クルマ

クーラント液(冷却水)とは?役割や交換・補充の方法について

車の冷却システム周りのトラブルはエンジンのオーバーヒート(異常過熱)を引き起こすため、クーラント液の管理は車に乗るうえで非常に重要です。そして、エンジンを冷却するためのクーラント液にはいくつかの種類があり、車によって適切なものを使用する必要があります。

今回は、クーラント液の役割や補充・交換する方法、クーラント液が漏れ出したときの対処法を解説します。

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クーラント液(冷却水)とは?どんな役割?

クーラント液は、エンジンを冷却するための液体です。エンジン内部から熱を奪ったクーラント液は車の前部に設置されたラジエター(ラジエーター)で冷やされ、再びエンジンに戻ってエンジンを冷却します。

クーラント液に求められるのは、冬場でも凍結せず、長期間使用してもエンジン内部に錆や腐食を発生させないことです。そのため、水ではなく凍りづらい特性があるグリコール系溶媒に防錆剤などの添加剤を加えた液体がエンジンの冷却水として用いられます。


クーラント液(冷却水)の種類・色

クーラント液は「不凍液」などとも呼ばれおり、その技術は進化を続けています。

国産車で純正採用されているクーラント液は、赤・緑・青・ピンクの4色で区別されています。そのうち赤と緑のクーラント液はエチレングリコールを主成分としており、耐用年数はおよそ2〜3年です。これまでのクーラント液よりも長寿命を誇るため、「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」と呼ばれます。

さらに近年の新型車に充填されている青とピンクのクーラント液は「スーパーLLC」と呼ばれ、プロピレングリコールを主成分とすることで耐用年数7〜10年を実現した新型LLCです。

以上4色のクーラント液以外にも、ディーゼル用LLCや輸入車用LLC、競技用LLCも存在します。これらは色や成分内容が異なる場合があるため、必要な車にだけ使用するようにしましょう。


どのクーラント液を使えばいい?

せっかく使うのであればより性能のよいスーパーLLCを使いたくなるところですが、それぞれの車で純正採用されている色と種類のクーラント液、もしくは現在入っているものと同じクーラント液を使うことをおすすめします。

LLCが純正採用されている車にスーパーLLCを入れると、高い洗浄能力によって落ちた汚れがラジエター配管に詰まり、故障を引き起こす可能性があります。反対に、スーパーLLCを純正採用している車に旧来のLLCを入れてしまうと、高い洗浄能力が発揮できず汚れなどが残ってしまう可能性が高くなります。

また、異なる色のLLCを混合すると濁った色に変色するため、クーラント液の劣化や漏れを見落としてしまう可能性が高まります。


クーラント液(冷却水)はどれくらいのペースで交換・補充すべき?


クーラント液は長期の使用で蒸発や劣化を起こします。蒸発して不足したぶんのクーラント液は補充する必要があり、劣化したクーラント液は交換する必要があります。LLCは耐用年数が2〜3年なので、車検ごとに交換するのがよいでしょう。スーパーLLCの場合は耐用年数が7〜10年ですから、車を乗り換えるまで交換不要な場合もあります。

耐用年数に達する前にクーラント液の色が濁ってくる場合は、劣化のサインやエンジンオイルの混入トラブルの可能性があるため、速やかな点検と交換をおすすめします。補充タイミングは、エンジンルーム内のラジエター補助タンク(リザーバータンク)で確認しましょう。多くの車のリザーバータンクは目盛り付きの半透明樹脂でつくられており、液面が「FULL / LOW」もしくは「MAX / MIN」の間に収まっていれば正常です。

不足している場合は、同じ色・種類のクーラントを適量補充しましょう。ただし、リザーバータンクの液面はクーラント液の温度によって上下するため、必ずエンジンが冷えた状態で確認するようにしてください。


クーラント液(冷却水)の交換・補充の方法


ここでは、クーラント液の交換や補充の方法を解説します。


クーラント液(冷却水)の交換方法

クーラント液を交換するには、車の下に潜りラジエターからクーラント液を抜く作業が必要になるため危険が伴います。また、車によってはラジエターからの排出だけでは古いクーラント液が十分に抜けない場合があります。作業を行うのが困難と判断される場合には、無理をせずディーラーや整備工場に作業を依頼しましょう。

自ら交換する場合は、まず「お住まいの地域に適した凍結温度のクーラント液」「クーラント全量を入れられる容器(1.5Lエンジンで5L前後・2.0Lエンジンで7L前後)」と、車に適した工具を用意します。

まずは、火傷などをしないようにエンジンがしっかりと冷えていることを確認しましょう。そのうえで車の前下部に潜り、ラジエター下部に備わった排液口を塞いでいるドレンボルト(ドレンコック)を緩めます。そうするとクーラント液が排出されますので、用意した容器で受け止めましょう。上部のラジエターキャップを空けるとより早く排出されます。

ラジエター内のクーラント液がすべて抜けたら、ドレンボルトおよびドレンコックを取付けて排液口を塞ぎ、用意したクーラント液をラジエターキャップから注入します。冷却通路内は狭くクーラント液が流れ込むまでに時間がかかるため、少量ずつ溢れないように注ぎ入れましょう。

ラジエターの注ぎ口付近までクーラント液が入ったら、冷却通路内の空気を抜くためにラジエターキャップを開放したままエンジンをかけ、しばらく放置します。

開けっぱなしのラジエターキャップから冷却通路内に溜まった空気が気泡となって出てくるため、ラジエターキャップ内の液面が下がっていきます。極端に少なくなったら、さらにクーラント液を補充しましょう。

エンジンが稼働し、クーラント液が温まるとラジエター背面に備わった冷却ファンが突然作動する場合があるため、ケガなどをしないように注意してください。

エンジンが温まり気泡が出なくなったら、ラジエターキャップを締めて交換作業は完了です。抜きとった古いLLCは産業廃棄物になるため、整備工場や廃棄業者に廃棄を依頼しましょう。


クーラント液を全量交換するには

ただし、上記の交換方法では古いクーラント液がエンジン内部に残るため、全量交換をするためには途中でもうひと手間をかける必要があります。

新品のクーラント液を入れる前に水道水でラジエター内を満たし、エンジンを始動してラジエターとエンジン内部を循環させた後に、再び水道水を排出すれば古いクーラント液はほとんど残らなくなります。万全を期すなら、これを2度ほど繰り返しましょう。クーラント液を全量交換すれば、安心して異なる色や種類のクーラント液を入れられるようになります。


クーラント液(冷却水)の補充方法

クーラント液を補充する場合は、エンジンが冷えた状態でリザーバータンクの上部キャップを開け、クーラント液を「FULL」もしくは「MAX」の位置まで注ぎ、キャップを閉めれば完了です。

ただし、市販のクーラント液を用意する際は、あらかじめ希釈された補充用クーラント液(ストレートタイプ)と、希釈されていないクーラント液(原液タイプ)の2種類が存在している点に注意しましょう。

ストレートタイプのクーラント液は、凍結温度が−30℃程度に調整されており、多くの地域でそのまま使えるように配慮された希釈済みの補充用クーラント液です。原液タイプはユーザーが希釈して使用することを前提に濃縮されており、希釈割合によって凍結温度を調整できる交換向けおよび寒冷地向けのクーラント液です。

原液タイプのクーラント液を使用することもできますが、その際は車を使用する地域に適した凍結温度になるように水道水で希釈しなくてはなりません。希釈割合は、車を使用する地域の冬季最低温度を上回らない凍結温度になるよう調整します。ただし、希釈割合と凍結温度の関係は製品によって異なるため、取扱説明を熟読したうえで決定しましょう。


クーラント液(冷却水)が漏れてしまった時の対処方法



クーラント液が漏れ出すと、LLCの主成分特有の甘い香りがします。また、漏れたクーラント液は必ず車体下に流れ出します。クーラント液が漏れ出している症状を察知したら、すぐにエンジンを停止してください。

また、走行中に水温警告灯が点灯したり水温計が上がったりするような場合もクーラント漏れが疑われます。速やかに安全な場所へ車を退避させましょう。

なお、その際はくれぐれもラジエターキャップを空けないようにしてください。ラジエターの水温は100℃以上の高温になっている場合があり、開けた瞬間に高温のクーラント液が吹き出し火傷を負う危険性があります。

緊急措置として、漏れ出すクーラント液のかわりに水を補充すれば冷却性能は一時的に回復できますが、そのまま走行を続けてクーラント液が不足すればエンジンは焼付き、車は急停止します。非常に危険であるうえに莫大な修理費用がかかってしまうため、クーラント液が漏れ出した場合は無理をせずにロードサービスなどの応援を呼びましょう。


監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント


冷却水としての役割をもつクーラント液はエンジンが稼働するうえで欠かせないものです。補充や交換をする際の注意点は当然知っておいていただきたい点ですが、日頃からリザーバータンク内の液量チェックをし、始動前にクーラント漏れがないか車の下を覗き込む癖をつけておけば、クーラント液漏れや液量不足によるオーバーヒートを未然に防ぐことができます。

車のトラブルが起きる時、多くの場合はその予兆が見て取れるものです。普段からのチェック事項にこうした項目もぜひ加えて、毎日の運転をより安全なものにしていきましょう。

監修:株式会社日本交通事故鑑識研究所

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