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交通事故証明書とは?必要になるシーンや取得方法を解説!

更新

2023/08/16

公開

2023/08/16

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「交通事故証明書」は、交通事故が起きたということを公的に証明する書類です。自動車保険を使用して保険金を請求する時などに必要となります。保険会社の担当者が取得してくれるケースが多いため、交通事故証明書がどんな書類なのかわからない方も多いかもしれません。

そこで、本記事では交通事故証明書に記載されている内容や必要になるシーン、自分で取得する時の手続き方法、注意点などをわかりやすく解説します。

目次

    1.交通事故証明書が必要になるのはどんな時?

    それでは、どんな時に交通事故証明書が必要になるのでしょうか?主な例を解説します。

    自分が加入している任意保険を使用する時

    事故で損害を受けた車や物、運転者(加害者)自身のケガなどに対しては、自賠責保険からは補償を受けられません。任意で加入する自動車保険を使用して補償を受けることになります。この際に交通事故証明書が必要になることがあります。

    また、自動車保険の他に交通傷害保険などの任意保険を使用する場合に交通事故証明書が必要になる場合もあり、ご自身で取得が必要になることもありますので、詳しくは保険会社に確認しましょう。

    自賠責保険を使用する時

    事故の被害者、加害者いずれの場合でも、自賠責保険を使用する時は交通事故証明書が必要になることがあります。

    注意したいのは、自賠責保険は被害者救済を目的とした保険で、人身事故の場合にのみ被害者に対して保険金が支払われ、物損事故や加害者のケガなどは補償対象にならないということ。交通事故証明書に人身事故か物損事故かが記載されていますが、人身事故なのに物損事故になっていた場合は、医師の診断書を警察署に提出して切り替え手続きをする必要があります。

    労災保険を申請する時

    仕事中や通勤途中に交通事故にあってケガを負った時は、労災保険を使用することが可能です。事故が原因で仕事を休んだ場合の休業補償給付の支給や、ケガの治療費の支給などを受けられます。労災保険を使用する際にも交通事故証明書が必要になることがあります。

    交通事故の相手に損害賠償請求訴訟を起こす時

    示談交渉が決裂して相手に損害賠償訴訟を提起する場合や、交通事故紛争処理センター(ADR)などを利用して解決を目指す場合も交通事故証明書が必要です。

    2.交通事故証明書にはどんなことが書いてある?

    交通事故証明書は、交通事故が発生したことを公的に証明する重要な書類です。事故が発生した時に警察に届け出ることで、警察が実況見分して現場を確認。申請をすると、その内容をもとに各都道府県にある自動車安全運転センターで交通事故証明書が交付されます。

    それでは、どんなことが記載されているのか、見本をもとに内容を見てみましょう。

    交通事故証明書の見本
    出典
    自動車安全運転センターウェブサイトを加工して作成
    1. 事故の発生日時・発生場所
      事故の発生日時や場所が記載されています。
    2. 当事者の情報
      交通事故の当事者の氏名、住所、車種、車両番号、自賠責保険に関する情報などが記載されています。事故当時、当事者は車を運転中だったのか、歩行中だったのかなども記されます。
    3. 事故類型
      人対車両の事故、車両同士の正面衝突、接触、追突など、事故の簡単な内容が記載されています。
    4. 照合記録簿の種別
      人身事故か物損事故のいずれかが記載されます。

    交通事故証明書はあくまでも事故が発生したことを証明するものですので、事故の発生原因や目撃者の証言、過失割合などは記載されていません。

    3.交通事故証明書の取得方法は?

    交通事故証明書は各都道府県にある自動車安全運転センターで取得することができます。申請方法は次の通りです。

    申請できる人

    最初に、交通事故証明書を申請できるのは、下記に該当するいずれかの人です。

    • 交通事故の当事者(加害者、被害者)
    • 当事者から委任を受けた人(保険会社、弁護士など)
    • 交通事故証明書の交付を受けることで正当な利益がある人(損害賠償の請求権のある親族、保険金の受取人など)

    一般的に、交通事故証明書は、事故の加害者側が加入している任意保険の保険会社が取得することがほとんどです。加害者の任意保険会社に損害賠償を請求する時は、被害者は交通事故証明書を取得する必要はありません。損害賠償請求以外の理由で証明書が必要になった場合は、加害者側の任意保険の会社に依頼すれば、原本証明印を押した写しを送ってもらうことができます。

    交通事故証明書の申請方法

    申請する方法は3種類あります。それぞれの方法を見てみましょう。

    自動車安全運転センターの事務所窓口で申請

    センター事務所の窓口に申請用紙がありますので、必要事項を記入し、手数料を添えて申し込みます。交付手数料は1通につき800円です。交通事故資料がすでに警察から届いていれば、即日交付されます。届いていない場合は、後日郵送されます。

    また、申請自体は交通事故が発生した場所に限らず、最寄りの自動車安全運転センターで行うことができます。ただし、交通事故証明書の交付は交通事故が発生した都道府県にある事務所でなければなりません。発生した都道府県と異なる場合は、後日郵送になります。

    窓口申請用紙の見本(東京都)
    出典
    自動車安全運転センター

    ゆうちょ銀行・郵便局で払い込み

    「交通事故証明書申込用紙」に必要事項を記入し、ゆうちょ銀行・郵便局で申し込むこともできます。申し込み用紙は自動車安全運転センター事務所、警察署・交番・駐在所で受け取ることができます。手数料は1通につき800円で、別途払込手数料がかかります。証明書は申請から10日ほどで郵送されます。

    交通事故証明書申込用紙の見本(東京都)
    出典
    自動車安全運転センター

    インターネットからの申請

    交通事故の当事者であれば、自動車安全運転センターのWebサイトから申請することもできます。ただし、交通事故が発生した時に警察に届け出た住所と現住所が異なる場合は申請できません。

    申請手順は、メールアドレスを登録すると申し込み専用のURLが記載されたメールが届きますので、そのURLから申し込みをします。費用は、交付手数料が1通につき800円、払込手数料が1通につき132円かかります(金融機関によっては別途費用が発生することもあります)。支払期間は申し込みから7日以内で、コンビニエンスストアや金融機関のペイジー(Pay-easy)、ネットバンクから支払います。原則的に入金が確認され次第郵送されますが、10日ほどの日数を要する場合もあります。

    自動車安全運転センター「各種証明書のインターネット申請」

    4.交通事故証明書には発行期限がある

    交通事故証明書は取得できる期間に制限があります。人身事故は事故発生から5年、物損事故は事故発生から3年が発行期限となっています。示談交渉が長引いている時などは、後になって交事故証明書が必要になることがありますので注意しましょう。

    5.交通事故が起きた時にまずするべきことは?

    道路交通法(72条1項前段)には交通事故が発生した時は、運転者や乗務員はただちに車を止めて、負傷者の救護や道路の危険防止、警察への報告などをしなければならないと定められています。万が一の時に備えて、交通事故が発生した時にするべきことをおさらいしておきましょう。

    1. 負傷者の確認、救護措置
    2. 車を安全なところに移動させるなど、後発事故の防止措置
    3. 警察に連絡(届出)する
    4. 相手の情報確認
    5. 警察官に事故の状況を説明する

    警察への届け出は義務

    交通事故が発生した時は、物損事故・人損事故のどちらでも、必ず警察へ届け出なければなりません。道路交通法(72条1項前段)には、「警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に報告しなければならない」と義務づけられています。届け出は、最寄りの警察署に行くか、その場で110番通報するなどして報告することです。

    もしも、警察に届け出ていないと、交通事故証明書は発行されません。自動車保険の補償も受けられなくなる可能性があります。また、自分が加害者の場合、事故を通報しなかったことでひき逃げなどの罪に問われることもありえます。「たいした事故ではないから」「ケガはしていないし、時間もないから」などと相手に届け出るのをやめるように言われても、必ず警察に連絡しましょう。

    なお、届け出は後日行うこともできます。この場合も、相手の氏名、住所、連絡先や事故が発生した日時・場所などについての情報が必要になります。また、事故発生時から日時が経過していると、事故現場の証拠が薄れて過失割合が認定できなかったり、ケガと事故の因果関係が認められなくなったりすることもあります。事故が発生した時は、その場ですみやかに警察に連絡したほうが良いでしょう。

    6.監修コメント

    何十年も前の話になりますが、中学生の頃に道路に飛び出し、ダンプカーに跳ねられた経験があります。加害者は車から降りてきてくれましたが、私が謝っていたからでしょう。その場から立ち去ってしまいました。ケガは腕の骨折だけでしたが、自分で病院に行き、警察への通報が遅れたこともあり、加害者を特定できませんでした。後になって考えると、ダンプカーが速度超過をしていなければ止まれる場所での事故でした。

    交通事故はその場で処理をしないと、事故を証明できなかったり、加害者が逃げ得になったりする可能性が高まります。当事者は気が動転していることもあるので、事故現場に遭遇したら通報などを手伝ってあげるようにしましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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