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老いてなお輝く車たち。オールドカーセンター・クダンにインタビュー

更新

2023/06/14

公開

2023/06/14

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福島県双葉郡楢葉町にある「オールドカーセンター・クダン」は、「車の養老院」をコンセプトとする自動車ミュージアムです。国内外のさまざまな自動車は、訪れる方にその年代の重みと美しさを伝えています。

今回はオールドカーセンター・クダンの中岡喜昭さんに、開館の経緯や展示品の魅力についてお話を伺いました。

目次

    1.老いた車の憩いの場「オールドカーセンター・クダン」

    ― よろしくお願いします。まず貴館の沿革、お取り組み内容について教えてください。

    中岡さん:オールドカーセンターにある、自動車をはじめとする乗り物は、運営母体である株式会社九段建築研究所の創設者が蒐集しました。

    創設者は若い頃、技術指導のためにイランに滞在し、平原を走るメルセデス・ベンツ600プルマンの姿を見て感動しました。その後徐々に自動車を集め、気が付けば100台を超すさまざまな自動車が身の回りに集まっていたそうです。

    その中にはまだまだ走れる車もあれば、もう年老いて「走る」という本業から退いた車もありました。

    しかしどの車も20世紀を駆け抜けた同朋と思え、とてもスクラップにはできませんでした。「それなら世界で初めて、老いた車たちの憩いの場を作ろう」と考え、「車の養老院」をコンセプトにオールドカーセンターを作ったのです。

    当館は1997年9月5日にオープンして、昨年(2022年)に25周年を迎えました。この間、2011年の東日本大震災および原発事故により5年間休館いたしましたが、休館中も館長川崎が一人で車体をピカピカに磨き、パーツをメンテナンスしていました。

    近年はコロナ禍にもかかわらず、来館者は年々増加傾向にあり、土日祝日のみの開館ですが年間1,000名以上の方々にお越しいただいております。

    ホームページやSNSにメッセージで応援してくださる方も多数いらっしゃり、皆さまのご支援で現在まで続いています。

    また、福島県の楢葉町とその周辺は現在も復興復旧途中ですので、『ふたば周遊キックオフ』キャンペーンのほか、Jヴィレッジ、道の駅「ならは」などの施設とともに地域活性化の一助として取り組んでいます。

    ― どのような方が来場されていますか?

    中岡さん:最も多いのはご自身で自動車パーツに手を加えるカーマニアの方で、全国から来場されています。また、ベンツの愛好家集団が走行会で立ち寄るなど、やはり自動車好きの方々が中心です。

    意外と多いのはジェット機、自衛隊機などのファンで、2階のエアクラフトとともに人気があります。

    2.世界生産数428台の貴重な車も。自動車の歴史を存分に味わえる

    ― さまざまな国の展示品がありますね。それぞれの魅力を教えてください。

    中岡さん:ドイツ、ヨーロッパ車は1950年~1970年代の自動車、特にメルセデス・ベンツ約20台を中心にした名車たちです。

    世界生産数428台という貴重な600プルマンのほか、ポルシェ356、大衆車ワーゲンも展示しています。また、旧東ドイツのボディがFRP(繊維強化プラスチック)で作られているトラバントという珍車も展示しています。

    アメリカ車は、1930年~1980年代の自動車で、自動車大衆化の走りである1934年のフォードスタンダード2ドアクーペ、優雅なGM社の最上級車種ビュイックロードスターのほか、自動車王国といわれた1970年代のキャデラックエルドラドのフルサイズカーなども多く展示しています。その全長は5.69m、排気量8,180ccです。

    3.エアクラフトや戦艦モデルも人気

    ― 日本車や車両以外の展示品についても教えてください。

    中岡さん:日本車は、1950年~1990年代の名車、コンパクトカーを中心に展示しています。観音開きのトヨペットクラウンやダットサンのコンパクトカー、古色蒼然として「走るシーラカンス」と呼ばれた三菱デボネアのほか、皆さんが乗っていたスカイラインやフェアレディZを見て懐かしんでもらっています。

    自動車のほかにも、1階ミニカールームにミニカーを約1,600台。2階第2展示場にはソリッドモデルを中心にエアクラフトを展示し、ライト兄弟フライヤーから現代までの歴史をたどって約300機。戦艦モデルは、第二次世界大戦の戦艦大和(1/114)模型など80隻を展示しています。

    ― 特に人気の展示品はありますか?

    中岡さん:1931年型GM「ビュイックロードスター」は、コンクールに出品できるコンディションであり、内装のあらゆる場所にアールデコ調デザインが施され、華麗で洗練された美しさが漂って人気があります。

    アメリカ車は華やかな時代のもの、例えば後方から見るとロケットのような1958年型「サンダーバードクーペ」が人気です。別名ロケットサンダーと呼ばれています。また、RV車で今も人気のトヨタランドクルーザーは、40タイプから展示しています。

    自動車以外では、2階展示室にある1/114戦艦モデル「大和」、「武蔵」、「赤城」は全長が2.3mもあり圧巻です。

    メルセデス・ベンツ600は、ややショートの「リムジーネ」とロングの「プルマン」が同時に展示してあり、マニアに喜んでもらっています。

    4.屋外には迫力ある飛行機・実機を展示

    ― 自動車以外の展示品はどのように収集されたのでしょうか。

    中岡さん:ロッキードF-104J、ビーチクラフトB65、富士ベルUH-1Bなどの飛行機、ヘリコプター実機12機は、自衛隊関係者の協力をいただいて設置・展示しています。

    ― 展示品や配置に関するこだわりがありましたらお聞かせください。

    中岡さん:自動車は基本的には国別に展示しており、ときにはエンジンルームをオープンしたり、エンジンを実際にかけたりしてエンジン音を来館者に楽しんでもらっています。

    四半期に一度、1階中央に「クローズアップカー」としてピックアップした自動車を展示しています。5月まではメルセデス・ベンツ600「リムジーネ」です。

    ― 今後の目標、ご計画などがありましたら教えてください。

    中岡さん:創設当時のコンセプト「車の養老院」として、静かに、そして大事に車たちをメンテナンスしながら、名車・人気の大衆車を問わず展示し、親しみのある博物館として続けてまいります。

    ― 車がお好きな方、ドライブを楽しむ方へメッセージをお願いします。

    中岡さん:まずはオールドカーセンター・クダンのホームページ、SNSを見ていただけますと幸いです。

    自動車博物館は日本各地にございますが、福島県浜通り周辺を通る際は、復興しつつある周辺環境やさまざまな施設、そして当館にもお立ち寄り下さい。

    ご要望がありましたら館長川崎が車のエピソードを交えながらご案内いたします。皆さまのご来場をお待ちしております。

    ― 本日はご紹介ありがとうございました。

    オールドカーセンター・クダン
    福島県双葉郡楢葉町にある「車の養老院」。名車・大衆車を問わず国内外の自動車やエアクラフト、戦艦モデルを展示し、全国のカーマニアから愛されている。常磐自動車道・広野ICから国道6号線を約700m北上後、Jヴィレッジ入り口交差点を楢葉南工業団地方面へ左折。

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