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横断歩道の標識について理解している?正しい交通ルールについて

更新

2022/07/13

公開

2022/07/13

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走行中の車両は、横断歩道を渡ろうとしている歩行者を妨害してはいけません。しかし、信号機のない横断歩道でこのルールをしっかりと守っていないドライバーもいるのではないでしょうか。警察は取締りを強化せざるを得なく、横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は年々増加傾向にあります。

歩行者の安全を妨げるようなことがないように、また、それによって無用の罰則を受けることないように、横断歩道通行時における運転のルールについて再確認しましょう。

目次

    1.横断歩道の標識・標示

    ドライバーへの注意喚起のため、横断歩道がある道路やその手前には標識や道路標示が設けられています。横断歩道標識は、青地の五角形の看板に白で大人や子どもが歩いている絵柄が描かれています。自転車の絵柄があるものは自転車横断帯を表します。

    夕暮れ時や対向車線の渋滞時は、歩行者が見えにくくなります。また、上り坂の頂点付近の横断歩道や、塗装が消えかかっている場合などは、横断歩道を見落とす可能性もあります。歩行者の有無や横断歩道の状況を確認することも大切ですが、まずはいち早く横断歩道標識の有無を確認しましょう。

    道路上のひし形マークも同じ意味

    道路上にあるひし形マークは、前方に信号機がない横断歩道や自転車横断帯があることを表しています。一つ目のひし形マークは横断歩道がある50m手前に、2つ目は30m手前に標示されており、横断歩道があることを事前に知らせる役割があります。横断しようとしている歩行者や自転車がいるかもしれないので、ひし形マークを見つけたら速度を落とせるように準備をしておきましょう。

    2.横断歩道標識に似ている標識

    横断歩道標識と似ている標識もありますので、その違いを認識しておくことも大切です。横断歩道標識と同じく青地に白で大人と子どもの絵柄や自転車が描かれていても、円形の場合は「歩行者専用道路」「自転車専用道路」もしくはその両方を表す規制標識です。この標識がある道路に車は進入できません。

    子どもが並んで歩いている絵柄が描かれた、ひし形の黄色い標識は「学校、幼稚園、保育所等あり」の警戒標識です。施設の手前50mから200mに設置されるほか、1km圏内に同施設があることを表します。

    3.横断歩道標識が設置される基準

    横断歩道標識は、未舗装路や設置困難な場所を除き、原則として横断歩道があるすべての場所に設置されています。歩道面から1.8mが標準的な設置の高さです。車道の頭上5.0mの高さに設置される場合もあります。

    信号機がない横断歩道には、ひし形の道路標示と標識の両方が設置されます。横断歩道標識は、道路標識の中で唯一五角形の形状をしており非常に目立つことも大きな特徴です。

    4.横断歩道付近での交通ルール

    次に、横断歩道を通過するときの正しい交通ルールを確認しましょう。

    歩行者がいる場合は道を譲る

    歩行者用信号がない横断歩道および自転車横断帯を渡ろうとする人や自転車がいる場合は、横断歩道の手前で一時停止をして、歩行者に道を譲らなければなりません。また、横断する人や自転車がいないことが明らかでない場合は、横断歩道の手前で停止できる速度で進行しなくてはなりません。違反した場合は「横断歩行者等妨害等」の罰則が適用され、反則点数2点、普通車の場合は9,000円の反則金額が科せられます。

    罰則名 反則点数 反則金額
    大型等 普通車 二輪車 原付
    横断歩行者等妨害等 2点 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円

    追い越し・追い抜きは禁止

    横断歩道および自転車横断帯の手前30m以内の道路では、車の追い越しや追い抜きは禁止されています。横断歩道手前に停止している車両などを横切る場合は、一時停止をしてから停止車両の前に出なくてはいけません。停止車両の向かい側から歩行者や自転車が飛び出してくる恐れがあるためです。違反した場合は「追越し違反」の罰則が適用され、反則点数2点、普通車の場合は9,000円の反則金額が科せられます。

    罰則名 反則点数 反則金額
    大型等 普通車 二輪車 原付
    追越し違反 2点 12,000円 9,000円 7,000円 6,000円

    5.横断歩道がないところを歩行者が横断しようしているときの対応方法

    横断歩道がない道路を渡ろうとする歩行者がいる場合でも、車は歩行者の横断を妨害してはいけません。道路交通法第38条2項で歩行者優先が定められているため、車は横断する歩行者を優先しなければいけません。横断禁止標識がある道路でも同様です。
    夕暮れ時は、横断歩道がない道路を渡ろうとする歩行者との事故が多発する時間帯です。早めのヘッドライト点灯で歩行者に車の存在を知らせたうえで、速度を落として走行しましょう。

    6.監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

    横断歩道を渡ろうとする歩行者がいるにもかかわらず、信号のない横断歩道ではおよそ8割のドライバーが一時停止をしていません。「自分が停止しても対向車が停止しなければ意味がない」「自車が通り過ぎれば歩行者が安全に渡れる」「後続車に追突される恐れがある」などの理由が上位を占めます。

    安全を鑑みた上での行為とはいえ、それらはすべて道路交通法違反で処罰される行為です。しかしその一方では、横断歩道で停止した車両をわざわざ追い越した挙げ句に歩行者と接触する事故もたびたび起きています。

    まずは、標識や標示を見落とさないよう、走行中は常に道路の確認をするようにしましょう。横断歩道標識やひし形の路上標示がある道路では、横断しようとする歩行者が常にいると思って運転しましょう。ドライバーも車を降りれば歩行者です。自分が横断歩道を渡るときのことを想像しながら、思いやりのある運転を心がけて下さい。

    監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所

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