自動車保険

自動車保険で保険金を受け取った場合は税金がかかる?申告方法についても解説

更新

2021/09/15

公開

2021/09/15

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自動車事故にあったときには、自賠責保険や任意保険からの保険金を受け取ることができますが、この保険金に税金はかかるのでしょうか。

自動車事故で受け取った保険金は、誰が受け取るのかによって税務上の扱いが変わり、所得税や相続税、贈与税などがかかる場合があります。

この記事では、自動車保険(任意保険)で保険金を受け取った場合の税金について、詳しく解説します。

目次

    1. 自動車保険(任意保険)で保険金を受け取った場合に税金はかかる?

    自動車事故によって自賠責保険や自動車保険(任意保険)から保険金を受け取った場合、誰が保険金を受け取ったかによって税務上の扱いが変わります。

    以下で、自動車保険の保険金にかかる税金について、いくつかのパターンに分けて解説します。

    事故の被害者が保険金を受け取った場合の税金

    自動車事故の被害者が保険金を受け取った場合は個人の収入になります。しかし、この保険金は「損害を補填するためのお金」であり、利益としてのお金ではありません。そのため、自動車事故で受け取った保険金には、税金がかからないと定められています。

    自動車保険は、一般的には以下のように「賠償保険」「傷害保険」「車両保険」の3つに分けられます。

    賠償保険 事故により第三者に損害を与えた場合、保険会社から被害者に支払われる保険
    傷害保険 記名被保険者やその家族などの損害を補償する保険
    車両保険 事故により破損した車両の損害を補償する保険

    これらの保険で受け取る保険金はいずれも利益ではないため、所得税はかかりません。

    被害者が死亡して遺族が死亡保険金を受け取った場合の税金

    事故の被害者が死亡して、遺族など被保険者以外の人が死亡保険金を受け取った場合は、所得税や相続税、贈与税のいずれかがかかります。ただし相手側の過失割合部分は、遺族が受け取った場合も原則非課税となります。

    以下で、死亡保険金にかかる3つの税金について解説します。

    自動車保険の保険金が所得税になる場合

    死亡保険金に所得税がかかるのは、保険料の負担者と死亡保険金の受取人が同一の人の場合です。死亡保険金を一時金として受け取る場合は「一時所得」、年金として受け取る場合は「雑所得」として課税されます。

    例えば、夫が自動車保険料を負担していて、妻が事故で亡くなり、死亡保険金を夫が一時金として受け取った場合は、一時所得と見なされ課税されます。

    一時所得金額の計算手順は、以下となっています。(他に一時所得がある場合は合算して計算することになります。)

    1. 死亡保険金の総額から、今まで支払ってきた払込み済み保険料の総額を差し引く
    2. 差し引いた後の金額から、一時所得の特別控除額である50万円を引く

    これらの計算で算出した「一時所得金額」の2分の1の金額を、一時所得として申告します。

    死亡保険金を年金として受け取った場合は、公的年金以外の雑所得として課税されます。

    雑所得金額は、「その年に受け取った年金の総額から、その金額に対応する払込保険料や掛金の額を引いた金額」となります。

    また、死亡保険金を年金として受け取る場合は、原則として10.21%が源泉徴収されます。

    自動車保険の保険金が相続税になる場合

    死亡保険金に相続税がかかるのは、死亡した被保険者と保険料の負担者が同じ場合です。例えば、父親が自動車保険料を負担していて被保険者であり、死亡保険金の受け取りが妻や子だった場合は、受取人が相続人(配偶者や血族)であるため、相続税がかかります。

    死亡保険金の受取人が相続人でなかった場合も、遺贈によって受け取ったとみなされるため、やはり相続税がかかります。

    自動車保険の保険金が贈与税になる場合

    死亡保険金に贈与税がかかるのは、事故により死亡した被保険者と自動車保険の保険料を負担する人、死亡保険金の受取人がすべて別の人であった場合です。このケースでは、死亡保険金は「保険料の負担者から、受取人への贈与」と見なされるため、死亡保険金を受け取った人に贈与税が課税されます。

    例えば、保険料の負担者が夫、被保険者が妻、保険金受取人が子供だった場合は、死亡保険金は「夫から息子への贈与」と見なされることになります。

    2. 自動車保険(任意保険)の保険金で税金がかかる場合の申告方法

    では、死亡保険金に税金がかかる場合は、どのように税金を申告すればよいのでしょうか。「所得税」「相続税」「贈与税」のそれぞれで申告方法や申告のタイミングが異なるため、しっかりと理解しておくことが大切です。

    以下で、3種類の税金の申告方法について解説します。

    所得税の申告方法と控除について

    所得税の申告は、1月1日~12月31日までの所得を、原則翌年の2月16日から3月15日の間に行います。死亡保険金が一時所得に該当する場合は、期限内に確定申告を行いましょう。

    申告するには、確定申告書を作成して税務署に持参や郵送する方法、インターネットを通じて提出する方法があります。

    一時所得を申告するときには、収入の欄に受け取った死亡保険金の金額を書き、所得の欄に「保険契約時から死亡保険金受取りまでに支払った払込済保険料の総額」と「一時所得の特別控除額の50万円」を引き、それを半分にした額を記載しましょう。

    死亡保険金を年金として受け取る場合は「公的年金等以外の雑所得」として所得税が課税されますが、原則として10.21%が源泉徴収されるため、確定申告は必要ありません。

    ただし、「公的年金等の収入金額が400万円を超える人」「公的年金等に係る雑所得以外の雑所得金額が20万円を超える人」は、確定申告が必要です。

    相続税の申告方法と控除について

    死亡保険金に相続税がかかる場合は、土地や建物、現金預金など、相続税が課される他の財産もまとめて申告をしましょう。

    相続税を申告する場合は、被相続人の相続税は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10カ月以内に申告し、納税する必要があります。

    相続税には基礎控除が設けられており、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を相続財産の金額から控除できます。

    例えば、1億円の相続財産があり、法定相続人が3人の場合の控除額は「3,000万円+1,800万円=4,800万円」となります。

    そして、「1億円-4,800万円=5,200万円」となることから、5,200万円を相続財産として申告することになります。

    相続税の申告は、「相続税の申告書」を「税務署」や「被相続人の死亡の時における住所地を管轄する税務署」へ期限内に持参または送付します。また、インターネットを通じたe-Taxにて、申告書を提出することも可能です。

    贈与税の申告方法と控除について

    贈与税の申告は、「贈与税の申告書」を作成して税務署に提出します。贈与税の申告時期は原則、財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までの間に申告することとなっています。

    一度に納税することが難しい場合は、一定条件を満たすと、5年以内の年賦(延納)を選ぶことができます。

    贈与税には「受贈者一人につき年間110万円」の基礎控除が設けられています。そのため、基本的には贈与を受けた金額が年間110万円以内であれば、贈与税を申告する必要がありません。

    例えば、1,000万円の死亡保険金を贈与として受け取った場合は、贈与税の申告書には1,000万円ではなく、控除額を引いたあとの890万円を記載しましょう。

    3. 被害者が死亡して遺族が保険金を受け取ると税金がかかる

    自動車保険の保険金は、税金がかかる場合とかからない場合があります。死亡保険金を被保険者以外が受け取る場合は、所得税や相続税、贈与税がかかるため、税金の種類に合った方法で申告することが大切です。

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    内山 貴博
    監修
    内山 貴博(うちやま たかひろ)

    内山FP総合事務所株式会社代表取締役。九州共立大学経済学部非常勤講師。証券会社の本社部門に勤務後、2006年に独立。FP相談業務を中心に、セミナー、金融機関研修、FPや証券外務員の資格対策講座などを担当。専門誌や情報サイトでの執筆も。また、中小企業の経営者向けに経営と家計を融合したコンサルティング業務や、日本での生活やお金のことに疑問を抱える外国人向けのFP相談業務(英語)を開始するなど、FPとしてできることは何でも挑戦すべく、日々活動中。主な著書に「駆け出しFPの事件簿」(きんざい)、「お金の使い方テク」(朝日新聞出版)がある。「FPお金レッスン」動画も配信中。

    HP:内山FP総合事務所株式会社
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