自動車保険は満期を迎えていなくても解約可能であり、解約時に「解約返れい金」を受け取れる場合があります。
解約返れい金は、途中解約をした際に残りの保険期間に応じて解約返れい金を受け取ることができます。しかし、一部例外もあるので注意が必要です。
本記事では、「満期を迎える前に自動車保険を解約したい」という方に向けて、保険期間の途中で解約した際に受け取れる解約返れい金の計算方法や、解約手続きの流れについて徹底解説します。
- 目次
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1. 自動車保険を保険期間の途中で解約すると解約返れい金を受け取れる
保険期間の途中で自動車保険を解約すると、保険料の一部が返還される場合があります。返還される保険料は、「解約返れい金」と呼ばれます。
2. 自動車保険の解約返れい金の計算方法
保険料の支払方法は、基本的に「年払(一括払)」および「月払(分割払)」の2種類です。以下、それぞれのケースにおける、解約返れい金額の「一般的な計算方法」を説明します。
「年払(一括払)」で契約している場合
保険料の支払方法として「年払(一括払)」を選択している場合は、一般的に「短期率」(または「短期料率」)と呼ばれる係数を用いて解約返れい金の額が計算されます。
既経過期間に応じて係数(短期率)が定められており、年間保険料に「1-(既経過期間に対応する短期率)」をかけて解約返れい金の額が算出されることを覚えておきましょう。
既経過期間 | 短期率 |
---|---|
7日まで | 10% |
15日まで | 15% |
1ヵ月まで | 25% |
2ヵ月まで | 35% |
3ヵ月まで | 45% |
4ヵ月まで | 55% |
5ヵ月まで | 65% |
6ヵ月まで | 70% |
7ヵ月まで | 75% |
8ヵ月まで | 80% |
9ヵ月まで | 85% |
10ヵ月まで | 90% |
11ヵ月まで | 95% |
12ヵ月まで | 100% |
例えば、「年間保険料が5万円」「すでに経過した契約期間が10日間」の場合の解約返れい金は、50,000円×(1-0.15)=42,500円となります。なお、短期率は保険会社によって異なることにご注意ください。
※「おとなの自動車保険」の場合は、保険始期日が2022年12月31日以前の契約の場合は、短期率ではなく、「月割」(既経過期間のうち「1ヶ月未満の端日数」は切り上げて「1ヶ月」として計算)で解約返れい金を算出します。上記の計算方法は保険始期日が2023年1月1日以降の契約の場合になります。
「月払(分割払)」で契約している場合
一般的に自動車保険料は日割りで計算されないため、「月払い(分割払い)」で支払っている場合は解約返れい金が発生しません。
なお、毎月の「保険始期日と同じ日」を1日でも超えてしまうと、次の1ヶ月分の保険料を支払う必要があります。
3. 保険期間の途中で解約した場合でも「等級」は引き継がれる
「ノンフリート等級制度」は、基本的に自動車保険会社共通の仕組みです。自動車保険の契約を中途解約して、ほかの保険に乗り換えても、原則としてノンフリート等級が引き継がれることを覚えておきましょう。
しかし、解約日の翌日から7日間以内に次の契約が開始しない場合など、解約理由によって等級は引き継がれません。また、解約により無保険期間が発生する恐れがあることにも注意が必要です。
なお、事故を起こしていない場合、満期日に切り替えた場合は、切り替えのタイミングで等級が1つアップしますが、保険期間の途中で切り替えた場合は、前の契約と同じ等級からスタートするため、等級の進み方や事故有係数適用期間の減少が遅れる可能性があることにご注意ください。
ちなみに、等級が最も高い「20等級」である場合は、それ以上に等級が上がらないため、等級継承のデメリットなしで途中解約・切り替えを行うことができます。
4. 自動車保険の解約手続きの流れ
基本的に、自動車保険の解約手続きはインターネット上で行えます。ただし、インターネットで手続きを行えないケース(「ノンフリート等級が1~5等級の場合」「保険請求をした、または、する予定がある」など)もあるので、各保険会社の公式サイトなどで条件を確認しましょう。
インターネットで解約手続きを行えない場合は、電話で保険会社に連絡しなければなりません。電話で解約手続きを行う場合は受付時間に注意しましょう。
以下、一般的な解約手続きの流れをご紹介します。
インターネットでの解約手続きの流れの一例
インターネットから解約をする流れは、以下のとおりです。
- 移行先の保険会社の保険始期日を決める
- 契約中の保険会社の「マイページ」にログインする
- 画面内容に従って、解約に必要な個人情報等を入力する
- 「解約手続き」をクリックし、解約手続きを行う
- 「お手続き完了のお知らせ」が契約者の住所に送付される
契約の重複や自動車保険に未加入の期間が発生しないように、契約中の自動車保険の解約日は、移行先の保険会社の保険始期日にあわせるようにしましょう。
「海外渡航」や、契約している車の「廃車」「譲渡」「車検切れ」などの理由により、一時的に契約を中断する場合は、次回契約時にノンフリート等級を引き継ぐことができる「中断証明書」の発行が可能となる場合があります。
また、先に現車両を手放し、新車両の納車まで契約応当日をまたぎ1ヶ月以上ある人は、解約したうえで中断証明書を発行するのがよいでしょう。
5. まとめ
自動車保険は、保険期間の途中であっても解約できます。満期になる前に解約すると、解約返れい金を受け取れる場合があることを覚えておきましょう。
なお、ご紹介したものは解約返れい金額の一般的な計算方法です。ご自身が加入している自動車保険の解約返れい金の具体的な計算方法については、各保険会社にお問い合わせください。
また、保険期間の契約途中の解約であっても、等級の引継ぎは可能ですが、解約理由によって等級は引き継がれない場合もあります。さらに、事故を起こしていなくても、保険期間の途中で切り替えたときには、前の契約と同じ等級からのスタートとなるため、等級の進み方が異なる点には注意が必要です。
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