1日自動車保険は、「帰省するときに親の車を使いたいけれど、家族の自動車保険では補償が受けられない」「友人の車を借りたいけれど、事故を起こしてしまったらどうしよう」など、このようなときに選択肢となる自動車保険です。
本記事では、1日自動車保険の概要や補償内容、メリットやデメリットを解説します。1日自動車保険の加入以外の対処法も紹介しているので、参考にしてください。
- 目次
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1. 1日自動車保険とは
1日自動車保険(※)は、名称のとおり、1日(24時間)単位で加入する自動車保険です。通常は年単位で加入するため、一般的な自動車保険と契約期間が異なります。
例えば、たまに車を借りて運転する場合、もしもの事故に備えて自動車保険(任意保険)の加入は必須といえますが、年単位の契約では保険料の負担が重いと感じる方もいるでしょう。
1日自動車保険なら、車を運転するときだけ自動車保険に加入できます。必要なときすぐに加入でき、事故やトラブルがあったときは契約内容にしたがって補償を受けられる点が特徴です。
※セゾン自動車火災保険では、1日自動車保険の取扱いはありません。
1日自動車保険はどのような車が対象か
1日自動車保険の主な契約対象は、親や友人(他人)が所有する車です。加入する1日自動車保険によって違いはありますが、一般的に次のような車は契約対象外となるので注意しましょう。
- 記名被保険者(運転者本人)や指定被保険者(記名被保険者と同等の補償を受けられる方)が所有する車
- 記名被保険者の配偶者が所有する車
- レンタカー
- カーシェアリングの車
- 車検が切れている車や登録が抹消されている車
1日自動車保険は、ご自身が所有する車で契約することはできません。また、ご自身の配偶者が所有する車やレンタカーも契約対象外です。
そのほか、1日自動車保険によっては、スポーツカーや一部の外国製の車を契約対象外とする場合もあります。
2. 1日自動車保険の補償内容
1日自動車保険の補償内容は、保険会社の商品やプランで違いがあります。1日自動車保険で提供される主な補償内容は次のとおりです。
主な補償の種類 | 内容 |
---|---|
対人賠償保険 | 車を運転中の事故などにより他人を死傷させた場合(対人事故)の補償 |
対物賠償保険 | 車を運転中の事故などにより他人の車や家屋などの財物に損害を与えた場合(対物事故)の補償 |
自損傷害保険 | 契約車の搭乗者が、電柱へ衝突したり、ガケから転落したりするなど、自損事故(単独事故)等により死傷した場合の補償 |
搭乗者傷害特約 | 契約車の搭乗者が、電柱へ衝突したり、ガケから転落したりするなど、自損事故(単独事故)等により死傷した場合の補償 |
対物超過修理費用特約 | 相手の車の修理費が時価額を上回り、対物賠償だけでは補えない差額を自己負担するときの補償 |
ロードサービス | 接触事故やエンジントラブルなどで車が走行できなくなったときに救援を依頼できるサービス |
事故現場アシスト | 事故発生時に専門スタッフへの電話相談や、修理工場・病院への各種手配などの初期対応など、事故発生から24時間以内をサポートするサービス |
車両復旧費用保険 | 事故により借りた車に損害が発生したときの補償 |
弁護士費用特約 | 借りた車での事故により相手方への法律上の損害賠償請求について弁護士に依頼または相談したいときの補償 |
例えば、対人賠償保険に加入していると、運転中の事故で他人を死亡させたり、ケガを負わせてしまったりしたときに、自賠責保険でカバーしきれない部分が補償されます。
対物賠償保険は、事故で他人の車やガードレールなどを破損したときに、補償が受けられます。自賠責保険では補償されないので、付けておくべき補償です。ただし、プランによっては免責金額(自己負担額)が設けられている場合があります。
そのほか、自損傷害保険や搭乗者傷害特約、対物超過修理費用特約、ロードサービスは基本補償に含まれる商品が一般的です。
また、保険会社によっては、専門スタッフの電話相談や、修理工場や病院への手配を含めた初期対応など、事故発生から24時間サポートする事故現場アシスト(サービス)が含まれている場合もあります。
借りた車の損害を補償する車両復旧費用保険や、借りた車での事故による弁護士費用などを補償する弁護士費用特約は、プランによって付けるかどうかを選べる商品が多くなっています。
3. 1日自動車保険とドライバー保険の違い
ドライバー保険(※1)は、借りた車で事故を起こした場合などを補償する自動車保険です。1日自動車保険と同様に車を借りて運転する方が加入するケースが多いですが、両者はどのように違うのでしょうか。
1日自動車保険とドライバー保険の主な違いは次のとおりです(※2)。
1日自動車保険 | ドライバー保険 | |
---|---|---|
保険期間 | 1日(24時間)単位で加入 | 原則1年単位で加入 |
車両復旧費用保険(車両補償) | プランにより付いている | 付けられない |
保険の対象車 | 自家用乗用車のみ | 自家用乗用車のほか、自家用貨物車や二輪自動車、原動機付自転車も対象 |
1日自動車保険とドライバー保険の大きな違いは、保険期間です。1日自動車保険は名称のとおり、1日単位での加入が可能であるのに対し、ドライバー保険は原則1年単位での加入です。
そのほか、ドライバー保険は通常、車両復旧費用保険(車両補償)を付けられない点に注意しましょう。また、保険の対象車は、1日自動車保険に比べてドライバー保険のほうが幅広い傾向にあります。
※1セゾン自動車火災保険では、ドライバー保険の取扱いはありません。
※2一般的なケースであり、加入する保険により異なる場合があります。
4. 1日自動車保険で必要なものと申込方法
1日自動車保険は、比較的簡単な手続きで加入できます。1日自動車保険に加入するときに必要なものと申込方法を解説します(※)。
※セゾン自動車火災保険では、1日自動車保険の取扱いはありません。
1日自動車保険で必要なもの
1日自動車保険への加入で必要なものは次のとおりです。
- 運転免許証
- 氏名や生年月日、電話番号やメールアドレスなどの情報
- 運転する車のナンバー(登録番号または車両番号)
運転者本人の情報登録が必要となるので、運転免許証や連絡が取れる電話番号、メールアドレスを準備しましょう。初回に運転者の情報を登録すれば、2回目以降は登録(入力)を省略できる商品もあります。
運転する車の情報登録も必要です。事前に借りる車のナンバー(登録番号または車両番号)を確認して、メモしておきましょう。
1日自動車保険の申込方法
1日自動車保険に申込む流れは次のとおりです。
- 必要情報の登録
- 契約の申込み
- 契約の成立
1日自動車保険の多くは、スマホやパソコンで情報登録や契約の申込みなどの手続きが可能です。事前登録または契約申込みサイトにアクセスして、画面に表示された指示に従い、必要な情報を入力しましょう。
必要な情報を入力後、重要事項説明書などを確認して、契約の申込みが完了します。保険会社で内容が確認されて、問題がなければ契約が成立します。
保険会社によっては、コンビニのマルチコピー機で契約を申込めます。ただし、マルチコピー機で直接手続きをするほかに、スマホで事前に情報登録が必要な場合があります。
コンビニでの申込みは保険料をレジで支払えるので、現金での支払いを希望する方におすすめです。
5. 1日自動車保険の活用例
1日自動車保険は、次のような場面で自動車保険に加入したいときに便利です。
- 実家に帰省中、買い物で実家の車を借りるとき
- 友人の車で旅行に出かけ、交代で運転をするとき
- 新車を購入したが、納車日まで時間が空くので一時的に家族の車を借りるとき
- 免許を取得して知人の車で練習したいとき
- 引っ越しで1日だけ友人の車を借りるとき
運転免許証を取得していても、車を所有していないケースは少なくありません。1日自動車保険は、上記のように多彩なシーンで役立ちます。
6. 1日自動車保険のメリット
1日自動車保険は、一般的な自動車保険に比べていくつかのメリットがあります。主なメリットは次のとおりです。
- 少ない金額負担で補償を受けられる
- スマホやコンビニで申込みできる
- 車両復旧費用保険を付けられる
- 料金形態がシンプルでわかりやすい
以下で詳しく解説します。
少ない金額負担で補償を受けられる
1日自動車保険の大きなメリットは、少ない負担で補償を受けられる点でしょう。
商品やプランによって保険料は違いますが、1日(24時間)あたり数百円で加入できるプランも提供されています。少ない負担でもしもの事故に備えられ、安心して運転できる点は1日自動車保険の特徴です。
スマホやコンビニで申込みできる
1日自動車保険は、スマホやコンビニで手軽に申込みできる点もメリットです。
一般的な自動車保険の場合、申込みには車検証情報の確認や保険料の見積り、書類の提出など、契約完了まで手間や時間がかかります。「明日、友達の車を借りるので自動車保険を加入したい」と思っても、すぐに手続きできるとは限りません。
一方、1日自動車保険の場合はスマホやコンビニで申込みでき、保険商品やプランによっては当日の加入も可能です。ご自身の利用したいタイミングに合わせて申込みできる利点があります。
車両復旧費用保険を付けられる
1日自動車保険では、プランにより車両復旧費用保険(車両補償)を付けられます。ドライバー保険の場合、車両復旧費用保険を付けられない商品が一般的です。
先述のとおり、車両復旧費用保険は、事故により借りた車に損害が発生したときの修理費用を補償します。もしもの事故にあった場合でも、車両復旧費用保険に加入していると、契約の範囲内で車両補償が受けられるので安心して運転できます。
なお、加入するプランによっては、「車同士の事故のみ対象」など、補償範囲が異なる点に注意しましょう。
料金形態がシンプルでわかりやすい
1日自動車保険には、一般的な自動車保険のような等級制度は設定されていません。また、各プランによって保険料が決まっているため、運転歴などに関係なく、誰でも商品やプランごとに定められた保険料で加入できます。
7. 1日自動車保険のデメリット
1日自動車保険はいくつかのメリットがある反面、注意したい点もあります。加入するときは、メリットだけではなくデメリットも把握しておきましょう。主なデメリットは以下のとおりです。
- 運転するたびに契約が必要となる
- 支払方法が限定される
- プランによっては付けられる特約が少ない
以下で詳しく解説します。
運転するたびに契約が必要となる
1日自動車保険は、原則1日(24時間)単位で契約します。そのため、一般的な自動車保険と異なり、運転するタイミングのたびに契約が必要となり、手間がかかる場合があります。
支払方法が限定される
1日自動車保険の支払方法は、保険会社によって違いはありますが、クレジットカード決済やキャリア決済が一般的です。
金融機関の口座振替や現金払いを希望する方にとっては、不便さを感じる場合があります。
プランによっては付けられる特約が少ない
1日自動車保険には通常、対人賠償保険や対物賠償保険などが基本補償として含まれています。しかし、商品によって弁護士費用特約(事故で弁護士に依頼する費用の補償)など、一般的な自動車保険で付けられる特約などが、付けられない場合があります。
また、1日自動車保険は車両復旧費用保険を付けられますが、車両復旧費用保険を付けると、保険料が2,000円~3,000円となるケースもあり、補償が手厚くなる分、保険料も高くなる傾向にあります。
8. 1日自動車保険の注意点
1日自動車保険に加入するときは、次の点に注意しましょう。
- 補償内容や保険期間など契約内容を事前に確認する
- 対象とならない車に注意する
- 交代して運転する場合は、すべての運転者を登録する
先述のように、補償内容や保険期間は保険会社やプランによって異なります。ご自身が希望する補償内容となっているか、加入前に確認が必要です。
また、ご自身が所有する車など、1日自動車保険の対象とならない車がある点にも注意しましょう。
なお、複数人が交代で運転する場合も1日自動車保険は利用できますが、運転するすべての方を運転者として登録する必要があります(通常、追加保険料が発生します)。
9. 1日自動車保険以外で活用できる保険はある?
車を借りる場合、1日自動車保険に加入する以外の方法に、一般的な自動車保険の「他車運転特約」を利用する方法があります。
他車運転特約は、車を借りて運転していたときの事故に対して、ご自身が加入する自動車保険から補償を受けられる特約です。
例えば、友人の所有している車を借りて運転中に事故を起こした場合も、運転者本人が加入している自動車保険に他車運転特約が付いていれば、本人の自動車保険から補償されます。
また、別居している子どもが帰省中に親の車を借りて事故を起こした場合、ご自身(別居している子ども)が加入する自動車保険に他車運転特約が付いていれば、ご自身の自動車保険から補償を受けられます。
1日自動車保険のように、借りるたびに加入する必要がない点が大きなメリットです。
そのほか、ご自身の車を他人に貸す場合は、一時的に運転者の範囲を変更することで対応できる場合があります。運転者の範囲を変更するときは保険会社に連絡するか、マイページで手続きをしましょう。
親が加入している自動車保険の運転者の範囲や特約によっては、ご自身が自動車保険に加入していなくても補償されるケースもあります。
10. 状況に応じて1日自動車保険を検討しましょう
1日自動車保険は、スマホやコンビニから1日(24時間)単位で加入できるため、たまに車を借りて運転する方などにおすすめの自動車保険です。
ただし、1日自動車保険の場合、運転するたびに契約が必要となったり、支払方法が限定されたりなど、デメリットとなる部分もあります。
車を借りて運転する場合、1日自動車保険に加入しなくても、すでに年単位で加入している自動車保険の他車運転特約や、一時的な運転者範囲の変更などで必要な補償を確保できるケースもあります。
ご自身の所有している車がなく、運転の頻度が少ない場合や、加入中の自動車保険の他車運転特約や一時的な運転者範囲の変更で対応できない場合などは、状況に応じて1日自動車保険を検討すると安心です。
※本記事の内容は特段の記載がない限り、セゾン自動車火災保険の商品ではなく、一般的な保険商品の説明です。
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