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映画やテレビドラマに登場した昭和の名車を展示。「九州自動車歴史館」にインタビュー

更新

2023/06/07

公開

2023/06/07

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大分県由布市にある「九州自動車歴史館」は、明治から昭和にかけて製造されたクラシックカーやバイクを展示している歴史館です。映画やテレビドラマで使用された自動車も展示されており、一度は目にしたことがある自動車も見つけることができるでしょう。館内にはミュージアムショップやカフェも併設されています。

今回は九州自動車歴史館の水澤省史さんに、九州自動車歴史館の魅力とクラシックカーの歴史についてお話を伺いました。

目次

    1.九州で初となる自動車歴史館

    ― よろしくお願いします。まずは九州自動車歴史館について教えてください。

    水澤さん(以下、水澤):九州自動車歴史館は1988年に大分県由布市でオープンしました。これまでに映画やテレビドラマの劇中で使用されていた自動車を中心に展示する、九州で初となる自動車歴史館です。

    館には外国車約30台、国産車約40台(3輪を含む)、二輪車約30台、1960年代の双発機1機を展示しています。車だけでなくジュークボックス4台(使用可能)も設置してあるので、明治から昭和の世界を存分に楽しんでいただける空間です。

    平日は9時半から16時半、土日祝日は9時半から17時まで開館しており、大人1,000円(中学生以上)、小人400円(4歳〜小学生まで)、団体650円(10人以上)の入館料で、小さなお子さまからご高齢の方までご家族三世代でお楽しみいただけます。

    2.昭和の映画に登場する自動車が見られる

    ― 昭和レトロコーナーの見どころについて教えてください。

    水澤:館内の「昭和レトロコーナー」には、映画やテレビドラマに登場する懐かしい自動車や、歴史のある自動車が展示されています。

    例えば、昭和前期に存在した軍用車、戦後に復興のための道具として存在した自動車、高度経済成長期に生活必需品として存在した軽自動車やバイク、昭和の国民車である「パブリカ」などがあります。

    歴史を物語る背景とともに自動車を見られるので、さまざまな世代の方に楽しんでいただきたいですね。

    ― 「ミュージアムショップ」の商品ラインナップやカフェスペースについて教えてください。

    水澤:当館のミュージアムショップでは、ミニチュアカーやプラモデル、グッズ等を販売しています。ミニチュアカーは、国内だけでなく世界中から数百種類もの商品を集めているので、車好きの方に喜んでいただける貴重な逸品もあるかもしれません。

    お越しいただいた際には是非ご覧いただけるとうれしいです。

    3.1900年頃から実用化されてきた自動車

    ― 国内における自動車の変遷をお教えてください。

    水澤:自動車は一般的に1900年の初頭から実用化され、瞬く間に世界中に広がっていきました。国内では明治後期から、実用車・軍事用車として多くの人に使用されるようになります。その頃は、アメリカの老舗メーカーであるフォード車を中心に普及されていました。

    やがて国内でも、当時の輸入車を手本として国産車を生産するようになり、ダットサン(現在の日産自動車)などが試行錯誤を重ねて自動車を生産。戦後には残った資材を活用して、簡素なオート三輪車・自転車・バイクなどを生産し、復興を遂げています。

    これらの歴史から日本は自動車生産大国へと発展することができました。現在は燃費の良さや壊れにくさといった機能性も兼ね備えており、世界に輸出するまでに進化していますね。

    4.歴史的な価値を持つクラシックカー

    ― クラシックカーの魅力はどのようなところにあるのでしょうか?

    水澤:自動車は各時代のステータスシンボルとしての位置付けもあり、所持することでご自身が高まるような気持ちにさせてくれるものです。

    特に1990年代には、贅を尽くした美しいデザインや高性能の自動車が製造されていました。この時代の自動車は、現在でも価値の高いクラシックカーとして保存されているものも多くありますね。

    またクラシックカーには、歴史的な価値・魅力もあると思います。例えば、目覚ましい経済発展の途上であった昭和の時代に生産され、初めて運転されたダイハツ・ミゼットやトヨタ・パブリカ、大正から昭和初期に生産されたボンネット型のバス等、その時代を生きた人々の記憶に残り、時代を象徴するシンボルとしてもこれらの自動車は存在しているのではないでしょうか。

    九州自動車歴史館では、このような美しく貴重な自動車や、歴史的な自動車などを数多く展示しています。

    5.クラシックカーとの出会いを提供し続けたい

    ― クラシックカーのオーナーを目指す方へのアドバイスをお聞かせください。

    水澤:現代の社会で30年以上前に製造された古い自動車(旧車)を保存・維持していくには、定期的なメンテナンス等の努力が必要です。

    九州自動車歴史館では、常に数台の古い車両をレストア(修理して路上を走行できる状態にすること)していますが、部品を手に入れるのが難しく、ベテラン技術者も減少していることから維持することへのハードルは年々上がっています。

    近年は路上でクラシックカーと遭遇する機会も減っている状況ではありますが、皆さんとクラシックカーの出会いを提供できるような九州自動車歴史館で在り続けたいと考えています。

    大分県には、湯布院と阿蘇を結ぶ「やまなみハイウェイ」という絶景の道がありますので、愛車とのドライブを楽しみながら、九州自動車歴史館にもお立ち寄りいただけますとうれしいです。

    旧車を愛する方々の熱意を楽しみにお待ちしています。

    ― 本日は紹介いただき、ありがとうございました。

    九州自動車歴史館
    大分県由布市にある、クラシックカーとバイクの歴史館。明治の自動車や昭和の映画・テレビドラマで使用された自動車が常時70台以上展示されている。湯布院駅から徒歩15分。無料駐車場あり。

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