クルマ

間違いやすい自動車の交通ルールと気を付けたい運転マナーについて

交通ルールは道路交通法において定められているものですが、その中には定義や適用の基準が曖昧なものもあります。また、法律には定められていないドライバーのマナーも円滑な通行には欠かせないものです。さらに、道路交通法は軽車両である自転車にも適応されますので、知らずに違反を犯してしまうようなことがないよう、曖昧なルールやマナーは明確にしておく必要があります。

ここでは、思い込みなどから間違って認識している人が多い交通ルールや運転マナー、自転車のマナーについて確認していきます。

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1.代表的な道路交通法・ルール

制限速度遵守や車間距離保持はもっとも基本的な交通ルールですが、つい違反してしまいがちな交通ルールでもあります。まずは代表的な交通ルールから解説しましょう。


1.1. 制限速度内の安全運転

速度超過は取締り件数で1、2を争うほど多い交通違反です。スピードを出すほどほど減速に時間がかかり、衝突時の被害も大きくなるため、超過速度に応じて罰則も厳しくなります。法定速度や標識によって定められた制限速度を遵守し、危険が予想される場所では安全な速度まで減速して通行するのが基本です。

一般道の法定速度は60km/h(原付一種は30km/h)です。一部高速道路では120km/h制限となっていますが、速度指定されていない高速道路での法定速度は100km/h(大型貨物やトレーラーは80km/h)、最低速度は50km/hと定められています。


超過速度範囲 違反点数 反則金
一般道 高速道路 大型等 普通車 二輪車 原付
15km/h未満 1点 1点 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円
15km/h以上20km/h未満 1点 1点 15,000円 12,000円 9,000円 7,000円
20km/h以上25km/h未満 2点 2点 20,000円 15,000円 12,000円 10,000円
25km/h以上30km/h未満 3点 3点 25,000円 18,000円 15,000円 12,000円
30km/h以上35km/h未満 6点 3点 30,000円 25,000円 20,000円 -
一般道は6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金
35km/h以上40km/h未満 6点 3点 40,000円 35,000円 30,000円 -
一般道は6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金
40km/h以上50km/h未満 6点 6点 6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金
50km/h以上 12点 12点

1.2. 十分な車間距離の確保

十分な車間距離を保っていない場合は「車間距離不保持」で罰せられます。ただし、道路交通法では「追突を避けられる距離を保つこと」と記載されているだけで、具体的な距離については言及されていません。

車の停止距離は、反応時間とペダルの踏み変え時間を合わせた空走行距離と、ブレーキが利きはじめて停止するまでの制動距離の合計です。速度が高いほどその距離は長くなります。

また、停止距離は路面状態やタイヤの状態、重量、注意力や体調によっても大きく変化します。車間距離の目安は「速度の二乗÷100」が推奨されており、60km/h走行時は36m、100km/h走行時は100mになります。これを基準にして車間距離を柔軟に調整しましょう。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
車間距離不保持
(一般道)
1点 7,000円 6,000円 6,000円 5,000円
高速自動車国道等車間距離不保持 2点 12,000円 9,000円 7,000円 -

1.3. 「ながら運転」の禁止

「ながら運転」とは、走行中にスマートフォンを使用したりカーナビゲーション画面を視しながら運転したりする行為を指し、事故に直結する非常に危険な行為です。

「ながら運転」で事故を起こすと「交通の危機」を及ぼすものとして一発免停となります。信号待ち中の「ながら運転」は道路交通法では言及されていませんが、スマートフォンの操作中にわずかでも車が動けば「携帯電話使用等保持違反」で検挙対象となります。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
携帯電話使用等 保持 3点 25,000円 18,000円 15,000円 12,000円
交通の危険 6点 1年以下の懲役または30万円以下の罰金

1.4. 後部座席のシートベルト着用

運転席・助手席のシートベルト着用義務に加え、2008年には後部座席のシートベルト着用も義務化されました。正面衝突事故の際には後部座席に座っていてもフロントガラスから車外に放り出されるなどの二次被害につながる可能性があるからです。

一般道での後部座席のシートベルト装着義務違反には反則点や反則金はなく口頭注意にとどまりますが、高速道路では「座席ベルト装着義務違反」で反則点1点が科せられます。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
後部座席ベルト装着義務違反 一般道 - - - - -
高速道路 1点 - - - -

2.間違いやすい道路交通法・ルール

道路交通法の中には、明確に定められていないため曖昧に認識されているルールや、あまり知られていないルールもあります。そうした交通ルールを解説します。


2.1. サンダルでの運転

道路交通法では運転中の服装については規定がありませんが、確実な運転操作ができることと明記されているため、脱げやすいサンダルなどでの運転は道路交通法違反にあたる可能性があります。なお、都道府県によっては細則によって明確化している場合があります。

またペダルを踏み外したり滑ったりする恐れのあるヒールや厚底靴、下駄やスリッパなども「安全運転義務違反」「公安委員会遵守事項違反」などに問われる可能性があります。かかと部をベルトで固定する形状のサンダルは明確な禁止とまでは言えないものの、運転に適した靴とはいえません。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
安全運転義務違反 2点 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円
公安委員会遵守事項違反 - 7,000円 6,000円 6,000円 5,000円

2.2. 高速道路でのガス欠

高速道路上での停止は追突される恐れがあるため非常に危険です。特に高速道路でガス欠によって動けなくなった場合は「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」の罰則が科せられます。

整備された高速道路とはいえ、150km以上のガソリンスタンド空白区間や突然の渋滞や大雪による立ち往生など、ガス欠に陥る要素は少なからずあります。また一般道では罰則はありませんが、やはり追突や渋滞の可能性があるため危険であることには変わりません。燃料メーターを常に確認し、「まだ大丈夫」と過信せずに早めに燃料を補給しておきましょう。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
高速自動車国道等運転者遵守事項違反 2点 12,000円 9,000円 7,000円 -

2.3. 高速道路で左側からの追い越し

前走車を車線変更して追い越すのは右側からと義務付けられています。そのため、多車線道路での左側からの追い越しには「追越し違反」の罰則が科されます。

なお、車線変更を伴わない左側からの追い抜きは明確な違反ではありませんが、右ハンドル車の左側は死角が多いため、追い抜き車両の存在に気づかれず接触事故を起こす危険があります。後続車が安心して右側から追い越し・追い抜きができるように、追い抜かれる側の車も左車線を走るように心がけましょう。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
追越し違反 2点 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円
(一般道)

2.4. エンジンをかけっぱなしで車から離れる

コンビニなどに寄った際にほんの少しだけ車を離れる場合など、エンジンを停止せず施錠をしないで車を離れる行為は「停止措置義務違反」にあたります。

道路交通法では、車を離れる際には他人が無断で車両を運転することがないよう措置を講ずることと定められています。車両盗難保険に入っていても、エンジンをかけっぱなしであったために盗難に遭った場合は、ドライバーに過失があるとみなされ保険金が支払われない恐れがあります。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付
停止措置義務違反 1点 7,000円 6,000円 6,000円 5,000円

3.気を付けたい運転マナー

運転には地域ごとのローカルルールや円滑な通行を実現するための作法などがあります。もちろんそれらを守らなくても罰則が科されることはありません。しかし、些細な認識の違いがトラブルや交通事故に発展することがあります。ここでは、運転をするうえで知っておきたいマナーを解説します。


3.1. 渋滞の合流は1台ずつ

渋滞の合流でなかなか車が進まない状況を改善するには、ファスナー合流(ジッパー法)が有効です。ファスナー合流は車を1台ずつファスナーを噛み合わせるように合流させる方法であり、交通の滞りを最小限に抑えつつ不公平感を抱かせづらいメリットがあります。

ただし、すべてのドライバーがファスナー合流に従うとは限らないため、強引に合流しようとするドライバーや合流を妨げるドライバーに対する安全確認も怠ってはいけません。


3.2. 高速道路で渋滞したらハザードを点灯して後続車に伝える

一般道よりも速度域が高い高速道路は追突を防ぐため原則として駐停車禁止となっていますが、渋滞の場合は停車せざるをえません。渋滞の最後尾になった時にはハザードランプを点灯させて後続車に渋滞で停止していることを知らせましょう。

渋滞最後尾のハザードランプ点灯は各所で推奨されているものの、道路交通法上での義務ではないため点灯させなくとも違反には問われません。あくまで円滑な交通を促すためのマナーですが、追突されるのを防止する唯一の自衛手段でもあります。


3.3. 道を譲ってくれたときにはお礼をする

合流地点で前に入れてもらったり狭い道で進路を譲ってもらったりした時にはお礼の気持ちを伝えましょう。ただし、譲った側はお礼がないからといって腹を立ててはいけません。お礼を伝える確実な方法ともいえるサンキューハザードやサンキュークラクションは、厳密には道路交通法違反であるためです。

ハザードもクラクションも必要な場所や状況以外での使用は認められておらず、不用意に使用すると交通を乱す恐れがあります。右手を上げて感謝を伝えるハンドサインがもっとも無難でしょう。また、お礼をしたくともお礼をする余裕がないドライバーがいることも理解しておきましょう。


違反名 違反点数 反則金
大型等 普通車 二輪車 原付・小型特殊
警音器吹鳴義務違反 1点 7,000円 6,000円 6,000円 5,000円
警音器使用制限違反 なし 3,000円 3,000円 3,000円 3,000円

3.4. 対向車、前方車があるときはハイビームをつけない

走行用前照灯(ハイビーム)はおよそ100m先までを照らし視界を明瞭にしてくれるものですが、前走車や対向車にとっては視界を奪うほど非常に眩しく感じられます。前方に車がいる場合はすれ違い前照灯(ロービーム)に切り替えるのが夜間運転のマナーです。

夜間の運転中に対向車からパッシングされるのであれば、ハイビームのままになっていることを教えてくれている可能性があります。
また、ロービームのままでもパッシングされるのであれば、ヘッドライトの向きに異常が発生していることも考えられるため、整備工場で光軸調整を依頼しましょう。
※パッシングとは、ヘッドライトを点滅させ周囲に合図を送ること


4.車だけじゃない!自転車の交通ルール

自転車は道路交通法で軽車両に該当するため遵守すべき交通ルールがあり、これに違反した場合は罰則が科せられます。自転車の基本的な交通ルールを解説します。


4.1. 自転車が通行できる場所

自転車は原則として自転車道や路側帯、もしくは車道の左端の通行が義務付けられています。

自転車が歩道を走行できるのは、道路標識によって指示されている場合や道路工事などのやむを得ない場合、運転者が13歳未満もしくは70歳以上、ならびに身体に障がいがある場合に限られます。また、歩道を通行する際は車道寄りを徐行することが義務付けられており、歩行者を妨害してはいけません。


主な違反項目 罰則
車道・歩道・左側・道路標識等による通行区分の違反 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金等
自転車横断帯通行義務の違反 33ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金等
歩道の歩行者妨害等 2万円以下の罰金または科料

4.2. 自転車の主な禁止ルール

無灯火や飲酒運転、携帯電話やスマートフォン、傘を手にした「片手運転・ながら運転」は、周囲を巻き込んだ重篤な事故につながりやすい違反であり、重い罰則が科せられます。また、二人乗り運転や並進運転、信号無視や一時停止違反などにも明確な罰則が設けられています。


主な違反項目 罰則
飲酒運転 5年以下の懲役または100万円以下の罰金等
無灯火 5万円以下の罰金等
二人乗り 5万円以下の罰金等
一時不停止 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金等
信号無視 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金等
片手運転 3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金等
並進 2万円以下の罰金または科料

4.3. 悪質な場合は自転車運転車講習も

2015年6月の道路交通法改正で、信号無視や一時不停止、酒酔い運転などの危険行為を繰り返す運転者には、都道府県公安委員会が自転車運転車講習の受講命令を出せるようになりました。講習時間は3時間、講習手数料は6,000円です。命令に違反した場合は5万円以下の罰金が科せられます。


5.交通ルールを守って安全な運転をしよう

道路交通法は車両が安全に通行するためのルールであり、守ってこそ真価を発揮するものです。安全への意識とドライバーとしての良識を常に持ちつつ、一人ひとりがルールに従った模範的な運転をすれば、交通事故は限りなくゼロに近づけることができるはずです。

また、特に瞬間的な判断が求められる交通ルールや運転マナーは頭で覚えるだけでは不十分です。習慣として身につけるため、普段からルールやマナーを意識して運転することを心がけましょう。


6.監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

1tもの重さを持つ車が数十km/hで走行したときの運動エネルギーは非常に大きなものです。比較的軽量な軽自転車であっても、危険な運転をすればたちまち命を奪う凶器へと変わります。その操作が運転者一人に委ねられているのは、客観的に見れば恐ろしいことです。

累計交通事故死者数が50万5,763人を数え「交通戦争」と呼ばれた昭和21年から平成8年までに比べれば、現在の交通事故死亡者数や負傷者数は、車の安全性向上や医療の進歩などによって数分の1にまで減少しています。

しかし、道路整備や安全教育、交通違反の指導取締り強化をしているにもかかわらず、その数が劇的に減ることはなかなかありません。これを変えることができるのは、ドライバー一人ひとりの心がけです。さまざまな技術がますます進化する今こそ、あらためてドライバーの意識の変化と向上が問われているのだと思います。

監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所

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