自動車保険
車を購入したばかり、もしくはこれから車を購入しようと検討している方にとって、車両保険に加入すべきかどうかは気になることの1つだと思います。
本記事では、車両保険とはどのようなものか、車両保険が必要な理由、車両保険に加入する際の注意点などを解説します。
目次
車両保険とは、不慮の事故や盗難などでご自身の車に発生した損害を補償する保険です。補償範囲は保険会社によって多少の違いはあるものの、一般的に次のような事故や自然災害などによる損害が補償の対象になります。
● 車同士の事故
● 火災・台風・落書やいたずらなどの迷惑行為
● 盗難
● 自宅・車庫での水災
● 単独事故・当て逃げ
車を使用していると、交通事故や自然災害、落書・いたずらなどの迷惑行為などにより車の修理が必要になる可能性があります。車両保険に加入していれば、状況に応じて保険金が支払われます。
事故などで車の修理が必要になった場合でも、事故の相手側が自動車保険に加入していれば対物賠償保険から保険金が支払われるため、車両保険に加入する必要はないように思われるかもしれません。
しかし、事故には「過失割合」というものがあります。過失割合とは、事故が起きた際のお互いの行動や置かれていた状況に応じて、当事者双方の責任がどの程度の割合なのかを表す概念です。
例えば、十字路交差点における直進車と右折車がお互い青信号で進入し衝突した場合、双方の過失割合はそれぞれ以下のようになります。
● 十字路交差点で直進した車:20%
● 十字路交差点で右折した車:80%
ご自身が「十字路交差点で直進した車」を運転していた場合、事故に関して20%は過失があると判断されます。
上記のケースのように、ご自身にも過失がある場合は、相手方からの損害賠償金(相手が自動車保険の対物賠償保険に加入の場合は保険金)だけではご自身の車両の修理費の全額がカバーできないため、不足分はご自身が負担することになります。車両保険に加入していれば、その負担額が車両保険で補償されます。
事故などで大きな損傷を受けた場合、修理ではなく車を買い替えなければならないことも考えられますが、車両保険に加入していれば保険金を買い替え費用に充てることもできます。セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」では、69.5%の方が車両保険に加入しています(※)。
(※)2022年3月時点。
車両保険に加入すべき人は、毎月の出費が多少増えたとしても貴重な財産である車に万が一のことがあったときのために備えたいと考える人です。予期せぬ接触や衝突などで車がキズついたり破損したりしても、車両保険に加入していれば修理費用などの補償を受けられるので安心です。車の修理や再購入にはまとまった金額が必要となるので、急な支出に不安がある人も車両保険に加入すべきです。
また、免許を取ったばかりで運転に自信がない場合や、車を買い替えて車体が大きくなった場合は、車庫入れなどで誤って壁を擦ってしまい、車にキズがつく可能性もあるので車両保険への加入がおすすめです。
自動車ローンを利用して車を購入し、まだローンが残っている方にも車両保険の加入がおすすめです。車同士の事故で相手の過失割合が100%であれば、事故相手からの賠償で車の修理費用を賄うことができますが、ご自身にも過失がある場合や単独事故の場合には自己負担が発生します。
万が一車が全損した場合に、廃車を検討する方がいるかもしれません。しかし、自動車ローンを組んでいて車の所有者名義がローン会社や自動車会社の場合は勝手に廃車にすることはできません。そのため、廃車にしたいときは車の所有者名義をご自身に変更する必要がありますが、その場合は残っているローンを一括返済する必要があります。
このように、車が全損した際にローンを一括返済しなければならないようなリスクを考えると、自動車保険の加入の際に車両保険もセットしておくと安心です。
車両保険は、一般的に「一般車両(一般タイプ、ワイドカバー)」と「車対車+A(エコノミータイプ、限定カバー)」の2種類に分類されます。セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」ではこの2種類に加え、3つ目のプラン「車との衝突のみ」も用意しています。
「一般車両」は幅広く補償を受けられますが、「車対車+A」や「車との衝突のみ」では基本的に車同士の事故のみを補償するため、当て逃げなどの事故の相手が分からない場合は保険金が支払われません。
「おとなの自動車保険」における「一般車両」「車対車+A」「車との衝突のみ」の補償範囲の違いは、以下のようになります。
※「車対車+A」とは、「お車同士の事故」「火災・落書き・台風」「盗難」「自宅・車庫での水災」を補償するプランです。
新車や年式の新しい車などで車の価値が高い場合は、「一般車両」の車両保険に加入するのが賢明です。「おとなの自動車保険」の場合は、過半数の51.6%の方が一般車両の車両保険を選択されています。
保険料を抑えたい場合は、必要最低限の補償を確保できる「車対車+A」の車両保険を検討してみても良いかもしれません。ただし、「車対車+A」の場合はガードレールにこすったなどの自損事故は補償されないため、備えたいリスクと保険料のバランスをよく考える必要があります。
また、「一般車両」を選び、免責金額を高くすることで保険料を抑える方法もあります(詳しくは後述します)。
車両保険の保険料は車種ごとの事故リスクに基づく型式別料率クラスや、車両保険金額、各個人の年齢、事故の有無などの要素によって異なります。
型式別料率クラスとは、車の「型式」に応じた保険料率の設定のことです。毎年、損害保険料率算出機構が事故実績に基づいて型式別料率クラスの見直しを行っています。料率クラスが高いと保険料の負担が大きくなり、料率クラスが低いと保険料の負担が少なくなります。
「おとなの自動車保険」では、「等級」「年齢」「免許の色」「年間走行距離」を選択するだけで、人気車種の車両保険なし・車両保険(フルカバータイプ)をセットした場合の保険料相場がわかるコンテンツを提供していますので、ご参考にしてください。
アクアの保険料相場
アルトの保険料相場
N-BOXの保険料相場
セレナの保険料相場
タントの保険料相場
フィットの保険料相場
フリードの保険料相場
プリウスの保険料相場
ムーヴの保険料相場
車両保険に加入する際には、免責金額を選択する必要があります。免責金額とは「保険会社から保険金が支払われる際に、保険契約者が自己負担する金額」のことです。
例えば免責金額を10万円に設定した車の修理費用に15万円かかった場合、保険会社から支払われる保険金は5万円、残りの10万円は契約者の自己負担になります。「おとなの自動車保険」の場合は、以下の7つのパターンから免責金額を選択することができます。
免責金額 | ||
---|---|---|
1回目の事故 | 2回目以降の事故 | |
パターンA | 0万円 | 0万円 |
パターンB | 0万円 | 10万円 |
パターンC | 5万円 | 5万円 |
パターンD | 5万円 | 10万円 |
パターンE | 10万円 | 10万円 |
パターンF | 15万円 | 15万円 |
パターンG | 20万円 | 20万円 |
車両保険に加入する際の注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。
● 自動車保険の更新のタイミングごとに設定可能な保険金額が下がる
● 車両保険を使うと等級ダウンになる
● 車両保険で補償されない自然災害がある
それぞれの注意点について、詳しく説明します。
車両保険で設定できる保険金額は、契約時の時価相当額(車の市場価格)によって定められます。車は新車の時に市場価格が一番高く、時間が経つごとに市場価格は下がっていきます。市場価格が下がった車に、新車のときと同じだけの保険金額を設定することはできません。
そのため、中古車を購入して車両保険に加入する場合、設定できる車両保険金額が低いケースがあることに注意しなければなりません。
車両保険を使用すると、翌年は等級ダウンします。等級とは保険料算出の基準となるもので、契約している車1台ごとの保険契約中の事故歴によって、保険料の割引・割増率を適用する制度です。
等級ダウンには、「3等級ダウン事故」と「1等級ダウン事故」の2種類があります。3等級ダウン事故に該当するのは、「他人の車との衝突によりご自身の車を修理する」「電柱にぶつけてしまったご自身の車を修理する」などのケースで車両保険や対物賠償保険、対人賠償保険を使った場合です。
1等級ダウン事故に該当するのは、「車が盗難にあった」「台風などの被害にあった」「車に落書きなどのいたずらがされた」などのケースで車両保険や車両身の回り品補償のいずれか、または両方を使った場合です。
等級ダウンすると、それに応じて翌年の保険料が値上げされます。修理費用が数万円程度で済むような比較的小さな事故の場合は、車両保険を使うよりもご自身の負担で修理したほうがお得なこともあります。無理のない範囲でなるべく高い免責金額に設定しておけば、それに応じて保険料を抑えることができます。
ご自身の経済状況を考慮し、「小さな事故であれば保険を使わない」と考えているのであれば、免責金額の設定は免責金額と保険料のバランスに優れた「0-10万」「5-5万」「5-10万」の3パターンを中心に、生活の負担にならないプランを選びましょう。
もらい事故などでご自身に過失のない事故で車両保険を使用した際は、等級に影響しないとする「車両無過失事故に関する特約」をつけることで等級への影響を抑えることも可能です。なお、「おとなの自動車保険」では、「車両無過失事故に関する特約」が自動的にセットされています。
一般車両の車両保険に加入することで、風災や水災、雪災などの自然災害による車への被害は補償されます。ただし、車両保険ですべての自然災害による損害が補償されるわけではありません。台風や洪水、高潮などでの損害は補償されますが、地震や噴火、津波などでの被害は補償されない点に注意しましょう(保険会社によっては、このような自然災害でも補償を受けられる特約を設けていることもあります)。
車両保険に加入しておけば、交通事故や自然災害などで車に損害が生じ、修理が必要になった際に備えることができます。「おとなの自動車保険」の車両保険では「一般車両」「一般車両 盗難対象外」「車対車+A」「車対車+A 盗難、水災対象外」「車との衝突のみ」などに分けられ、それぞれ補償範囲や保険料などが異なります。
補償の幅をどれだけ広げたいか、毎月の保険料負担はどこまで許容できるかなどを踏まえ、ご自身に適した保険に加入しましょう。
■「おとなの自動車保険」についてはこちら
https://www.ins-saison.co.jp/otona/