


ATフルード(オートマチック車専用のミッションオイル)の温度が高いときに点灯します。オーバーヒートの可能性があるため、すぐに停車し、ボンネットを開けて警告灯が消えるまで冷やしましょう。消えない場合は運転を中止し、ディーラーや整備工場などに連絡してください。

ハイブリッドシステム異常警告灯


ハイブリッド車やEV車に搭載されている警告灯で、ハイブリッドシステムに異常が発生すると点灯します。そのまま走行を続けると、急に運転不能になる危険があります。すみやかに停車し、ディーラー、整備工場などに連絡しましょう。

5.警告灯にまつわる疑問いろいろQ&A

「警告灯が点灯したたままでも車検は通る?」など、警告灯に関する疑問にまとめてお答えします!


Q.エンジンをオンにしたときに、すべての警告灯が表示されるのはなぜ?


エンジンスイッチをオンにしたときに、メーターパネルの警告灯や表示灯がすべて点灯しますが、これは故障ではありません。電球の球切れやランプのシステムに不具合がないかどうかを確認するために、一斉に点灯する仕組みになっています。点灯しない警告灯がある場合は何らかの不具合があると考えられます。反対に、しばらくしても消えない場合も問題が発生している可能性があります。いずれにしても、ディーラーや整備工場などに相談しましょう。


Q.警告灯が点灯したままでも車検は通る?


2017年2月以降、下記の警告灯が点灯または点滅している車両は車検を行わない、と自動車技術総合機構から通達が出ています。

・エアバッグ警告灯(前方、側方)
・ブレーキ警告灯
・ABS警告灯
・原動機(エンジン)警告灯

これらが点灯したままだと、そもそも車検を受けることができませんので、必ず点検・修理しておきましょう。


Q.1度ついた警告灯が消えた場合はどうすればいい?


走行中などに警告灯が点灯して消えた場合、緊急性の高い不具合ではないと考えられますが、何らかの問題が発生している可能性があります。放置せずに早めに点検・修理に出したほうが良いでしょう。また、警告灯が点滅する場合は配線トラブルなどの可能性もあります。なお、車の内部のコンピューターには異常を検知したデータが残っています。このため、警告灯が消えても、整備工場などではこのデータをもとに原因を見つけることが可能です。


6.監修コメント

搭載されていない車種もあるため、あまりクローズアップされることがありませんが、個人的に覚えておくとよいと思う警告灯が「タイヤ空気圧警告灯」です。この警告灯が点灯したことで、いち早くパンクに気付けた経験があるからです。
タイヤ空気圧警告灯は、中に「!」マークが入った壺のような形をしています。エンジンスイッチをオンにしたときにこの警告灯が点灯したら、空気圧警告機能が搭載されていることになります。
この警告灯はタイヤ交換後も点灯することがあります。空気圧が適正なのに点灯した場合は、リセットする必要があります。リセット方法は車種によって異なるので、取扱説明書を読んで確認しておくことをおすすめします。

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■監修
  • 井口 豪(いのくち たけし)
    特定行政書士、法務ライター。
    タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。