自動車保険
「外車(輸入車)の購入を検討しているけれど、自動車保険に加入する場合、国産車と比べて保険料が高くなるのだろうか」という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
外車というだけで保険料が高くなることはありませんが、さまざまな理由から結果的に高くなる傾向があることも事実です。
そこで本記事では、外車の購入を検討している方に向けて、自動車保険料の算出基準や、外車の保険料が高くなる原因、さらに、保険に加入する際にあわせて確認すべきポイントとして税金・車検代・燃料代といった維持費用について徹底解説します。
目次
「外車だから」という理由によって、国産車よりも保険料が高くなることはありません。保険料の基準自体は国産車と同じです。
ただし、外車は「型式別料率クラス」が高くなる傾向があります。そのことが原因で、結果的に保険料が高くなるケースがあることにご留意ください。型式別料率クラスについては、次項で詳しく説明します。
型式別料率クラスとは、自動車ごとの特性やユーザー層などに基づくリスクの違いを評価するために、自動車検査証に記載されている型式ごとに事故実績などを踏まえて算出した区分です。自家用普通乗用車・自家用小型乗用車はクラス1~17の17区分、自家用軽四輪乗用車はクラス1~3の3区分となっており、料率クラスは毎年見直されます。
「対人賠償保険」「対物賠償保険」「搭乗者傷害特約」「車両保険」といった補償内容ごとにいずれかの型式別料率クラスが適用され、クラスが高くなるほど保険料も高くなることを覚えておきましょう。
「BMW」「トヨタ」「スバル」の車両について、「保険始期が2021年1月1日~12月31日」の型式別料率クラスを表にまとめました。
※損害保険料率算出機構にて2021年7月31日に調査した結果であり、セゾン自動車火災保険の料率ではありません。
車両 | 対人賠償保険 | 対物賠償保険 | 搭乗者傷害特約 | 車両保険 |
メーカー:BMW 車名:1 型式:1A16 |
5 | 7 | 7 | 13 |
メーカー:トヨタ 車名:プリウス 型式:ZVW30 |
9 | 9 | 11 | 8 |
メーカー:スバル 車名:WRX 型式:VAG |
1 | 3 | 6 | 8 |
表を見ると、外車の車両保険の料率クラスが国産車よりも高い傾向があることが分かります。
型式別料率クラスは補償内容ごとに決められていますが、外車は国産車よりも高級車が多いため、特に「車両保険」のクラスが高い傾向が見受けられます。なお、国産車でも高級車の場合、車両保険のクラスが高くなるため、外車に限ったことではありません。
以下、高級車の車両保険の料率クラスが高い理由をご紹介します。
外車は高級車が多く、高価な部品が使われているケースが多いことが特徴です。海外から部品を取り寄せる必要がある場合、輸送コストがかかることも修理費用が高くなる原因といえるでしょう。
車両価格や修理費用が高い外車については、車両保険の料率クラスが高くなり、その結果、自動車保険料が高額になる傾向があります。
外車は高級車が多いため、盗難や車上荒らしの標的にされるリスクが高い傾向にあります。
車両保険はパーツの盗難や窓ガラスの破壊などによる損害もカバーしていますので、これらのリスクが高い外車は車両保険の料率クラスが上昇し、その結果、自動車保険料が全体として高くなるケースがあることにご留意ください。
外車は、自動車保険の保険料以外に維持費用も高くなるケースがありますので確認しておきましょう。維持費用は主に、以下の3つがかかります。
①税金
②車検代
③燃料代
それぞれについて詳しく説明していきます。
自動車の取得・保有に伴って発生する税金は、以下の4種類です。
● 消費税(および地方消費税):購入時にかかる国税・都道府県税
● 自動車税環境性能割:購入・取得時にかかる都道府県税であり、燃費が良い車両になるほど税率が低くなる
● 自動車税種別割:毎年かかる都道府県税であり、排気量が多い車両になるほど税率が高くなる
● 自動車重量税:毎年かかる(※)国税であり、重量が大きい車両になるほど税率が高くなる
自動車税種別割と自動車重量税については、自動車を保有している限り納め続けなければならないことにご注意ください。ちなみに、排気量や重量が大きい外車の場合、課税額が大きくなりますが、外車といっても千差万別であり、排気量や重量が小さいものも存在します。そのような外車を選べば、課税額を抑えることが可能です。
(※)新規登録時と車検時に複数年度分をまとめて納付
車検時にかかる費用のうち、自動車損害賠償責任保険の保険料と検査登録印紙代については、外車と国産車の違いはありません。
整備費用については、外車の方が高くなる傾向があります。これは、部品を海外から調達しなければならず、国産車よりもコストがかかることが原因です。ただし、外車といってもさまざまな種類があり、個々の車両によって整備費用に差があります。
欧州ではオクタン価表示95のガソリンが「レギュラー」とされており、そのようなガソリンで性能が最大になるように設計されている外車が多いです。
オクタン価とは、ガソリンのアンチノック性(耐爆性)を示す尺度のことです。最もノッキングしやすい n-ヘプタンのオクタン価を 0 、最もノッキングしにくいイソオクタンを 100 とし、イソオクタンの容量%を0~100の数値で表します。
日本のガソリンの場合、「レギュラー」のオクタン価は89~91程度、「ハイオク」のオクタン価は96~100程度です。そのため、「ハイオク」のガソリンを給油しなければならない外車は、国産車よりも燃料代が高くなる傾向があります。
なお、出力や燃費が低下したり、高負荷走行時に異常燃焼によるノッキングが発生しやすくなったりするので、「レギュラー」のガソリンをハイオク仕様の外車に給油してはいけません。また、「外車の燃料代が高い」というのは、あくまでも一般的傾向です。個々の車両によっては異なるケースもあることにご注意ください。
外車は車両保険の型式別料率クラスが高いケースが多く、結果として自動車保険の保険料も高くなる傾向にあります。ただし、外車といってもさまざまな車両が存在するため、すべての外車の保険料が高いとは限りません。
ご自身が保有する、または、購入を検討している車両の料率クラスや保険料については、損害保険料率算出機構の公式サイトで調べたり、保険会社に問い合わせたりすることをおすすめします。
自動車保険に加入するなら、セゾン自動車火災保険の「おとなの自動車保険」をご検討してみてはいかがでしょうか。補償内容を自由に組み合わせることが可能なので、まずはシミュレーションをお試しください。
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