自動車保険

レンタカーに保険(補償)は必須?レンタカーを借りるときの自動車保険について

更新

2022/06/29

公開

2022/06/29

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レンタカーは気軽に車を借りられる便利さがありますが、利用する際には保険や補償内容に気を配る必要があります。レンタカーの利用には免責補償やノンオペレーションチャージなど非常に多くの細かなルールが設けられており、理解していなければ思わぬ出費に繋がる恐れもあります。

ここでは、レンタカーを安心して使うための保険のルールと注意点を解説します。

目次

    1.レンタカーを借りる際は自動車保険への加入が必須

    そもそも自動車保険には、加入が義務付けられている「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。すべてのレンタカー事業者はどちらも加入が義務づけられており、レンタカーの利用料にはレンタカー会社が加入した自動車保険の保険料も含まれています。このためレンタカーを借りる際は、自分であらためて保険に加入する必要はありません。

    ただし、保険の対象となるのは事前に申請した運転手のみです。運転手として複数人を申請することは可能ですが、それ以外の人が運転した事故の場合は保険料が支払われないことがあります。

    2.レンタカーを借りる際に加入する自動車保険の注意点

    レンタカーは会社側で自動車保険に加入しているとはいえ、それだけでは補償内容が不十分なケースが多々あります。レンタカーの自動車保険の注意点について解説します。

    補償内容が充実していないことがある

    レンタカー事業者には、対人賠償1人あたり8,000万円以上、対物賠償1人あたり200万円以上、搭乗者補償1人あたり500万円以上を補償する自動車保険への加入が義務づけられています。しかし、これらの補償内容は、自家用車の任意保険と比べると限定的です。多くのレンタカー会社では対人・対物賠償ともに無制限の自動車保険に加入していますが、補償内容はレンタカー会社によってそれぞれです。レンタカー会社で加入している自動車保険の補償内容が十分でない状態で事故を起こした場合、不足分は利用者が賠償しなければなりません。

    免責金額が0円ではない

    車の大きさによっても変わりますが、レンタカー会社で加入している自動車保険には必ずといっていいほど5万円程度の免責金額が設定されています。免責金額とは自動車保険を使用した際の自己負担額であり、保険金100万円が支払われたとしても利用者は5万円を支払わなくてはいけません。多くのレンタカー会社では、オプションとして普通車で1日あたり1,000円程度を追加で支払うことで免責金額を0円にする「免責補償制度(CDW)」を用意しており、車を借りる前に加入が問われます。ただし、こうしたオプションは免許取得1年未満、21歳未満の運転手は選択できない場合もあります。

    ノンオペレーションチャージ(NOC)がかかる

    ノンオペレーションチャージ(NOC)とは、利用者の不注意による事故や故障、盗難、内装の臭い・汚れなど、レンタカーを利用できない期間が発生した場合、その損失を利用者が補償するルールのことを指します。いわば車を修理・清掃する間の休業補償です。対象となるトラブルがあった場合、多くのレンタカー会社では、走行可能な状態で返却できた場合は2万円、走行できない場合は5万円を、事故の免責金額とは別に請求しています。NOCの支払いも、オプションで1日あたり500円〜1,000円程度を追加で支払えば免除されるオプションが存在します。

    3.レンタカーにおける基本補償と任意加入のオプションの補償内容

    レンタカーを借りるうえで悩ましいのが、任意加入のオプションです。オプションの有無で補償内容がどのように変わるかを比較します。

    基本補償で補償される内容

    基本の補償内容はレンタカー会社によって異なるものの、多くは対人賠償が無制限となっています。対物賠償も無制限の会社が多いですが、3,000万円までとしているケースもあります。搭乗者補償は多くの会社で3,000万円となっており、5,000万円を補償するのはごく少数です。対物補償と車両保険には5万円の免責金額が設定されるのに加え、車両にトラブルがあった場合は自走可能な状態なら2万円、自走不可能だと5万円をNOCとして支払うことになります。したがって、レンタカーの基本保険の補償内容は、保険料を極力抑えた一般的な任意保険と同じくらいの補償内容といえるでしょう。

    一般的なレンタカー会社の基本補償

    補償区分 補償内容 免責金額
    対人補償 1名につき無制限 なし
    対物補償 1事故につき3,000万円もしくは無制限 5万円
    車両保険 1事故につき時価額 5万円
    搭乗者補償 1名につき3,000万円〜5,000万円 なし
    NOC - 状態により2万円
    もしくは5万円

    任意加入のオプションで補償される内容

    任意加入できるオプションを設定すると、前述した対物補償・車両保険の免責金額やノンオペレーションチャージを免除することが可能です。一部では対物賠償額を3,000万円から無制限に引き上げられるオプションを用意しているレンタカー会社もあります。すべてのオプションに加入することで、ようやく一般的な任意保険の補償内容と同等になります。

    一般的なレンタカー会社のフルオプション選択時の補償

    補償区分 補償内容 免責金額
    対人補償 1名につき無制限 なし
    対物補償 1事故につき3,000万円〜無制限 なし
    車両保険 1事故につき時価額 なし
    搭乗者補償 1名につき3,000万円〜5,000万円 なし
    NOC - なし

    4.自分が加入している任意保険を利用できる

    レンタカー利用時には原則としてレンタカー会社が加入している自動車保険が適用されますが、自分で加入している任意保険の中にはレンタカーで事故を起こしても補償を受けられる特約がある場合もあります。

    他車運転特約を使って補償を受けることができる

    普段乗っている車の任意保険に自動付帯される「他車運転特約」は、代車やレンタカーの運転時にも補償を受けられる特約です。補償内容は契約中の任意保険と同じですので、対人・対物補償はレンタカー会社で加入している自動車保険の補償内容よりも充実している場合が多くなっています。レンタカーの自動車保険の補償で賄えない場合や、何らかの理由でレンタカーの自動車保険が使えない場合には、自分で加入している任意保険の他車運転特約の利用を検討しましょう。

    ただし、自分が加入している任意保険で車両保険を付帯していない場合、車両保険は使えません。また、他車運転特約の補償は運転中の事故だけですので、駐車中や停車中の事故に使えない点は注意が必要です。保険金が支払われた場合は当然ながら翌年の等級も下がります。

    ロードサービスは使用できない

    自分で加入している任意保険のロードサービスは契約中の車のみが対象となっているため、レンタカーには使用できません。レンタカーで自走できない事態に陥った場合は、レンタカー会社が指定するロードサービスや契約者が対象となるJAFなどを利用する必要があります。いずれにせよ、トラブルが起きたらまずはレンタカー会社に連絡して判断を仰いでください。

    なお、レンタカー会社が契約するロードサービスでも、燃料切れで補充した燃料や交換したバッテリーなど、実費が発生するものは原則自己負担となることは覚えておきましょう。

    1日自動車保険は対象外

    自分名義以外の車を短期で補償してもらえてコンビニなどで手軽に契約できる便利な1日自動車保険も存在しますが、レンタカーは例外なく対象外です。補償内容の拡充やレンタカー会社に申告している運転者以外の方への保険適用を目的に1日自動車保険に入っても適用されません。1日自動車保険の補償が適用されるのは個人間のカーシェアリングなどに限られており、ナンバープレートのひらがな表示が法人レンタカーを表す「わ」と「れ」には使えません。

    5.レンタカーで事故を起こしてしまったら?

    レンタカーで事故を起こした場合の対処法は、自家用車の場合と同じです。負傷者の救護および身の安全を確保したうえで警察に通報しましょう。

    レンタカー会社で加入している自動車保険は自家用車と同様、警察が発行する交通事故証明書がなければ使えません。警察に通報後、レンタカー会社に連絡して指示を仰ぎましょう。こすったなどの些細な事故でも自己判断せず、すぐに警察とレンタカー会社の両者へ連絡してください。レンタカー会社への連絡を怠った場合、保険が適用されず過大な修理費用が請求される恐れがあります。

    6.まとめ(監修者コメント)

    車に乗る時は基本的に、強制保険である自賠責保険と、任意保険の2つに加入します。自賠責保険で補償されるのは対人事故のみですので、対物事故、自分が乗っている車の修理費用、自分や同乗者がケガをした場合の治療費は補償されません。もし、レンタカーで事故を起こした場合、事故相手の車や物への損害賠償だけでなく、レンタカーそのものに対しても損害賠償責任を負いますので、自動車保険(任意保険)は必須です。なお、損害賠償責任を補償する保険には「個人賠償責任保険」もありますが、車の運転に起因する事故は補償されませんので注意しましょう。

    レンタカー利用時に事故を起こしてしまった場合、自分が加入している任意保険の「他車運転特約」を使うこともできます。ただし、もし事故を起こして自分の保険を使うと、保険料は最長3年間割高になります。対人・対物賠償や車両保険を使った場合は3等級ダウン事故となり等級が下がるだけでなく、等級が元に戻るまでの3年間は「事故有り係数」がかかってしまうからです。

    自分や同乗者のケガの補償については、ケガについては人身傷害で補償されますが、任意保険に付けていなかったりケガが心配だったりする場合は、交通事故傷害保険に別途加入すると安心です。旅行先なら国内旅行傷害保険でも良いでしょう。

    最後に、セゾン自動車火災保険では、誰でも利用できるレンタカーの優待情報を紹介するカーライフサービスを提供しています。
    レンタカーを借りる際は、ぜひご検討ください。

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    菊地 季美子
    監修
    菊地 季美子(きくち きみこ)

    2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、損害保険プランナー。生命保険会社2社に合計8年在籍した後、損害保険へ転向し、3年の営業店事務経験を経て、損害保険代理店に転職。自動車保険・火災保険の設計とFP相談を担当した経験を活かし、現在はフリーランスで執筆活動を行っている。

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