クルマ

車通勤(マイカー通勤)のメリットは?交通費や会社への申請、おすすめの車種を紹介

更新

2023/04/26

公開

2023/04/26

  • Twitterで共有する
  • Facebookでシェアする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

車や、電車、バスなど、通勤手段には様々なものがあります。特に近年は、新型コロナウイルスの感染拡大予防として、車通勤への切り替えを検討した方もいるかもしれません。

車通勤をする時には、経費申請の確認や保険の加入など、いくつかの注意点があります。そこで当記事では、車通勤のメリットや必要な手続き、距離別におすすめの車種などを紹介します。

目次

    1.車通勤(マイカー通勤)のメリットは?

    公共交通機関に比べて、自分のペースで通勤できたり、多くの荷物を運べたりと、車通勤は非常に便利です。以下で、車通勤のメリットを詳しく解説します。

    時間の融通がききやすい

    電車やバスなどの公共交通機関を使って通勤する場合は、乗車時間に合わせて身支度をし、家を出なければなりません。しかし、車通勤であれば時刻表を気にする必要がありません。また、帰宅する時にも、自分の好きな時間に会社を出られます。このように、自分のペースで通勤できるのは大きなメリットでしょう。

    公共交通機関でアクセスしづらい勤務先にも行きやすい

    足を伸ばせる範囲が広いのも、車通勤の良い点です。公共交通機関を使って通勤する場合、行けたとしてもオフィスや駅、バス停周辺になってしまうことが多いでしょう。車を使えば、徒歩で行きづらい場所や、公共交通機関の駅から遠い場所にも、気軽にアクセスできます。

    多くの荷物を運べる

    資料やパソコン、ノート、文房具...と、通勤時には持ち物が多くなってしまうこともあります。重い荷物を運ぶこと自体が大変ですし、多量の荷物を持って公共交通機関に乗ると、周りの乗客に気を使ってストレスを感じてしまうことも。車通勤の場合なら、重い荷物を自分の手で運ぶ必要もありませんし、助手席や後部座席、ラゲッジスペースなど、荷物を収納するスペースも十分。荷物が多い人ほど、車通勤の恩恵を受けられるでしょう。

    感染症予防策になる

    新型コロナウイルスの感染リスクを上げる「密」を避けられるのも、車通勤の大きなポイント。特に朝の通勤ラッシュ時間帯の混雑したバスや列車内は、狭いスペースに人が密集し、感染リスクが高くなりやすい場所です。空気感染や飛沫感染だけではなく、手すりや吊り革を介しての接触感染も考えられます。車通勤であれば、基本的に車内は自分一人なので、感染リスクを大幅に減らせるでしょう。もちろん、新型コロナウイルスだけではなく風邪やインフルエンザなどの予防策としても有効です。

    2.車通勤(マイカー通勤)をする時の交通費は支給される?

    通勤にかかる費用として、会社から支給される「通勤交通費」。「ひょっとしたら、車通勤には交通費が支給されないのでは?」と思うかもしれませんが、車通勤にも交通費が支給されることが一般的です。

    車通勤の場合、ガソリン代を通勤交通費として支給する会社が多いです。車種によって燃費が異なるため、一概に設定することができませんが、例えば1kmあたりのガソリン代を10円とし、通勤の往復距離が20km、ひと月の出勤日が20日だとしましょう。この場合は、「10円×20km×20日=月4,000円」という計算で、金額を算出することができます。
    ただし会社によって通勤交通費のルールは異なり、一律の金額を支給していたり、「1kmあたり、○円」と、距離ごとに金額を定めている会社もあります。そのため通勤交通費の算出方法は、勤務先の会社に確認するようにしましょう。

    3.車通勤(マイカー通勤)をする時に必要な手続きは?

    会社に車通勤(マイカー通勤)が可能か確認する

    では、「いざ車通勤をしたい」と思った時、何から始めればいいのでしょうか。最初のステップは、勤務先の会社が車通勤できるかどうかを確認することです。会社が車通勤を認めていない場合は、もちろん車通勤はできません。ですので、まずは就業規則の確認をしてください。

    会社に申請書や免許証等のコピーを提出

    勤務先の会社が車通勤を認めていることを確認できたら、次は会社への申請です。総務部などに相談し、必要書類をもらったり、提出書類が何かを確認しましょう。

    一般的に、会社に提出する書類は、「マイカー通勤許可申請書・誓約書」「運転免許証の写し」「自賠責・任意保険証書の写し」「車検証の写し」であることが多いです。

    この「マイカー通勤許可申請書・誓約書」とは、車通勤の規定が書かれているもの。車通勤には事故のリスクがあるため、会社は許可範囲や免責事項などを明確に定めているのです。会社によって異なりますが、規定に書かれている内容は主に以下の通り。

    • マイカー通勤の許可範囲(通勤距離やルート)
    • 業務利用の有無(業務でも使用するか)
    • 費用負担の範囲(ガソリン代、高速料金、駐車料金など、会社が負担する費用範囲)
    • 事故発生時の対応(連絡方法や処理など)
    • 企業の免責事項(車通勤時に事故やトラブルが発生した場合の、会社の責任範囲) など

    車通勤にかかる費用だけではなく、事故が起きた際のルールについても定められているので、必ず全てに目を通しておくようにしましょう。

    任意保険(自動車保険)の加入

    車通勤をする際には、万一の事故に備えて保険に加入をします。加入する保険の種類は、自賠責保険と任意保険の2つ。自賠責保険とは、交通事故による被害者の救済を目的としたもので、車に乗る全ての人に加入が義務付けられています。すでに車を所有していて、自賠責保険に加入済みの場合は、あらためて加入する必要はありません。

    もう一つの任意保険は、その名称の通り、任意で加入する保険です。補償内容は保険会社によって異なりますが、自身の怪我や車に生じた損害など、自賠責保険に比べて様々な部分をカバーできます。

    この任意保険は、会社が加入を義務付けているケースが一般的です。なぜなら、社員が車通勤時に事故を起こした場合、会社は「使用者責任」を問われる可能性があるからです。これは、民法第七百十五条第1項で定められています。

    "ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。"

    出典
    e-Govポータル

    また過去の裁判では、車通勤をする社員に、会社が任意保険の加入を義務付けることを認めた判例もあります。

    もし会社から任意保険の加入を義務付けられていなかったとしても、自賠責保険だけでは損害賠償をカバーできないことがありますので、万一に備えて、任意保険も加入しておくと安心です。

    なお、自動車保険を契約する時には「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務使用」等、お車の主な使用目的を申告する必要があります。すでに自動車保険を契約済みで、加入時に「日常・レジャー」を申告していた場合は、使用目的の変更手続き(異動手続き)をしなければなりません。そのため、車通勤に切り替える方は、ご自身が加入している保険会社に申請をするようにしましょう。

    「おとなの自動車保険」は使用目的が「通勤・通学」の保険料が2023年1月よりさらにお得になりました。ぜひご検討ください。

    おとなの自動車保険はこちら

    4.会社の許可を得ずに車通勤(マイカー通勤)をした時のリスクとは?

    申告をせずに車通勤をしたり、もしくは会社が禁止しているのに車通勤をした場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

    例えば、車通勤しているところを目撃されたり、事故を起こしてしまったなどで、無断で車通勤をしていたことが発覚したとしましょう。もし自分自身で事故の損害賠償をまかないきれない場合は、会社に賠償責任を負ってもらうことになるかもしれません。

    また、もし電車やバスの通勤交通費を受け取っていた場合は、不正受給とされ、差額分の返納や懲戒処分を受ける可能性が考えられます。

    このように、無断で車通勤をすることは自身の信用を失うばかりか、会社に大きな迷惑をかけてしまいます。また、事故を起こした従業員に代わって会社が損害を賠償した場合は、会社に求償権(他者のために弁済をした者が、その他者に対してその弁済額の返還を求める権利)が認められることがあります。会社が被害者に支払った額を、事故を起こした従業員が会社に支払わなければならなくなるかもしれないのです。車通勤をする場合には、必ず会社の規則に沿うようにしてください。

    5.車通勤(マイカー通勤)におすすめの車種は?

    車通勤をする方の中には、通勤時間が30分程度の方もいれば、1時間以上かかる方もいるでしょう。車通勤をする時には、通勤距離によって車種を選ぶポイントが変わります。以下で、距離別におすすめの車を紹介します。

    短距離(通勤30分以内くらい)の通勤の場合

    家から会社までの走行時間が30分程度と、短距離の場合は軽自動車がおすすめです。軽自動車であれば、小回りがききやすいので、街中を走る時にも運転しやすいでしょう。また、自動車税や車検代、ガソリン代、車両自体も比較的安く抑えられるのもメリットです。

    例えば、以下の車種がおすすめです。

    • スズキ/アルト
      1979年に発売以来、ロングセラーを続ける車種。新車価格も90万円台〜と、リーズナブルかつ、燃費性能の良さには定評があります。
    • スズキ/ワゴンR
      高い燃費性能に、広々とした車内空間。乗り降りの際に身体に負担がかかりにくい高めのシート位置や、フルフラットにもできる自在なシートアレンジも魅力です。
    • ホンダ/N-BOX
      大人4人が乗っても、ゆったりと過ごせるゆとりある空間が特徴。コーナリングやブレーキのアシスト機能などの走りやすさにもこだわっています。
    • ダイハツ/ミラトコット
      頭上の空間が広くとられているので圧迫感が少なく、快適なドライブが実現。フックやホルダーなど、収納機能も充実しています。

    中・長距離(通勤30分以上)の通勤の場合

    中・長距離の場合は、ガソリン代がかさむので、燃費を重視するのが車種選びのポイントです。ですので、おすすめは低燃費のハイブリッドカー。なかでも、コンパクトカーであれば小回りがきくので、休日、近場に出かける時にも運転しやすいです。

    例えば、以下の車種がおすすめです。

    • トヨタ/プリウス
      トヨタのプリウスは、ハイブリッドカーの代表的な車種。燃費消費率は、28.6km/L(2.0Lハイブリッドシステム/2WD/19インチタイヤ装着車)と、高い燃費性能を誇ります。
    • トヨタ/ヤリス
      交差点で車両や歩行者を検知し、ぶつからないようにするサポート機能、駐車のアシスト機能など、安全機能が充実。燃費消費率は36.0km/L(1.5Lハイブリッドシステム/X/2WD)と燃費性能はトップクラスです。
    • トヨタ/アクア
      トヨタアクアは、コンパクトなボディが特徴のハイブリッドカーで、細い路地もストレスなく運転できます。低燃費なのも魅力で、消費率は35.8km/L(エンジン・ハイブリッドシステム/B/2WD)です。
    • スズキ/スイフト
      スズキのスイフトは、高い走行性能が魅力のコンパクトカー。燃費消費率は、21.0km/L(HYBRID RS、HYBRID MG/2WD/CVT)と申し分のない燃費性能を備えています。

    燃費消費率は、WLTCモードに基づいた数値。WLTCモード燃費とは、「市街地」「郊外」「高速道路」の3つの走行モードごとの平均的な使用時間配分で構成された、国際的な試験法によって算出された燃費のことです。

    6.監修コメント

    マイカー通勤に関しては、使用者(会社)側も気を付けなければいけない点が多くあります。
    従業員に代わって会社が事故の被害者に賠償をした場合は求償権が認められることがありますが、裁判例をみると、会社の求償権は大幅に制限されるケースが多いといえます。一切認められないこともあります。
    会社が行使できる求償権の範囲や割合は、法律では明確に定義されていません。さまざまな事情が考慮されるので、定期的に任意保険への加入状況を確認したり、安全運転講習を開いたり、日頃から必要な注意を払うことが大切です。

    おとなの自動車保険はこちら

    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

    • Twitterで共有する
    • Facebookでシェアする
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • LINEで送る