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希望ナンバー制とは?制度の内容やメリット、申込方法や料金を解説

更新

2023/10/11

公開

2023/10/11

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車の希望ナンバー制は1999年から全国導入され、2005年からは軽自動車にも適用されている制度です。人気のある一部の番号は抽選となりますが、希望ナンバー制を利用すると、車のナンバープレート(自動車登録番号標)をご自身の好きな番号にできます。

本記事では、希望ナンバー制の内容やメリット、必要な書類、申込方法、料金、注意点を解説します。

目次

    1.車のナンバープレートは希望の番号に設定できる!

    車のナンバープレートは、希望ナンバー制を利用することで好きな番号に設定できます。

    番号を設定できる箇所は、ナンバープレートの「4桁以下のアラビア数字」の部分です。ナンバープレートは地域名表示文字や分類番号、一連指定番号などで構成されていますが、プレートの下段にある4桁以下の「一連指定番号」が、希望ナンバー制の対象となります。

    希望ナンバー制の申込みは、一般社団法人 全国自動車標板協議会のウェブサイトにある「希望番号申込サービス」や、全国の運輸支局に隣接している「希望ナンバー予約センター」で受け付けています。それぞれの申し込み方法については、後述します。

    人気のある一部のナンバーは抽選制

    希望ナンバーには「一般希望番号」と「抽選対象希望番号」の2種類が設けられています。

    一般希望番号は、すでに払いだされていない限り希望することが可能ですが、人気が高い番号は「抽選対象希望番号」となり、抽選で当選した方が取得できます。

    抽選対象希望番号は全国一律の番号のほか、地域名表示ごとの番号が設定されています。全国一律の抽選対象希望番号は、以下のとおりです。

    1 7 8 88 333
    555 777 888 1111 3333
    5555 7777 8888

    地域名表示ごとの番号は、例えば「札幌」の場合は「3」「11」「1122」、千葉の場合は「3」「1122」が抽選対象希望番号に指定されています。どの番号が抽選対象希望番号か知りたい場合は、全国自動車標板協議会や希望番号申込サービスのウェブサイトで確認できます。

    出典
    一般社団法人 全国自動車標板協議会
    出典
    希望番号申込サービス

    希望ナンバー制の対象車両

    希望ナンバー制の対象車両は、「登録自動車」と「軽自動車(自家用自動車のみ)」です。

    登録自動車とは自動車登録制度の対象となる自動車で、普通自動車と小型自動車、大型特殊自動車を指します。なお、二輪車は希望ナンバー制の対象車両となりません。

    また、登録自動車は自家用・事業用いずれの車両も対象となりますが、軽自動車は自家用のみとなり、「わ(貸渡)」ナンバーまたは「A B(駐留軍)」ナンバーは対象とならない点に注意しましょう。

    2.希望ナンバーにするメリットは?

    希望ナンバーにするメリットは、ご自身の好きなナンバーを選べることです。お持ちの車のナンバープレートを、「縁起の良い数字」や「日付にちなむ数字」などに設定できます。

    例えば、日本では末広がりの「8」は縁起の良い数字として好まれやすい数字です。また、誕生日や結婚記念日など特別な記念日、「333」や「555」などのゾロ目、運気があがるとされる数字を希望する場合もあるでしょう。

    また、「705(なおこさん)」、「935(くみこさん)」、「30(みおさん)」など名前を数字で語呂合わせすることもできます。

    車種名にちなんだ数字を選ぶ方もいます。ポルシェの場合は、歴史が古い型式の「911」にするなど、年代の想像がつくナンバーにしているケースがあります。

    そのほか、死を連想しやすい「4」、苦を連想しやすい「9」を避けたい場合にも希望ナンバーは有効です。

    ただし、先述のとおり、人気の数字は抽選対象に該当しやすい点に注意しましょう。例えば、「8」や「888」、「333」や「555」は全国一律の抽選対象希望番号にあたります。過去には、東京2020オリンピック競技大会にちなんで「2020」も全国一律の抽選対象希望番号となっていたこともあり、事前の確認が大切です。

    3.希望ナンバーの申込みなどに必要な書類

    希望ナンバーを申込むためには、「申込み時に必要な書類」と「ナンバープレートを受け取る時に必要な書類」があります。以下、それぞれの主な必要書類を紹介します。

    希望ナンバーの申込みに必要な書類

    • 自動車車検証:車を購入時に交付される書類で、車検ごとに更新される
    • 登録識別情報等通知書:一時抹消登録申請をしたときに交付される書類
    • 一時抹消登録証明書:一時抹消登録申請をしたときに交付される書類
    • 自動車検査証返納証明書:自動車車検証を返納したときに交付される書類

    希望ナンバーの申込みには車台番号などの情報が必要なため、お手元に自動車車検証を準備しておくとスムーズです。一時抹消登録した場合や自動車車検証を返納している場合は、登録識別情報等通知書などの書類を用意しておきましょう。

    ナンバープレートの受け取り時に必要な種類

    • 希望番号センター窓口で交付された予約済証:予約番号を証明する書類
    • 自動車車検証:車を購入時に交付される書類で、車検ごとに更新される
    • 番号変更の申請書:用紙販売窓口で受け取れる書類
    • 手数料納付書:運輸支局で交付される書類
    • 字光式自動車登録番号標交付願:字光式ナンバープレートを希望する場合のみ必要

    番号変更の申請書には記名押印が必要なため、手続きをするときは車の所有者の印鑑も持参しましょう。

    4.希望ナンバーにする方法

    希望ナンバーは、「全国の希望ナンバー予約センター」で申込む方法と「全国自動車標板協議会が運営する希望番号申込サービス」で申込む方法の2つがあります。

    全国の希望ナンバー予約センターは、平日のみ窓口での申込みとなります。全国自動車標板協議会が運営する希望番号申込サービスは、インターネットから24時間いつでも申込めます。

    例えば、抽選対象の希望ナンバーを希望番号申込サービスでインターネットから申込む場合の流れは以下のとおりです。

    1. 希望番号申込サービスへアクセスする
    2. 希望番号の申込手続きをする
    3. 抽選対象希望番号を申込んだ場合は毎週月曜実施(毎週日曜日の21時までに受け付けた分を翌日の月曜日に抽選)の抽選結果を待つ
    4. 申込完了メールまたは抽選結果メールを受け取る
    5. 抽選の結果、当選した場合は交付手数料を入金する
    6. 入金確認メールを受信後、希望番号予約センターで予約済証を受領する
    7. 最寄りの運輸支局または軽自動検査協会事務所で、登録もしくは届出の手続きをする
    8. 希望番号予約センターでナンバープレートを受け取る

    すでに所有している車のナンバープレートの番号も変更できる?

    希望ナンバー制を利用できるのは以下の場合です。

    • 新規登録を行う場合(新車の登録、ナンバープレートのない中古車の新規登録など)
    • 管轄変更での移転登録または変更登録を行う場合
    • ナンバープレートが破損・汚損した場合

    このように、基本的に新しくナンバープレートが必要となった場合に希望ナンバー制を利用できます。ご自身の状況が該当するかわからない場合は、最寄りの運輸支局や希望番号予約センター、軽自動車検査協会事務所で相談してみましょう。

    ナンバープレートを図柄ナンバーにすることもできる

    近年、ナンバープレートの種類に新たに「図柄ナンバー」が導入されました。図柄ナンバーとは、ナンバープレートの下地部分にデザイン要素が入ったナンバープレートのことです。

    2023年8月時点では、地域ごとの特色ある風景・観光資源がデザインされた「地方版図柄入りナンバープレート」、47都道府県の花をモチーフとした「全国版図柄入りナンバープレート」、2025年開催予定の大阪・関西万博を記念した「大阪・関西万博ナンバープレート」などの申込みを受付けています。

    図柄ナンバーには「寄付あり」と「寄付なし」の2種類があり、1,000円以上の寄付をすると、フルカラー版の図柄を選択できます。お持ちの車のナンバープレートにこだわりたい方は、検討してみるのもよいでしょう。

    5.希望ナンバーにするための料金

    ナンバープレートの交付手数料は、申請する地域で違いがあります。関東運輸局管轄内の交付手数料(2枚組の価格)は、以下のとおりです。

    ナンバープレートの交付手数料

      希望ナンバープレート 一般的なナンバープレート
    大型 ペイント式:4,880円~5,100円
    字光式:6,310円~6,540円
    ペイント式:1,980円~2,110円
    字光式:3,950円~4,200円
    中型 ペイント式:4,140円~4,350円
    字光式:5,360円~5,570円
    ペイント式:1,450円~1,540円
    字光式:2,860円~3,060円

    字光式とは文字や番号の部分が光るナンバープレートで、一般的なペイント式のナンバープレートと比較すると交付手数料が高くなります。

    なお、希望ナンバープレートは一般的なナンバープレートと比較すると、交付手数料が高くなる点も注意しましょう。

    6.希望ナンバーにするときの注意点

    希望ナンバーにするときには、いくつかの注意点があります。ここでは、予約済証の有効期限や希望ナンバープレートの生産方法をピックアップして解説します。

    予約済証には有効期限がある

    希望ナンバーを申込み、交付手数料を入金すると、「予約済証」が受け取れます。このとき、予約済証に記載されている「交付可能年月日」と「有効期限」を必ず確認しましょう。

    希望ナンバーの予約済証には、有効期限があります。交付代行者により期限が異なる場合もありますが、一般的な有効期限は1ヶ月です。

    有効期限を過ぎると予約済証は無効となり、納付した交付手数料は返金されないため注意が必要です。

    希望ナンバープレートは注文生産となる

    希望ナンバープレートは、通常のナンバープレートと異なり注文生産となります。先述のとおり、通常のナンバープレートと比較して交付手数料が高くなるほか、受取るまでに原則として4日(土曜、日曜、祝日を除く)かかる点は覚えておきましょう。図柄ナンバーの場合は、10日目以降に交付と、通常のナンバープレートよりも受け取りに時間がかかります。

    7.希望ナンバー制のメリットや注意点を把握したうえで利用を検討しましょう

    希望ナンバー制の導入により、誕生日や結婚記念日、縁起の良い数字など、ご自身の好きなナンバーを利用する方が増えています。

    希望ナンバーだけでなく図柄入りナンバープレートを選ぶ方もいるなど、車のナンバープレートへのこだわりは個人によってさまざまです。また、会社の社用車のナンバーを統一し、管理をしやすくする利用法もあります。

    希望ナンバーは、インターネットの「希望番号申込サービス」または全国の「希望ナンバー予約センター」の窓口で申込みましょう。交付手数料が一般のナンバープレートよりも高くなる点なども考慮し、利用を検討してみてください。

    なお、希望ナンバーはご自身ではなく代理の方でも申請できます。代理の方にお願いする場合は、数字を間違えないように正確に伝え、しっかりと確認しましょう。

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    菰田 潔
    監修
    菰田 潔(こもだ きよし)

    1950年 神奈川県川崎市生まれ
    自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。
    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜)、ニュルブルクリンクを走るための練習会(袖ヶ浦FRW、女神湖)を主宰、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、JAF交通安全・環境委員会 委員、高速道路調査会 フェロー、一般社団法人 全国道路標識・標示業協会 理事、BMW Driving Experience チーフインストラクター、BOSCH認定CDRアナリスト。

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