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車中泊を快適にするためのポイントは?あると便利なグッズや注意点などを解説

車中泊とはRVパークや道の駅などで、車内で寝泊まりすることを指し、アウトドア愛好家を始めとした多くの方の間で話題になっている新しい旅の形です。

本記事では、なぜ車中泊が話題なのか、車中泊に適した場所やあると便利なグッズについて、解説します。また、車中泊をするにあたっての注意点についても紹介するので、車中泊してみたいとお考えの方は参考にしてください。

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1.車中泊をする前に

車中泊は、ホテルなどの宿泊費がかからないほか、チェックイン・チェックアウトの概念がないため、時間に縛られず自由に過ごすことができます。さらに、車内で寝ることでアウトドアのような楽しみ方も手軽にでき、「自由に旅行ができる」「アウトドアを楽しみたい」という理由から、アウトドア愛好家に注目されています。

パーク24株式会社の調査(※)によると、3人に1人は車中泊の経験があるほか、車中泊の経験がない方のうちの約3割が「してみたい」と回答するなど話題になっています。

(※)出典:パーク24株式会社「『車中泊旅行』に関するアンケート結果」


2.車中泊に適した場所は?

車中泊に適した場所は、RVパークや道の駅などです。RVパークとは、日本RV協会が『快適に安心して車中泊が出来る場所』を提供するために定めた条件を満たす、車中泊施設です。

無料の場所もあれば有料の場所もあり、有料の場合も値段はさまざまです。基本的に予約不要で利用できますが、中には予約が必要な場所もあるので事前に確認しましょう。

道の駅は休憩施設であるため、車中泊は基本的に禁止されていますが、一部の道の駅では車中泊を歓迎している場所もあります。道の駅で車中泊をしたい場合は、事前にホームページなどで確認しましょう。


3.車中泊を快適にするためのポイント

車中泊を快適にするためのポイントは、主に以下の2つが挙げられます。

  1. ●車中泊しやすい車種を選ぶ
  2. ●温度調節しやすい服装を選ぶ

それぞれのポイントについて、詳しく説明します。

車中泊しやすい車種を選ぶ


車中泊ができる車をこれから購入する場合やレンタカーを借りて車中泊を行う場合は、車種選びから気を付けると良いでしょう。

車中泊に適した車種の特徴としては、シートがフラットになることや、車内が広く室内高が高いことなどが挙げられます。室内が狭いと動きづらく長時間同じ姿勢で過ごすことになり、エコノミー症候群を発症する可能性があります。

また、軽自動車のスーパーハイトワゴンやミニバン、SUV、ステーションワゴン、コンパクトカーなどのシートアレンジが可能な車も車中泊に向いています。車によってはシート形状やアレンジの方法によって寝心地が良くない場合もあるので、事前に調べることが大切です。

また、最近では車中泊を前提とした車を借りられるレンタカーショップもあります。お近くにこのようなショップがある場合は、豊富な選択肢の中から車を借りられるのでおすすめです。

メーカー別のおすすめ車種としては、それぞれ以下のような車種が挙げられます。

  1. ●ホンダ:ステップワゴン/フリード/N-BOX
  2. ●ダイハツ:ウェイク
  3. ●日産:セレナ/NV200バネットワゴン
  4. ●スズキ:ソリオ/エブリィワゴン
  5. ●トヨタ:ノア/ボクシー/シエンタ
  6. ●三菱:アウトランダーPHEV/エクリプスクロスPHEV
  7. ●ルノー:カングー


温度調節しやすい服装を選ぶ


季節によっては、日中と朝晩とで寒暖差が大きくなることもあります。また、一人ではなく複数人で車中泊を行う場合、各々が快適に感じる温度は異なることもあるでしょう。

そのため、薄めの服や厚手の服も持っていき、温度調節を行いやすいように心がけることが重要です。


4.車中泊初心者におすすめのグッズ5選


車中泊をするにあたってそろえておくべきグッズとしては、主に以下のようなものが挙げられます。

  1. ●マット
  2. ●寝袋(シュラフ)
  3. ●まくら
  4. ●シェード
  5. ●LEDランタン

それぞれのグッズについて、詳しく説明します。


マット


シートがフラットになる車でも、多少の凹凸が気になる場合があります。インフレータブルマットやエアマットを使うことで、凹凸が気にならなくなり快適に寝られるようになるでしょう。

マットが大きすぎると車内に入らず、逆に小さすぎると寝心地が良くないこともあるので、事前にサイズを確認したうえで購入することが重要です。


寝袋(シュラフ)


夏場に寒さの心配をする必要はありませんが、それ以外の季節は夜に冷え込むこともあります。そのため、寝袋(シュラフ)があったほうが快適に寝られる可能性が高いです。寝袋(シュラフ)にはそれぞれ「快適使用温度・使用可能温度(限界使用温度)」が決められているので、選ぶ際の参考にすると良いでしょう。

快適使用温度は、これくらいの温度での使用であれば温かく快適に寝られるだろう、という温度を指します。一方の限界使用温度は、これくらいの温度での使用は基本的にはおすすめしないものの、工夫次第では使えないこともない、という温度を指します。


まくら


快適に寝ることを考えると、まくらも当然あったほうが良いです。クッション兼用のタイプであれば、寝るとき以外にも車内で利用することができます。

空気を入れて膨らませるようなタイプのものであれば、使わないときはコンパクトにまとめられるので便利です。硬さ・柔らかさに関しては、個人の好みで選ぶと良いでしょう。


シェード


車中泊をする場所によっては、車外からの視線や朝起きたときの日差しが気になる場合もあるため、窓を覆うシェードがあると便利です。車種専用品を選べば、窓の形状にぴったりとフィットしてしっかりと遮光してくれるでしょう。断熱効果があるものを選べば、夏の暑さや冬の寒さを軽減してくれるので、夏冬に車中泊をする場合には特におすすめです。


LEDランタン


夜は暗くなるので電気を付けたいですが、車のルームランプを使うとバッテリーが上がる可能性があります。そのため、電気はルームランプではなくランタンを利用するのがおすすめです。

電池やバッテリー式のLEDランタンで、明かりが全体に広がるものがおすすめで、光量調節機能が付いているものだとなお良いでしょう。


そのほか


網戸のような機能を持ったグッズもおすすめです。外気温が快適な温度なら窓を開けたいところですが、夏は蚊が入ってきて大変なことになってしまうでしょう。そこで網戸機能を設けておくと、車内を快適にすることができます。

また、グッズからは少し逸れますが、車内電源も適宜利用しましょう。最近のBEV(電気自動車)、FC((燃料電池車)、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)には、100V電源のコンセントが車内に装備された車種も増えました。家庭用の電器製品を1500Wまで使えるので車中泊で便利に使えるでしょう。

スマホの充電用などのために用意されているUSBポートなども、ちょっとした灯り用に使えます。


5.車中泊をする際の注意点

車中泊をする際の注意点としては、主に以下のようなことが挙げられます。

  1. ●街灯や人気がない場所での車中泊は避ける
  2. ●車中泊が認められている適切な場所で行う
  3. ●ほかの利用者も快適に過ごせるようにマナーを守る
  4. ●健康面のリスクがある

それぞれの注意点について、詳しく説明します。


街灯や人気がない場所での車中泊は避ける


車中泊を行える場所はいくつかありますが、場所を選べる場合は街灯や人気がない場所は避け、なるべく人の多い場所を選びましょう。

街灯や人気がない場所は犯罪が起こりやすく、車中泊をする場所としては危険です。万が一のことが起きた場合でも、人気がある場所の方が周囲に助けを求めやすいでしょう。もしも人気がない場所で車中泊を行う場合は、周囲にどのような施設があるかを事前に把握することが重要です。


車中泊が認められている適切な場所で行う


車中泊を検討している場合は、利用予定の施設で車中泊ができるかどうかを事前に確認し、必ず認められている場所で行いましょう。また、道の駅などで車中泊をする場合は、ほかの利用者の方や施設に迷惑となることもあるので、連泊などの長時間利用はなるべく避けることを心がけましょう。また、道の駅の駐車場などを利用する場合はスペースに注意し、広く占有しないように注意する必要があります。

RVパークや道の駅以外で車中泊をする場合は、傾斜のあるところや道路に近いところなどは避けましょう。傾斜のあるところだと快適に眠りにくく、何かの拍子で車が動き出してしまうかもしれません。道路に近いところだと、道路を走っている車が何らかの理由でこちらに突っ込んでくる可能性も考えられます。安心・安全に車中泊ができそうな場所を選びましょう。


ほかの利用者も快適に過ごせるようにマナーを守る


基本的に車中泊は、公共のスペースに車を停めて行うことになるので、周囲にはほかに車中泊を行っている方もいるはずです。利用者全員が快適に車中泊を行えるように、最低限のマナーは守らなければなりません。

  1. ●ご自身のゴミは持ち帰るか指定箇所に捨てる
  2. ●BBQなどの駐車場での迷惑行為はしない
  3. ●ドアの開閉する音やエンジン音などの騒音で迷惑をかけない
  4. ●盗電、夜間は消灯する

などのマナーは守りましょう。


健康面のリスクがある


車中泊に潜む健康面のリスクとしては、主に以下のようなことが考えられます。

  1. ●エコノミークラス症候群
  2. ●エンジンのかけっぱなしによる一酸化炭素中毒
  3. ●夏場の熱中症や冬場の凍死

こういったリスクを回避するためには、それぞれ以下のようなことを意識すると良いでしょう。

リスク 対策
エコノミークラス症候群 車内が広い車、ゆったりした服装を選び、車内でも無理のない体勢でいられるようにする(足をあげて寝るとなお良い)
エンジンのかけっぱなしによる一酸化炭素中毒 就寝時はエンジンを切る
夏場の熱中症や冬場の凍死 熱中症対策には車内の換気やこまめな水分補給、凍死対策には厚手の服や寝袋(シュラフ)を持っていくことを心がける


6.車中泊は事前準備をしたうえで行いましょう

車中泊は、RVパークや一部の道の駅などで行うことができます。快適な車中泊を楽しむためには、マットや寝袋(シュラフ)、LEDランタンなどを準備しておくのがおすすめです。防犯対策もしっかりと行ったうえで、周囲に迷惑をかけずに楽しみましょう。

なお、車中泊は楽しむだけでなく災害時の選択肢にもなりえます。災害が起きた「後」の選択肢として車中泊は把握しておくべきですが、災害が起きる「前」にきちんと備えておくことも重要です。ただ、実際に災害が起きていない状態では、どのような備えを行うべきか分からないという方もいると思います。

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■監修
  • 菰田 潔
    プロフィール:
    1950年 神奈川県川崎市生まれ
    自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。
    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜)、ニュルブルクリンクを走るための練習会(袖ヶ浦FRW、女神湖)を主宰、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員、JAF交通安全・環境委員会 委員、高速道路調査会 フェロー、一般社団法人 全国道路標識・標示業協会 理事、BMW Driving Experience チーフインストラクター、BOSCH認定CDRアナリスト。