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自動車事故対策の専門機関「NASVA」の役割とは?担当者にインタビュー

自動車の運転者であれば、誰でも自動車事故を起こしてしまう可能性があります。毎日運転するから、慣れている道だからとつい気が緩んでしまうもの。

今回は、自動車事故対策の専門機関としてさまざまな取り組みを行う「NASVA(自動車事故対策機構)」安全指導部の原田さんにプロドライバーの事故対策についてのお話を伺いました。

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1.「支える」「守る」「防ぐ」3つの取り組みで自動車事故対策を行うNASVA

― よろしくお願いします。早速ですがNASVA(自動車事故対策機構)では、どのような事業を行っているのでしょうか?


当機構は、国土交通省所管の独立行政法人で、平成15年10月に設立されました。

業務内容は大きく分けて3つあり、「被害者援護業務」、「安全情報提供業務」、「安全指導業務」です。

被害者援護業務は、自動車事故被害者の支援のため、自動車事故により脳、脊髄又は胸腹部臓器を損傷し、重度の後遺障害を持つこととなり、移動や食事、排泄などの日常動作について常時又は随時の介護が必要な方に介護料を支給しております。

また、自動車事故により脳を損傷し、重度の意識障害を負った方を対象に、社会復帰の可能性を追求しながら適切な治療と看護を行う専門病院である療護施設を全国11ヶ所に設置・運営しております。

あわせて、自動車事故により保護者が亡くなられた、または重い後遺障害が残ってしまうこととなった家庭の中学校卒業までのお子さまに対し無利子の生活資金の貸し付けを実施しております。

安全情報提供業務は、より安全な自動車の普及のために、新車販売されている自動車に対して、ドライバーを支援するさまざまな予防安全技術に関する試験、事故時に自動車の乗員や歩行者を守る技術に関する試験等を行い、自動車の安全性能を「見える化」し、その結果を公表しています。

安全指導業務は、自動車事故防止の一助として、主に自動車運送事業者向けに、運転者を対象とした「適性診断」、事業用自動車の運行を管理する運行管理者を対象とした「指導講習」、経営者層を対象とした、組織に安全風土を根付かせるための「安全マネジメントサービス」を提供することにより、自動車運送事業者の安全への取組みをサポートし、事故の削減を積極的に進めています。

当機構は、これら3つの業務を一体的に実施している自動車事故対策の専門機関です。


2.自動車事故を未然に防ぐ「安全指導業務」

― 自動車事故を防ぐための「安全指導業務」について詳しく教えてください。


安全指導の主な業務として、適性診断と指導講習があります。

適性診断では、安全運転と関連のある性格や態度、認知・判断・操作のさまざまな運転行動の特性、いわゆる「運転のクセ」を測定し、その結果をもとに安全運転に役立つよう、きめ細かいアドバイス、カウンセリングを行っています。

各種測定項目は交通事故に関わる運転者の心理的及び生理的要因と関連があり、適性診断を受診なさった方が各自の測定結果を知ることにより、事故の予防策、安全運転方法を各自の特性に合わせて検討することの一助になります。

また、特定の運転者(初任運転者、高齢運転者及び事故惹起運転者)には、法律で義務付けられている適性診断を実施しています。

指導講習は、自動車運送事業者が使用する自動車(バス、ハイヤー・タクシー、トラック)の運行の安全確保のため、運行管理者等を対象に「運行管理の実務や関係法令、安全の確保に必要な管理手法など」の講習を行い、自動車事故の防止に万全を期そうとするものです。

指導講習には3つの種類があります。これから運行管理者になろうとする方に必要な基礎知識の習得をしていただくことを目的とした基礎講習、既に運行管理者として選任されている方等を対象とした一般講習、重大事故及び法令違反により行政処分を受けた営業所の運行管理者の方を対象とした特別講習を実施しています。


― ありがとうございます。一般ドライバー向けの講習や診断と違う点はありますか?


安全運転はもちろんですが、自動車運送事業者の場合、事業用という観点は一般ドライバーの方とは少し違うかもしれません。

運行管理者やプロドライバーが対象のため、その頻度や内容も一般ドライバー向けのものとは異なります。

当機構で実施している適性診断は、既に運転免許をお持ちになり、事業用自動車のプロドライバーとして活躍されている方が主な対象です。

今後の安全運転のために活用いただくことを目的としており、運転の可否を測定するものではありません。

次に、当機構の指導講習は、主に自動車運送事業者の運行管理者等を対象に、事業用自動車の安全な運行のために必要な最新知識の習得等を目的に実施している講習です。基礎講習は3日間、一般講習は1日間、特別講習は2日間です。

一般ドライバー向けの講習・診断も、当機構で実施している指導講習・適性診断も、今後の安全運転及び自動車事故防止のためには、重要であると考えます。


3.自家用車、事業用車ともに自動車事故件数は減少傾向

― プロドライバーと一般ドライバーの自動車事故に違いはありますか?


国土交通省が発表した「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(令和2年度)」によると、走行距離1億キロあたりの自動車事故件数の推移では、自家用、事業用ともに全体的に事故件数は減少傾向を示しています。

なお、事業用自動車のドライバーは一般ドライバーに比べると走行距離や運転時間が長く、時間に追われるといった高ストレス化での運転を課されることが多いのですが、自家用に比べると事業用の事故件数は少なくなっています。

自動車運送事業者は、ひとたび事故が起きると社会的影響が大きくなることから、「輸送の安全確保」は運送事業者の使命です。

このため、自動車運送事業者に対しては「適性診断の受診」「指導講習の受講」「安全マネジメントへの取組み」が義務化されていることも、自動車事故防止に繋がっていると考えています。

参考:
自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(令和2年度)


4.加齢とともに変化する「運転時のリスク」の把握が重要

― 一般ドライバーの読者に向けて、自動車事故を防ぐためのアドバイスをお願いします。


安全運転を継続するために必要な行動は、一人ひとりの生かしたい長所や注意しなければならないクセによって変わります。

また、高齢化に伴う交通事故のリスクは、社会における重要な課題となっています。

当機構で実施している適性診断は、運転に係る特性を診ることにより、その人その人に合わせた安全運転の方法を考え、実際の行動に繋げていただくことを目的に実施しています。

適性診断を繰り返し受診することにより、加齢と共に変化する特性を把握できます。

その変化に応じた運転行動を考え実践することで、より長く安全運転を続けることが可能になりますので、今後の安全運転のために、当機構で実施している適性診断をご活用ください。


― 本日は、ありがとうございました。


NASVA(独立行政法人 自動車事故対策機構)
安全・安心・快適なクルマ社会の実現に貢献するため、自動車事故の被害者支援と事故防止を両輪として事業に取り組む自動車事故対策の専門機関。


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