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自動車重量税とは?重量税一覧(早見表)、エコカー減税についても解説

更新

2024/04/08

公開

2020/10/07

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車両重量に応じて変動する自動車重量税。その詳細や計算方法についてご存知でしょうか。「自動車重量税はいくらになるのか?」「いつ納めれば良いのか?」など、気になりますよね。

また、エコカー減税が適用されるかどうかなどによって税額が増減するため、正確な税額を算出するには複雑な手順を踏まなければなりません。
ここでは、エコカーにおける自動車重量税の計算方法を詳細に解説します。

目次

    1.自動車重量税とは

    自動車重量税とは車両重量の増加に応じて課される税金です。車の区分や新規登録(軽自動車は新規検査)してからの経過年数などによっても税額が変わってきます。自動車重量税は国税として徴収され、道路整備予算などに使われます。

    2.自動車重量税はいつ納める?

    自動車重量税を納めるのは自家用乗用車、軽自動車を問わず、新規登録(軽自動車は新規検査)時および継続検査(車検)時です。次回の車検を受けるまでの有効期間分の税金をまとめて支払います。たとえば、新車を購入した場合は初回の継続検査が3年後のため3年分の自動車重量税を納付します。その後は車検が2年ごとになるため、毎回2年分の税金を納めます。

    motor-vehicle-tax-01.jpg
    自動車重量税を納めるタイミング

    3.自動車重量税の計算方法

    自家用乗用車の自動車重量税の税額は、車両重量に応じて定められています。ただし軽自動車は、車両重量にかかわらず一定です。これらの車両重量に応じた税額を基本として、車が環境へ与える影響によって税額が変動します。環境性能に優れるエコカーとして認定を受けた車は、重量税が減額されます。反対に、環境負荷が大きいとされる低年式車は重課措置を受け、基本納税額よりも増額されます。

    自家用乗用車の場合

    自家用乗用車の重量税は、車両重量が0.5トン増えるにしたがって税額が増加します。

    新規登録から13年未満かつエコカー減税が適用されない場合、基本税額は車両重量0.5トンあたり年間4,100円です。たとえば、1.5トン以下の車が継続検査時に支払う重量税は、下記の通りになります。

    4,100円×3×翌2年分=24,600円

    なお、新規登録から13年が経過した車は、0.5トンあたり年間5,700円、18年が経過した車は、0.5トンあたり年間6,300円の重課となります。これは、環境負荷の小さい車への乗り換え促進をめざす政府の方針によるものです。地球温暖化や大気汚染を防ぐため、環境負荷の大きい車の税負担を重くし、環境への負荷が小さいエコカーの税負担を軽くすることで、負荷が小さい車への乗り換えを促しています。

    軽自動車の場合

    軽自動車の重量税額は、新規検査から13年未満かつエコカー減税が適用されない場合、車両重量を問わず一律年間3,300円です。継続検査を受ける場合に納める重量税は、下記の通りです。

    3,300円×翌2年分=6,600円

    また、軽自動車も新規検査から一定年数を経過した場合は重課となり、13年が経過した車は年間4,100円、18年が経過した車は年間4,400円まで引き上げられます。

    4.環境性能に優れたエコカーは大幅に減税

    環境性能に優れるエコカーとして認定を受けた車はエコカー減税の対象となります。エコカー減税とは、環境に優しい車への乗り換えを促進するために2009年に設けられた税制優遇措置です。エコカー減税が適用される車は、国土交通省が定める自動車燃費基準を達成している車のみです。適用されると、新規登録(新規検査)時及び2回目の車検時に納める自動車重量税が免税または減額されます。

    減税率は自動車燃費基準の達成割合に応じて決められ、25%、50%、100%(軽自動車は25%、50%、75%、100%)の減税または免税措置が受けられます。電気自動車や燃料電池車、天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合)、プラグインハイブリッド車は免税となります。ガソリン車などこれら以外の車は条件を満たせば、燃費基準の達成割合などに応じて減税措置を受けられます。なお、エコカー減税は新車・中古車を問わず対象となります。

    自家用乗用車のエコカー減税率

    2023年5月1日〜2023年12月31日までに新規登録した場合

    対象 新規登録時 2回目車検時
    電気自動車、燃料電池車、天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合)、プラグインハイブリッド車 免税 免税
    グリーンディーゼル車 ※1 免税※2 免税
    ガソリン車・LPG車 ※1 2030年度燃費基準 ※2 120%達成 免税 免税
    90%達成 免税 減税なし
    75%達成 50%減 減税なし
    60%達成 25%減 減税なし

    2024年1月1日〜2025年4月30日までに新規登録した場合

    対象 新規登録時 2回目車検時
    電気自動車、燃料電池車、天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合)、プラグインハイブリッド車 免税 免税
    ガソリン車・LPG車、グリーンディーゼル車 ※1 2030年度燃費基準 ※2 120%達成 免税 免税
    90%達成 免税 減税なし
    80%達成 50%減 減税なし
    70%達成 25%減 減税なし

    2025年5月1日〜2026年4月30日までに新規登録した場合

    対象 新規登録時 2回目車検時
    電気自動車、燃料電池車、天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合)、プラグインハイブリッド車 免税 免税
    ガソリン車・LPG車、グリーンディーゼル車 ※1 2030年度燃費基準 ※2 125%達成 免税 免税
    100%達成 免税 減税なし
    90%達成 50%減 減税なし
    80%達成 25%減 減税なし
    75%達成 減税なし・本則税率 減税なし

    ※1ハイブリッド車を含む

    ※2減免対象は2020年度燃費基準達成車両に限る

    エコカー減税は、期間限定の措置であったものの、導入された2009年の翌年から延長され続け、現在は2026年4月30日までに新規購入(登録・届出)された車が対象となっています。ただし、上記のように期間が延長されるにしたがって対象となる燃費基準が厳しくなります。たとえば、自家用乗用車のガソリン車の場合、50%の減税が適用される条件は、2023年12月31日までに新規登録した車は2030年基準75%達成でしたが、2024年1月1日〜2025年4月30日までの新規登録車は80%達成、2025年5月1日〜2026年4月30日までの新規登録車は90%達成が条件となります。

    5.自動車重量税の税額一覧(早見表)

    それでは、具体的に自動車重量税はいくらくらいかかるのでしょうか?エコカー減税の適用がある場合とない場合に分け、新車を新規登録した際に納める3年分の重量税と継続検査時に納める2年分の重量税をそれぞれ一覧で紹介します。参考にしてみてください。

    3年自家用乗用車の新車新規登録時の税額

    車両重量 エコカー減税適用なし エコカー減税適用
    免税 75%減 50%減 25%減
    軽自動車 9,900円 0円 1,800円 3,700円 5,600円
    自家用乗用車 0.5t以下 12,300円 0円 - 3,700円 5,600円
    〜1.0t以下 24,600円 0円 - 7,500円 11,200円
    〜1.5t以下 36.900円 0円 - 11,200円 16,800円
    〜2.0t以下 49,200円 0円 - 15,000円 22,500円
    〜2.5t以下 61,500円 0円 - 18,700円 28,100円
    〜3.0t以下 73,800円 0円 - 22,500円 33,700円

    2年自家用乗用車の継続検査時の税額

    車両重量 エコカー減税適用なし エコカー減税適用
    13年未満 13年経過 18年経過 免税 75%減 50%減 25%減
    軽自動車 6,600円 8,200円 8,800円 0円 1,200円 2,500円 3,700円
    自家用乗用車 0.5t以下 8,200円 11,400円 12,600円 0円 - 2,500円 3,700円
    〜1.0t以下 16,400円 22,800円 25,200円 0円 - 5,000円 7,500円
    〜1.5t以下 24,600円 34,200円 37,800円 0円 - 7,500円 11,200円
    〜2.0t以下 32,800円 45,600円 50,400円 0円 - 10,000円 15,000円
    〜2.5t以下 41,000円 57,000円 63,000円 0円 - 12,500円 18,700円
    〜3.0t以下 49,200円 68,400円 75,600円 0円 - 15,000円 22,500円

    6.自動車重量税の税額を簡単に知る方

    次回の自動車重量税がいくらになるか知りたい方は、国土交通省のWebサイトで提供している「次回自動車重量税額照会サービス」が便利です。車検証に記載された車台番号と車検日を入力するだけで、車ごとの正確な重量税を調べることができます。

    次回自動車重量税額照会サービス

    軽自動車の「次回重量税額照会サービス」はこちら

    7.廃車にするときには還付申請を忘れずに

    自動車重量税には還付制度があるため、廃車にする際は必ず還付申請をおこないましょう。自動車重量税は次回車検までの税金を前払いするため、途中で車を使用しなくなり廃車にした場合、申請をすることで一度支払った自動車重量税が残り期間に応じて返還されます。ただし、車検の残存期間が1ヶ月以上あることが条件です。

    還付金を受け取るには「解体を事由とする永久抹消登録申請」または「解体届出」の書類と一体になった還付申請書類に必要事項を記入し、運輸支局や軽自動車検査協会窓口へ提出する必要があります。税務署による審査後およそ2ヶ月半程度で、書類に記載した口座へ入金、もしくは郵便局で受け取ることができます。

    注意しておきたい点として、廃車手続き後に還付申請のみをおこなうことはできないため、必ず廃車手続きと同時におこなうようにしましょう。

    8.監修コメント

    車の購入を検討する際は、エコカー減税の対象なのかも気になるところでしょう。そんなときに便利なのが、日本自動車工業会が公表している「エコカー減税対象車一覧表」です。国産車に限られますが、この一覧表でエコカー減税の対象車を調べることができます。

    自動車重量税の減免率は、同じモデルでもエンジンやグレードなどによって異なることがあります。先述のエコカー減税対象車一覧表も、車両型式を細かく分けて表記しています。エコカー減税対象車を調べる際はグレードなどもチェックして、確認するとよいでしょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。約20年にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。自動車関連手続き、許認可申請、入管申請取次、補助金申請代行、遺言作成のサポート、相続手続きなど法務のほか、執筆業も手掛ける。

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