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サービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)の違いは?有料化についても解説

更新

2024/03/04

公開

2024/03/04

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高速道路を走行中、休憩や食事等のために立ち寄るサービスエリアとパーキングエリア。何気なく利用しているサービスエリアとパーキングエリアですが、両者は何が違うのか、ふと疑問に思ったことはないでしょうか。当記事では、サービスエリアとパーキングエリアの違いやマナー、現在検討されている有料化についても解説していきます。

目次

    1.サービスエリアとパーキングエリアの違いとは

    サービスの内容

    サービスエリアとパーキングエリアは、どちらも高速道路の休憩施設です。国土交通省によると、両者は提供しているサービス内容によって区別されており、一般的に以下のような施設や設備がそれぞれに備わっています。

    サービスエリア 駐車場、トイレ、売店、休憩所、食堂(フードコート)、給油所など
    パーキングエリア 駐車場、トイレ、売店など

    サービスエリアは休憩所や食堂等だけではなく給油所もあります。人と車が必要なサービスが備わっている休憩施設です。一方、パーキングエリアは給油所がなく、主にドライバーの緊張や疲れをほぐすための休憩施設といえます。

    出典
    国土交通省ウェブサイト

    設置間隔

    サービスエリアとパーキングエリアは、設置されている間隔も異なります。基本的には、サービスエリアは50kmごと、パーキングエリアは15kmごとに設置されています。高速道路を建設する場合には、前後の休憩施設の位置も考慮しつつ、この設置間隔を一つの目安として、サービスエリア・パーキングエリアのどちらを作るのかが決定されます。

    上述の通り、サービス内容や設置間隔が両者を区分する時の基準になりますが、サービスエリア並みの施設・設備を備えたパーキングエリアもあったり、50km以上離れた場所に設置されているサービスエリアも中にはあります。そのため、サービスエリアとパーキングエリアを明確に区分するのは難しいといえるでしょう。

    2.サービスエリア・パーキングエリアの役立つサービスや施設・設備

    サービスエリア・パーキングエリアには、便利なサービスや、施設・設備があります。その一部をご紹介します。

    スマートインターチェンジ(スマートIC)

    スマートインターチェンジとは、サービスエリア・パーキングエリア等から一般道に出入りできるように設置されたインターチェンジのこと。ただし、スマートインターチェンジを利用できるのはETCが搭載された車両のみです。また、通常のインターチェンジと違い、ノンストップ通行はできません。なお、サービスエリア・パーキングエリア接続型のスマートインターチェンジのほか、高速道路に直接出入りできる本線直結型もあります。

    ウェルカムゲート

    ウェルカムゲートとは、一般道からサービスエリア・パーキングエリアにアクセスできる出入り口のこと。高速道路に入らずに、サービスエリア・パーキングエリアを利用できます。高速道路を利用するドライバーの休憩施設としてだけではなく、地域の人が娯楽やふれあいの場として利用できるようにと設置されました。

    ハイウェイオアシス

    ハイウェイオアシスとは、サービスエリア・パーキングエリア接続型の公園やレクリエーション施設。高速道路を出ることなく利用できるほか、一般道からもアクセスできます。人気のハイウェイオアシスには、大型観覧車や温泉施設等を備えた「刈谷ハイウェイオアシス」、水遊び施設や巨大迷路等を備えた「川島ハイウェイオアシス」などがあります。このように、単なるサービスエリア・パーキングエリアに留まらない充実した施設が特徴なので、ハイウェイオアシスを目的に訪れる方も多いです。

    その他サービス

    サービスエリア・パーキングエリアには、無料で利用できるWi-Fiスポットやモバイルバッテリーシェアサービス、ドッグランサービスもあります。また、コインシャワーやコインランドリーを備えたシャワーステーション、高速道路を出なくても泊まれるハイウェイホテルなど、リフレッシュできる施設も。ただ、これらのサービスはすべてのサービスエリア・パーキングエリアに備わっているわけではないので、利用する際にはあらかじめ高速道路のHPを確認しておきましょう。

    3.将来的に、サービスエリア・パーキングエリアが有料化される?

    サービスエリア・パーキングエリアの現状と課題

    近年、ネットショッピングを利用する人が増加しています。これに伴い、宅配便を輸送する大型車の高速道路利用台数も、2005年から2020年にかけて、約15万台増加。付随して、問題となっているのが駐車マスの不足です。こうした状況を改善すべく、高速道路各社はレイアウトを変更して大型車の駐車マスを拡充したり、予約システムの社会実験などを実施したりと対策をとっていますが、それでも駐車マスの数が足りていないというのが現状です。

    対策として、一部サービスエリア・パーキングエリアの有料化が検討されている

    2023年12月、高速道路各社は利便性向上のため、新たな対策を打ち出しました。新規に取り組む対策としては、駐車場の立体構造化による駐車マスの拡充や、大型車専用のサービスエリア・パーキングエリアの新設。また、並行路線のサービスエリア・パーキングエリアへの利用を促すため、新たな技術を活用し、路線単位で混雑情報を提供する予定です。

    さらに、混雑するエリアにおいては、短時間利用駐車マスを先行して導入し、将来的には一定時間以上のすべての利用を有料化することを検討しています。こうした新規の取り組みと、すでに実施している対策とをあわせ、駐車マス不足の解消をさらに進めていくこととしています。

    4.サービスエリア・パーキングエリアのマナー

    車種ごとのスペースに駐車する

    サービスエリア・パーキングエリアでは、「大型車」「小型車」「トレーラー」「バス優先(専用)マス」など、車種ごとに駐車スペースが区分されています。特に、大型車やバスは大型車専用スペースにしか駐車できないため、大型車のスペースに普通車を駐車してしまうと、大型車のドライバーが休憩を取れなくなってしまいます。居眠り運転や漫然運転につながり、これが原因で事故を引き起こす可能性もありますので、普通車は決められた普通車のスペースに駐車するようにしましょう。

    対象外のドライバーは障がい者等用スペースを利用しない

    車種ごとのスペースのほか、障がい者専用の駐車スペースも確保されています。障がい者専用の駐車スペースは、トイレやお店に近い場所に設けられており、視覚・聴覚等の障がい者の方、車椅子の方、高齢者、妊婦、怪我などで歩行が困難な方が利用できるスペースです。「トイレが近いから」などの理由で、対象外の方は利用しないようにしてください。

    進入路など、駐車マス以外に駐車しない

    「サービスエリア・パーキングエリアが混雑しているから」といって、進入路の路肩に駐車していると後続車に衝突される危険性があります。特に高速道路から走行してくる車はスピードが出ているので、大きな事故につながりかねません。また、走行路も駐車禁止です。歩行者の妨げになることはもちろん、歩行者と接触して怪我をさせてしまう可能性もあります。安全のために、サービスエリア・パーキングエリアでは駐車マスに駐車し、マナーをきちんと守って利用しましょう。

    5.監修コメント

    SA・PAが混雑する理由のひとつとして、昨今問題になっているのが「乗り合い行為」です。ゴルフなどに行く際にSA・PAで待ち合わせ、1台の車で目的地に向かう行為です。

    高速道路会社の公式サイトによると、乗り合い行為は施設の目的外利用になるとのことです。約款には、会社は「料金を不法に免れた利用者から、その免れた額のほか、その免れた額の2倍に相当する額を割増金として徴収することができる」とあります。ウェルカムゲートから入って乗り合い行為をした場合は、道路交通法違反に問われる可能性もあります。

    正しくSA・PAを利用しているドライバーの迷惑になるので、乗り合い行為は絶対にやめましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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