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セルフのガソリンスタンドでは何ができる?給油のやり方や注意点について解説

更新

2023/02/08

公開

2023/02/08

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免許を取ったばかりの方が車を運転するにあたって気になることのひとつに、ガソリンスタンド、特にセルフのガソリンスタンドの利用方法があると思います。

本記事では、セルフのガソリンスタンドでできることや給油前のチェックポイント、困ったときの対処法などについて説明します。

目次

    1.セルフのガソリンスタンドでできること

    現在、ガソリン価格が高騰しています。総務省統計局「小売物価統計調査」の調査結果(※)によると、東京都区部における2022年後半のガソリン1Lあたりの小売価格が、レギュラーで166円~170円という金額を推移していることが分かります。

    セルフのガソリンスタンドはフルサービスのガソリンスタンドよりガソリン価格が低い場合が多いので、結果的にセルフのガソリンスタンドを選択する方が増えています。

    セルフのガソリンスタンドはフルサービスのガソリンスタンドと同様、主に給油や洗車、タイヤの空気圧調整などを行うことができます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

    ※出典
    総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)調査結果」

    給油

    セルフのガソリンスタンドでは、ドライバー自身で給油をする必要があります。ご自身での給油は難しいと考える方もいるかもしれませんが、給油方法や流れをきちんと把握していれば問題ありません。

    洗車

    セルフのガソリンスタンドではスタッフによる洗車サービスはありませんが、機械洗車の設備が設けられている場合があります。車に乗ったまま、手軽に洗車したい場合などに便利です。

    洗車機での洗車完了後には、ガソリンスタンド内の拭き上げスペースで、拭き上げやタイヤの空気圧調整、バキューム(掃除機)による車内清掃も利用できるため、マイカーのケアをまとめて行うことが可能です。

    タイヤの空気圧調整

    セルフのガソリンスタンドでは、タイヤの空気圧調整ができるエアキャリーが常備されていることもあります。エアキャリーはタイヤの空気圧が測れるほか、タンクの中に圧縮された空気が入っていて不足している場合には空気を補充できる機能がある持ち運び可能な空気入れのことです。

    タイヤの空気は車を安全に走行させるにあたって重要なポイントのひとつですが、自宅で空気を入れることはなかなか難しいものです。

    ご自身で行う前に、運転席のドアを開けたところに貼ってある空気圧ラベルや取扱説明書などで、タイヤの適正な空気圧(車両指定空気圧)を確認したうえで調整すると良いでしょう。タイヤが冷えているときに測ることが基本ですが、走行直後で温まっている場合には空気圧が高くなっていることを考慮して調整する必要があります。

    2.セルフのガソリンスタンドで給油する前のチェック

    セルフのガソリンスタンドで給油する前にチェックしておくべきこととしては、主に以下のようなことが挙げられます。

    • 車に合った油種を選択すること
    • 給油形式は満タン・金額指定・量指定の3つから選択すること
    • 給油口の位置と開け方を知っておくこと
    • セルフスタンド内に掲示されている注意事項を確認すること

    それぞれについて、詳しくみていきましょう。

    車に合った油種を選択すること

    ガソリンには軽油・レギュラー・ハイオクの3つの油種があり、どの油種を利用すべきかは車種によって異なります。

    誤った油種を給油すると車の故障につながるので、給油をする際は事前に適切な油種を確認しましょう。

    給油形式は満タン・金額指定・量指定の3つから選択する

    ガソリンスタンドでの給油形式には、満タン・金額指定・量指定の3つがあり、それぞれ目的や必要に応じて選択ができます。

    満タンは、文字通りガソリンを満タンに入れることができます。金額指定は、たとえば何千円分だけガソリンを入れたい、などの金額の指定ができます。量指定は、必要なリッター分を指定することができます。

    給油口の位置と開け方を知っておくこと

    初めて給油する場合は、給油口の位置と開け方も分からないかもしれません。給油口が左右どちらにあるかは、スピードメーターの周辺にある燃料メーターの給油機マークで確認できる車両が増えています。
    給油機マークの三角形が右を向いていれば(▶)、給油口は車の右側にあり、三角形が左を向いていれば(◀)、給油口は車の左側にあります。

    給油口には蓋があり、まず蓋を開けなければなりません。運転席付近にある給油口レバー(フューエルフィラーリッドオープナー)を上に引くことで開けられます。給油口レバーは運転席の足元にあることが多いですが、車によっては設置場所や操作方法が異なることもあります。給油口の位置や給油口レバーの位置や操作方法は、車を運転する前に確認しておきましょう。

    セルフスタンド内に掲示されている注意事項を確認すること

    セルフのガソリンスタンドには、安全に給油するために守ってほしいことや注意してほしいことなどが、注意事項として掲示されています。

    ガソリンは引火性の危険物なので細心の注意を払い、指示にしたがって給油を行いましょう。

    3.セルフのガソリンスタンドでの給油のやり方

    セルフのガソリンスタンドでの給油の流れは、おおむね以下のとおりです。

    1. 油種や給油数量(金額)、支払い方法を選択する
    2. 静電気除去シートを利用して静電気を除去する
    3. 給油キャップを開けて給油を行う
    4. 給油終了後に精算を行う

    それぞれの工程について、詳しく説明します。

    油種や給油数量(金額)、支払い方法を選択する

    まずは、地面に示されている指定のレーンに駐車します。セルフのガソリンスタンドは、フルサービスのガソリンスタンドとは異なりスタッフによるレーンへの誘導がないため、ドライバー自身でレーン内へ停車しなければなりません。給油口が給油機側に向くように停車するために、事前に給油口の位置を把握しておくことが重要です。

    停車したら給油機の表示にしたがって、油種や給油数量(金額)、支払い方法を指定しましょう。車に合った油種を選択しなければ車の故障につながる場合があるので、油種確認は必ず行うようにしましょう。油種は、「レギュラーガソリン」「ハイオクガソリン」「軽油」のなかから選択します。

    セルフのガソリンスタンドの増加に伴い、誤給油によるトラブルが増えています。レギュラーガソリン、ハイオクガソリンはどちらもガソリンなので、間違って給油しても即座に故障することはありません。しかし、ハイオクガソリン仕様の車にレギュラーガソリンを入れるとパワーダウンしたり、燃費が悪くなったり、支障が起きる可能性があります。なお、レギュラーガソリン仕様の車にハイオクガソリンを入れても基本的には悪影響はないとされています。
    軽油とは、軽自動車用の燃料ではなくディーゼルエンジン車用です。他の油種よりも安価ですが、価格が安価だからという理由で選ばないように注意しましょう。

    静電気除去シートを利用して静電気を除去する

    体には静電気が溜まっていますが、静電気による火花はガソリンに引火してしまい大事故につながる可能性があります。特に空気が乾燥する冬場は静電気が発生しやすいので、静電気をなるべく抑えるようにしなければなりません。

    体にたまっている静電気を逃すため、給油前に必ず「静電気除去シート」に触れておきましょう。静電気除去シートが設置されていない場合は、車のボディに触れることでも静電気を除去する効果があります。

    給油キャップを開けて給油を行う

    給油口のフタを開けて、給油キャップをはずします。給油ノズルに油が残っていないか、給油機のメーターが「0.00」になっているかを確認したうえで、給油機からノズルを取り給油口に深く差し入れて給油レバーを引きましょう。

    給油中はノズルのレバーを引いたまま、手を離さずに持ちます。給油ノズルにはセンサーが付いており、満タンもしくは指定した油量・金額になると自動的に停止するため、給油が終わるまで待ちましょう。また、満タンになる途中で給油を止めても問題ありません。

    給油終了後に精算を行う

    給油が終わった後はノズルを給油機の元の位置に戻し、給油キャップと給油口カバーを閉めます。ノズルに油が残らないように、最後までしっかりと給油しましょう。ノズルを給油機に戻す際は、ノズルレバーを引かないように注意が必要です。

    精算は給油機のタッチパネルでそのまま行えるところもあれば、店内のレジでスタッフに給油レーンの番号を伝えて精算するところもあります。最初に支払い方法を「カード払い」と選択した場合は、自動精算でレシートが出ます。各ガソリンスタンドのルールに沿って、精算を行いましょう。

    4.セルフのガソリンスタンドで給油するときの注意点

    セルフのガソリンスタンドで給油するときの注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。

    • エンジンは必ず停止させる
    • 給油中は携帯電話などを使用しない
    • 給油中にその場を離れたり子どもを近づけたりしない
    • 吹きこぼれに気を付ける

    それぞれの注意点について、詳しく説明します。

    エンジンは必ず停止させる

    ガソリンは引火しやすいので、フルサービスのガソリンスタンドと同様に給油の際は必ずエンジンを停止させてください。危険物の規制に関する政令の第二十七条6項一のロには、「自動車等に給油するときは、自動車等の原動機を停止させること。」と定められています。

    同様の理由で、給油中にライターやタバコなどの火気を使用しないことも徹底しましょう。運転中に火気を使用していた場合は、必ずガソリンスタンドに入る前に火を消してください。

    給油中は携帯電話を使用しない

    携帯電話の利用によって発生する静電気は、ガソリンに引火する危険性があります。また、ガソリンは危険物なので扱う際は注意を払う必要があるほか、携帯電話を利用して通話をしたりSNSを利用していたりすると、給油中に注意が逸れてしまうため危険です。給油中は携帯電話を使用しないようにしましょう。

    給油中にその場を離れたり子どもを近づけたりしない

    給油中にガソリンがこぼれてしまうことや、身体に付着してしまうなどのアクシデントに注意を払い、給油中は必ず車および給油機の近くにいる必要があります。給油時間を利用して自動販売機に飲み物を買いに行ったり、子どもに注意が行ってしまい目を離したりするのは危険なので注意しましょう。

    また、ガソリンは危険物なので、万が一子どもが触れないよう配慮しましょう。

    吹きこぼれに気を付ける

    セルフスタンドの給油機には、満量停止装置(オートストップ機構)が備えられています。そのため、燃料タンクが満量になると自動的に給油が止まります。

    しかし、少ない流量で給油した場合や給油ノズルを奥まで差し込まないで給油した場合は、オートストップ機構が作動しないことがあり、ガソリンが吹きこぼれる可能性があります。

    吹きこぼれを防ぐために、給油ノズルを止まるところまで確実に差し込むことや、自動的に給油が止まったらそれ以上の給油は行わないことなどを意識しましょう。

    最後に、給油口のキャップを元に戻し、その後確実に蓋を閉めることも忘れないようにしましょう。車種によっては、キャップがなく、蓋を開けると直接給油できるキャップレスタイプの車もあります。

    5.セルフのガソリンスタンドで困ったときは?

    セルフのガソリンスタンドでは、基本的にドライバー自身で給油作業を行わなければなりません。しかし、万が一給油中に何かあった場合、何に気を付けてどう行動すべきでしょうか。

    セルフのガソリンスタンドは文字どおり「セルフ」ではあるものの、まったくの無人というわけではなくスタッフが常駐しています。ドライバー自身で対処することが難しそうなことがあった場合は、手の空いているスタッフに声をかけましょう。

    6.セルフのガソリンスタンドの利用方法を把握しておきましょう

    ガソリンスタンドでは、ガソリンを入れるだけでなく洗車やタイヤの空気圧調整などのさまざまなことができるため、サービスステーション(SS)と呼ばれることもあります。

    セルフのガソリンスタンドはフルサービスとは異なり、ドライバー自身で給油を行わなければならないものの、手順さえ把握しておけば決して難しいことではありません。さらにはセルフのガソリンスタンドは給油を自身で行うため、フルサービスのガソリンスタンドより価格が安いというメリットもあります。

    最後に、セゾン自動車火災保険で提供しているサービスサイト「SA・PO・PO(サ・ポ・ポ)」では、誰でも利用できるガソリンの優待情報の紹介を行っています。ガソリン代をお得に給油したい方は、セルフのガソリンスタンドの利用と並行して、SA・PO・POの利用もおすすめです。

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    菰田 潔
    監修
    菰田 潔(こもだ きよし)

    1950年 神奈川県川崎市生まれ
    自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。
    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜)、ニュルブルクリンクを走るための練習会(袖ヶ浦FRW、女神湖)を主宰、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、JAF交通安全・環境委員会 委員、高速道路調査会 フェロー、一般社団法人 全国道路標識・標示業協会 理事、BMW Driving Experience チーフインストラクター、BOSCH認定CDRアナリスト。

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