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1ナンバーとは?分類の条件や3ナンバーとの維持費(税金・車検・保険等)の違い

大型トラックに代表される普通貨物車は「1ナンバー車」と呼ばれますが、大型SUVや1BOXカーなど、本来3ナンバーに該当する車の一部にも1ナンバー登録車が存在します。

では、1ナンバー車とは具体的にどのような車を指すのでしょうか。その具体的な条件や維持費の違い、メリット・デメリットなどについて解説します。

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1. 1ナンバーとは

1ナンバーに該当する車は、大型トラックなどの普通貨物自動車です。ナンバープレートに記載される分類番号の1桁目が1であることからこの名で呼ばれます。小型貨物自動車に分類される4ナンバー車より大きい貨物自動車であればどのような車でも1ナンバーを付けることができるため、ピックアップトラックや大型SUV、ワンボックスカーにも1ナンバー登録された車が存在します。


2. 1ナンバーに分類される車の条件


1ナンバー車は、運搬業務等の使用に適した車であることを条件に登録されます。そのため、乗員スペースと荷室スペースとの関係に細かな条件が設けられています。1ナンバー車の具体的な条件は以下の通りです。

● 全長4.70m×全幅1.70m×全高2.00m、排気量2,000ccのいずれかを超えること
● 積載スペースが1平方m以上あること
● 積載スペースが乗員スペースよりも広いこと
● 最大乗員重量よりも積載重量のほうが大きいこと
● 積載スペースの開口面積が800mm×800mm以上であること
● 乗員設備と積載設備の間に隔壁または仕切りを備えてあること
● 荷室スペースに備わる座席は折りたたみ式もしくは脱着式であること
● 乗員スペースと積載スペース間を移動できないこと


2.1. 1ナンバー車は普通免許で運転できる?

車両総重量3.5t未満の1ナンバー車であれば普通免許で運転できます。多くの大型SUVや1BOXカー、最大積載量1t以下のトラックなどは車両総重量3.5t未満に収まるため普通免許で運転可能です。最大積載量1.5t以下の一部トラックは車両総重量3.5tを超える車種があるため普通免許では運転できない場合があります。

それ以上の大きな1ナンバー車を運転する場合は、準中型免許および中型免許や大型免許などが必要です。ただし、免許の取得時期によっては普通免許に5t限定準中型免許や8t限定中型免許が付加されています。その場合は、運転免許証に記載された車両総重量未満の車を運転することができます。


3. 1ナンバーと3ナンバーの維持費の違い

1ナンバー車と3ナンバー車で維持費がどれだけ違うのか確認するために、税金・車検・保険などの具体的な費用を比較していきます。


3.1. 自動車税

3ナンバー車などの乗用車は排気量に応じて自動車税が累進するのに対し、1ナンバー車では積載重量によって計算されます。3ナンバー車より大排気量エンジンを搭載しても自動車税は非常に安価です。

1ナンバー(自家用)

3ナンバー(自家用)


3.2. 自動車重量税

3ナンバー車は車両重量によって自動車重量税が累進するのに対し、1ナンバー車は車両総重量によって税額が累進します。車両重量とは人や荷物が乗っていない状態での重量であり、車両総重量は人や荷物を最大量まで積載した状態の重量です。

商用貨物車用途の1ナンバー車は物価への影響を抑えるために、車重が大きくとも3ナンバー車よりも低い税率が適用されます。そのため、同じ車の1ナンバー車と3ナンバー車の自動車重量税を比較した場合、同じ車の自動車重量税を比較しても1ナンバー車の方がやや安価になります。

1ナンバー(自家用)

3ナンバー(自家用)


3.3. 車検費用

1ナンバー車は1年に一回の車検が義務付けられています。自動車重量税や自賠責保険料などの法定費用は安価であるもの、継続車検が2年に1回の車検で済む3ナンバー車に比べて整備手数料や事務手数料が多くかかります。また、1ナンバー車の整備費用は車両総重量が大きな車ほど高くなる傾向にあります。


3.4. 自賠責保険

車検ごとに支払う自賠責保険は、車体が大きく、自家用登録であっても事業や業務にも用いられることがある1ナンバー車のほうが高くなります。また、1ナンバー車は最大積載量2tを境に自賠責保険料の料金が分けられている特徴があります。


3.5. 任意保険

自動車任意保険も、大きな車体サイズや事業用途などの理由から1ナンバー車のほうが割高になります。保険会社によっては5割ほど割高になるうえ、等級の引き継ぎはできず、運転者年齢条件などの割引も受けられません。また通販型の保険では、加入できる車を最大積載量に応じて制限している場合や、車両保険が付けられない場合があります。


3.6. 高速料金

1ナンバー車は、高速道路の車両区分が中型になるため、通行料金が割高です。3ナンバー車と比べると、おおよそ2割増しの通行料金がかかります。


4. 1ナンバーのメリットとデメリット

1ナンバー車の一番のメリットは自動車税・自動車重量税の安さです。その一方、毎年車検を受けなければならないため、その度に整備費用や事務手数料がかかります。また、自賠責保険料や任意保険料の高さもデメリットです。

そのため、一概に維持費が安価であるとはいえません。高速道路を多用するのであれば、さらにランニングコストが引き上がる点にも注意が必要です。


5. 1ナンバーの車へ変更するには構造変更が必要

本来3ナンバー車で運用される大排気量エンジンを搭載した大型SUVなどは、運輸支局で構造変更手続きを行い、1ナンバー登録とすることで維持費を安価に抑えることができます。ただし、1ナンバーで登録するためには、リアシートや荷室を貨物自動車の条件を満たすように改装しなくてはなりません。

多くのSUVやワンボックスカーは、3列目シートを撤去して荷室を拡大し、2列目シートをリクライニングできないようにするか、隔壁や間仕切りを設けることで貨物自動車の条件を満たすことができます。その他細かな要件があるものの、改装が済んだ状態で運輸支局に車を持ち込んで車検に合格できれば、1ナンバーへと構造変更をすることができます。


6. 監修者(株式会社 日本交通事故鑑識研究所)コメント

「1ナンバー」は貨物用大型トラックに最適化された車両区分であり、排気量や車体が大きい車ほど税金面などの恩恵が受けられます。1年ごとの車検は費用も手間もかかるものですが、積載重量が大きくなりがちな大型車においてはより安全な走行が求められるために設定されたものであり、必要不可欠な車検制度です。忘れずに車検を受けるようにしましょう。

本文中でも解説されていますが、大排気量のSUVやワンボックスカーを業務で使うなら、1ナンバー化は維持費削減を図る有効な方法の一つとなります。ただし、乗車定員数が少なくなることや、高速道路料金が高くなるなどのデメリットもあります。もちろん改装のコストも必要となります。改装してしまうと自家用で3列目まで人を乗せるような使い方ができなくなりますので、車の使い方とコスト面のメリットを十分に比較した上で、最善の方法を選択しましょう。

監修:株式会社 日本交通事故鑑識研究所

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